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小6女子にまるで哲学的なことを言われ、うなだれていたら最後のみかんを食べられていた話し。

大熱が3日ほど続いていた。
一人暮らしの独身女の大熱は慣れた。
無理はせず、水を飲み寝る。
足元には湯たんぽを。
頭には氷枕を。
そしてひたすら汗をかく。
一人暮らしの独身女の大熱は大概これで治す。

ようよう熱も下るもまだ頭痛いなぁ〜な頃合いに小学生のいつメン(女子)が容赦なく上がり込んでくる。
ここはおまえらのばあちゃんちか⁉️
(誰がばあちゃんやねん⁉️)

いつメン女子は言葉も催促も容赦ない。
「キャンベルなんか飲ませて〜」
「いま水しかない。」
「貧乏かっ‼︎なんで水だけなん!しかもキャンベルの家の水道水とか飲めんし!」
毎回クソボロに言われる。

「あ!みかんあるやん!」
「あ…!それは私のみかん!」
か弱い声で咄嗟にみかんを防御した。
大熱中、私の水分と空腹を補ってきたみかん。
残りの一個を大切に残していた私の大切なみかん。
取られたくない!
食べられたくない!
これだけは絶対に‼︎

小6女子は叫んだ。
「あのな、この世の中にキャンベルのものなんか一個もないんよ!」

えっ…⁉️

この世の中に私のものなんて一個もない⁉️

この世の中に私のものなんて一個もない…。

確かに…

確かにそうかもしれん…。

この世の中に自分以外に自分のものなんて一個もないかも…!

大きくうなだれ、小6女子の言葉に仏学的な事を思った。
釈迦が何言ってたかは知らないけれど
でも
「この世の中に私のものなんて一個もない。」はまるで釈迦が言ってたっぽい言葉っぽいしとても哲学っぽい。気がする。

そうかもしれん…
そうかも…。
確かにそうかも…。

確かにそうや‼︎
この世の中に私のものなんて一個もないんや!
大事なこと教えてくれてありがとう!

うなだれていた首をあげ
「そうかもしれんな!」と小6女子の方を向くと
残りの一個のみかんをいつメン女子4人で分けあって完食…!

「あれ…?私の分は…?」とか弱い声で聞くといつメン女子たちは笑いながら机にある皮をゆびさし言った。
「これ〜〜〜ww」
「ごちそうさぁ〜んww」
「帰ろ〜ww」

最後のみかんを…

おっ!おぬれ〜!
私のみかん返せぇぇぇぇぇ〜〜〜!
哲学っぽいこと言うな〜!
仏学的っぽいこと言うな〜‼︎
騙された〜!(知らんけど〜‼︎)
私のみかんじゃ〜!

私のみかん〜😭😭😭
最後のみかん〜😭😭😭

くそぅ…
平成生まれめ…!
うまいこと言いよってから…
くそう…
くそう…

みかん…

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