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民泊の設備要件を解説!台所と洗面設備の兼用は可能?
こんにちは、TOMARO(トマロウ)です。
前回は、「シンクに鏡を設置すれば洗面設備になるか?」という疑問にお答えしました。まだお読みでない方は、是非ご覧ください。
その続きとなりますが、住宅宿泊事業(180日制限のある民泊)の場合、洗面設備に加えて台所も必須であり「台所を洗面設備としてしまうと、台所がなくなってしまうのでは?」といった懸念が生じることがあります。実際、古い住宅では独立洗面台が付いていないケースも多いですよね。
今回は、この点も踏まえて住宅宿泊事業を始めたいと思った時に、必ずクリアしなければならない『設備要件』について解説していきます!
その前に「民泊をやってみたいけど、旅館業と住宅宿泊事業の違いは?180日制限って何?」という方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
▶️物件探しの前に決めておくべき2つのこと
▶️民泊を始めるなら?旅館業と住宅宿泊事業の手続き比較
法律で定められた4つの設備要件
住宅宿泊事業を行うには、法律で定められた設備を整える必要があります。
具体的には、台所・浴室・トイレ・洗面設備の4つが挙げられます。
国土交通省令や厚生労働省令で「家としての生活の本拠となるために必要な設備」が定義されているわけですね。
住宅宿泊事業法
第二条 この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。
一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられていること。
住宅宿泊事業法施行規則
第一条 住宅宿泊事業法(以下「法」という。)第二条第一項第一号の国土交通省令・厚生労働省令で定める設備は、次に掲げるものとする。
一 台所
二 浴室
三 便所
四 洗面設備
これを踏まえて「自分の物件は大丈夫かな?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
この中で、台所やトイレについては、基本的に設置されているはずなので大丈夫かと思います。
一方で問題になることが多いのが洗面設備です。
独立洗面台がない物件でも大丈夫!
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特に、独立した洗面台がない物件、これがけっこう多いんです。
でも、ご安心ください!
結論から言うと、台所シンクを洗面設備として兼用しても大丈夫です。
「え、台所のシンクで顔を洗うの?ちょっと気が引けるな…」という声が聞こえてきそうですが、実際には法律的にOKなのです。
ただし、注意点があります。
台所シンクを洗面設備として認めてもらうためには、「調理と洗面の両方に対応できる」ことをしっかり説明する必要があります。
台所シンクを洗面設備にするポイント
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具体的には、以下のポイントを押さえておきましょう。
✅鏡を設置する
前回の記事でもご説明した通り、台所シンクに鏡を設置することで洗面台として兼用できます。
✅洗顔用品を用意する
洗顔石けんやタオルを設置しておけば、実用性も見せられます。
✅使い分けを説明できるようにしておく
例えば、「このシンクは料理の後にしっかり洗浄して、顔を洗うのに問題ない状態を保っています」など、尋ねられた時にいつでも説明できるようにしておきましょう。
これらの工夫で、台所シンクを『合法的な洗面設備』にすることが可能です。
根拠として、住宅宿泊事業法のFAQでもこの方法が認められている旨が記載されています。以下にその内容を少しだけ引用しますね。
住宅宿泊事業法FAQ 2住宅宿泊事業関連(5)
質問:台所を洗面設備とみなしても良いのか?
解答:台所を洗面設備とみなすことも考えられますが、給排水以外に、調理および洗面それぞれに必要な機能が求められます。
まとめ
民泊の設備要件、意外と柔軟ですよね。
少しの工夫でクリアできるので、安心して準備を進めてください。
特に、シンクを洗面設備として活用するアイデアは、「簡単に設備を整えたい!」という方にはピッタリ。法律にのっとりながらも、コストを抑えて対応できるのが魅力です。
民泊の準備には不安や疑問もつきものですが、必要な要件を一つひとつクリアしていけば、きっとスムーズに進められるはずです。
記事の内容に関するご要望や、ご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。