エルデンリング メリナ考察(メインストーリー考察)その1
<初めに>
この考察はメリナのホワイダニットを中心に、ハウダニットを解き明かしたいという趣旨です。また、どちらかと言うとメインストーリーから逆正攻法、即ち終わりから始まりをド直球で予想する方式を取っています。
証拠や文章による古い歴史から探る人が多いので、私はその逆を行った感じです。きっと何かの役に立つだろうと。とんでもない怪物が出てくるとも知らずに・・・。
また、あまりにも長いので二部に分けています。第一部「人物像」、第二部「解答編」。これは第一部になります。
基本メリナと言う存在は、「使命」と切っても切り離せない存在であり、メリナの使命=プレイヤーの使命となっています。要するに、メリナを完全解明するという事は、「メインストーリーの全概要を解き明かす」と同義であり、単独の考察はあまり意味ないのです。ただ、これはとても時間がかかるので誰も挑んでいないかなと思います。これは、それに「なんとなく」挑んでしまった憐れな男の物語でもあるのです。
<基本ルール>
・ストーリー上で起こった事が「最重要」(台詞、行動、動機)
※ストーリー>>テキストって事
・台詞は全て信用する
※台詞に嘘があると仮定したい場合は相応の証拠が不可欠
・如何なる無茶な矛盾が存在しても否定しない
※原作者、フロムのミスは「無い」と仮定する(笑)
<考察を地獄にした元凶、「確定証拠」>
メリナに関してあらゆる状況を覆す確定証拠の発見が始まりです。これは私どころか色々な人の考察を覆すレベルのものです。助けて。
・確定証拠:「使命の刃」「凶器の所在地」「モーゴット戦の協力サイン」
モーゴット戦の「協力サイン」から呼ばれたメリナは使命の刃を装備しています。繰り返します。「装備」しています。・・・協力サインのシステムを思い出してください。装備している=「持っている」。
何故これが確定になってしまうかというと、協力サインはゲーム上そういうシステムだからです。「霊体は協力サインに持っていない装備を持ち込める」という特別ルールをフロムが公言しない限り、システム上確定です。
よって「モーゴット戦の時点」で「使命の刃」を「所持している」人物がメリナになります。そしてこれは同時に、
「メリナには実体がある」「ミケラ(最有力容疑者)とは別人」
という証拠になってしまうんです。
というのも、使命の刃はモーゴット戦後王都の隠し部屋で入手可能だからです。この隠し部屋はモーゴットを倒さないと辿り着けない場所に存在し、置き忘れた状態になっています。ここから更に追加になる条件として、
「移動可能」「直前まで【居た】」「入手条件から【意図的】である」
となるのです。
これらの条件を纏めて更に時系列を追加します。即ち、「モーゴット戦までに死亡の可能性がある者は全て除外」って事になります。ぶっちゃけこの条件で残る主要人物は、
「マレニア、ミケラ、ラダゴン=マリカ、ラニ、レナラ、グラング=マリケス、ゴットフレイ=ホーラ・ルー、ヒューグ、ローデリカ、ギデオン、エンヤ、シャブリリ(笑)」
ぐらいしか居ないのです・・・。しかしこれらの人物は殆どアリバイがあります。特にミケラは、モーゴット戦時点でモーグウィンに「辿り着かない」事も可能であり、そうなると「モーグに捕えられたまま」という完璧なアリバイが存在します。
更に問題となるのが場所ですね。あの時点あの瞬間に王都へ行ける人物って事になると、多分ほぼ壊滅します。円卓から離れないヒューグ、ローデリカ、エンヤは論外、捕らえられているマリカもまあ無いでしょう。マレニアは「眠っている」という可愛いアリバイがあります(笑)ラニはイベント中の可能性があり、レナラはまあ動かんでしょ(適当)ぶっちゃけシャブリリが一番可能性高いとか訳わかんない事になります。
まあ要するに「実体がある」「主要人物の誰かである可能性は非常に低い」と言わざる得ない条件になるのです。シャブリリ激推しをしない限りは。。。
<メリナは虚偽の証言をした?>
メリナ「焼け爛れ、霊の身体となってまで、生き続けている理由を」
とメリナ自身が発言しています。これは虚偽?
・・・上記の確定証拠とルールを考慮した場合、
「その瞬間実体があったが通常は霊体」「主人公が王都に辿り着くまで何かしらの理由で実体を動かせない、もしくは実体に回帰する事を許されていなかった」
という仮説が立てられます。全てを信じるならそういう事になります。
何故ならメリナに実体があるのならば、自分で使命を果たせば良いのです。ストーリー上実体の存在は強烈な矛盾を生みます。もはやフロムのうっかりを信じたい気分なんですが、【意図的】であるのを思い出してください。
意図的である以上、ミスの可能性は非常に低いのです。
<根拠なき第三者はNG>
ノックス第8戒「探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。」
取り敢えず守ります。そうなると、証拠で示された人物以外の登場は無理です。「黄金樹の妖精」とかそういうのはNGって事です。そういう種族が示された証拠が無いです。
そこで重大な証人にご登場願いましょう。ミリセントです。
ミリセント「実は、私はマレニアの血縁のようなのだ」
ああ・・・ありがとうありがとう。何て良い娘なんだ・・・。彼女の証言により、
「〇〇の子孫」
という概念はこの作品で通用する事になります。即ち、「子孫が存在する可能性があれば」OKという事です。逆に子孫が存在できない場合除外です。
<種族の整理>
ここで、この世界の「種族」を整理します。子孫存在の可能性です。大カテゴリーとしては、「坩堝」「生命」「異邦人」「外来種」「判別不能(証拠不足)」です。
坩堝→坩堝の騎士関連、混じり合った感じの生物
生命→ゴットフレイを除くデミゴッド、褪せ人、多くの敵とか
異邦人→ゴットフレイ、外の神、外の世界の敵とか
外来種→大いなる意志、エルデの獣
判別不能→古き生命、指
メリナの「外見」から流石に坩堝は無理。異邦人は狭間の地の理の外なので除外(そこまで行くと範囲が広すぎて推論不可能になる)。外来種、判別不能はそもそも証拠乏しいので一旦除外。生命の中で褪せ人は狭間の地に戻ってきたばっかりなので除外。細かい敵とか絶対証拠が無いから除外。まあそうなると、結局デミゴッドの子孫が一番可能性高い。つーかドラゴンの娘ですとかいきなり言われてもふざけんなになると思いますので。
<誰の子孫?>
ここで僕の重要視しているホワイダニットを思い出します。即ち、モーゴット戦までに登場するデミゴッドの子孫であるかどうか?ちょっと考えにくい。ぶっ倒している暇があったら協力して使命を達成しろ状態です。
よって、結局残るのはミケラ、マレニア、ラニ、ラダゴン=マリカになります。ただマレニアさんもう子孫がいっぱい居ます(笑)これにメリナとか加わってしまうとすげぇめんどくさい事になります。というか矛盾だらけになりますので一旦除外します。んで、ミケラvsラニvsマリカという戦いになります。
ただ、ミケラはちょっと不利です。何せメリナはマザコンなので、「母」が居ないと話になんない訳です。そうなるとラニvsマリカです。ただ、ここでもう一度ホワイダニットを思い出してください。ラニがメリナの使命を依頼するかどうかです。ラニにとって重要な事は夜の律(星の世紀)であって、主人公を王にすることではありません。
そうなると、最重要容疑者はマリカという事になるのです。
<隠し子というキーワードの否定>
ご存じの様にマリカ直系の子はデミゴッドとして名をはせていますので、わざわざ隠し子を用意したという事になります。
母マリカの可能性は大きい。子孫である可能性も大きい。しかしだからと言って「隠し子」を使っていいのか?何故なら証拠が0だからです。隠し子のかの字も出てきません。要するにノックス第8戒違反です。
まあファンタジーなのでノックスに従う必要性はまるでないのですが、ゲーム・オブ・スローンズの原作者がこんな馬鹿な事をするのかって話です。えーっと、あれは矛盾があったような・・・(笑)まあ一旦信じましょう(適当)そうしないと何も始まりません。
よって、「隠し子ではないマリカ(仮)の子孫(証拠あり)がメリナの要件に該当しないといけない」という事になります。はい、僕の首は真綿でぐるぐるです。
<マリカは何がしたいのか?>
ちゃんと証人が居ます。ヒューグです。ヒューグの行動はマリカの依頼。
ヒューグ「デミゴッドたち、そして神に、挑み、殺す」
・・・これがマリカの意志です。デミゴッド「たち(全員)」と神(大いなる意志)の抹殺がです。ここで重要なのは「デミゴッドと神をハッキリと分けている」「神の打倒が依頼に含まれる」って事です。これは明確な「反逆」です。
ではメリナの使命はどうでしょう?反逆ですか?答えはイエスです。「結果」として、デミゴッドを殺し、大ルーンを集め、黄金樹を燃やし、エルデの獣を討伐。マリカの依頼とほぼイコールなんです。
ここでポイントは、この行動に主体性があったかどうかです。
メリナ「私の使命は、母から授かったもの」「けれど、今はもう、私の意志になった」(中略)「・・・誰にも、それを侮辱させない」
これは巨人山での台詞です。主体性ありです。主体性がある以上、これは「結果論」ではなく「使命」だった事になります。ただ、逆説としてこれ以前は主体性が無かった事になります。決意した時間軸は黄金樹に拒絶された後です。
<実は実体ありの方がストーリー上矛盾しない>
黄金樹はモーゴットと主人公が示した通り、デミゴッドや褪せ人を拒絶しました。即ち、事実上「誰も祝福(歓迎)していない」事になります。
そうなると矛盾してしまうのが、メリナの「黄金樹の周りだと動ける」発言です。拒絶されているのに動ける???なんで?ってなっちゃいますね。生まれた場所だから動けるって言うのもぶっちゃけ意味不明な話です。しかし、王都の使命の刃があった隠し部屋(めんどくさいので以降メリナの部屋とします)に本体があるならば発言は矛盾しなくなります。
しかもよく考えたらメリナさん種火の時活発に動き回っているじゃあないかと(笑)そこ黄金樹からめっちゃ遠いです。また、メリナは使命に対して「王都までは主体性が無かった」事を考慮すると、自分で使命を達成する意識が元々低かったと仮定でき、あれ?全然矛盾しないという事に気づくのです。
そもそもなんで霊体がトレントの指輪を持っていたり、譲渡できるんだよって言う側面もあります。まあこのゲームは霊体の定義が曖昧なので何とも言えないのですが、問題となるのがやっぱり使命の刃なのです。霊体が譲渡できるとするなら、なんでそれは直接渡さないのか?って話になっちゃいます。わざわざ置き忘れたと?動機は?ってなる訳です。
割と無茶な証拠が出たなと思っていたのですが、寧ろ実体が無いと仮定した方が矛盾してしまう場面が多く、先入観なく考察する事の大切さをなんか学びました。
<メリナの人物像>
現時点でのメリナの人物像は、
「マリカからヒューグへの依頼と同様の使命を受けている」「黄金樹の麓で産まれた」「そこで母から使命を授かった」「けれど全てを無くしてしまった」「主人公にエルデンリングに導かれ、それに挑む人であって欲しいという望みがある」「王都で使命を再確認した」「そこで考え方が変わった」「実体はある」「王都に辿り着くまで動かせない」
という事になります。ははっ、訳分らん。
<母の母は母、手痛い反論>
ゲシュタルト崩壊しそうな話ですが、「母」の範囲がどうなっているのか?って話です。マリカの依頼がメリナの使命とほぼイコールなのは分かりましたが、メリナの言っている母が直接の母なのか祖母なのかもっと前のご先祖様なのかって事です。信仰対象を母と呼ぶ場合もある為、全くの他人である事も否定できません。
ただ「生まれた場所で依頼を受けた」ことから、流石に他人はないだろうと。少なくとも親族。また同様に生まれた場所でご先祖様から依頼を受けるのもかなり意味わかんない話なので、「直接もしくは直近(祖母)の母」である可能性が一番高い。
ただこれには反論もあります。
反論:「メリナはマリカを【女王マリカの言霊】と呼称している」「即ち【母】とは別人である」
主張:「メリナは【母】を明示していない」「よって、【何者かの言葉】を伝える場合誰なのかを明らかにする必要がある」「以上のことから矛盾はしない」
反論:「その場合は【母】の実名を隠す【動機】が必要である」「それを隠す動機が明示されていない」
・・・げふぅ。そう、メリナさんはマリカを三人称で語ってしまった以上、マリカ説の場合「母の存在を隠している」という論法が成立してしまうのです。ここの「隠したい証拠」を明示しない限り、マリカ説の続行は不可能です。一旦真実は闇の中へ・・・
<もう一つの視点、「主人公」>
メリナについての最大の証人は主人公だったりします。そもそも何で主人公に「こうであって欲しい」という望みを持っているのか?って視点です。
結局これを解き明かす事がメリナ像最大のポイントです。即ちメリナは、母と主人公を両方繋げないとホワイダニットが完成せず、それは同時にメインストーリー殆どの謎を解明する事になるのです。/(^o^)\ナンテコッタイ
ストーリーを再度めぐる事で黄金の真実へと至る・・・
<主人公は誰なのか?>
一旦マリカ、メリナの不可解軍団の事はさっぱり忘れて主人公単独に絞ってみましょう。
主人公は「褪せ人(狭間の地を追放された子孫で呼び戻されたメンバーの一員)」「巫女が何故かいない」「メリナに何故かやたら期待されている」「狂い火ルートに行くとメリナが激おこ」「運命の死を何故か余裕で継承」「何気に使命を全部達成した猛者」という感じです。
主人公が褪せ人であるというのは、散々色々な人から褪せ人と煽られていますので、よっぽどの屁理屈をごねない限りは褪せ人と素直に受け取って良いでしょう。というかそれ以外だとそれを証明する必要がでてきますが、そんな証拠ありません。
ついでに、主人公の身元を保証したお方が存在します。指読みのエンヤと指様です。
指読みエンヤ「・・・あんた、新しい褪せ人だね?」(中略)「見てごらん、指様(二本指)が震えている。大ルーンの主たる、あんたを歓迎しているのさ」
この方々が保証(歓迎)している=「神」が保証している
となり、これを覆すことは「設定上」ほぼ無理です(笑)よって、主人公=褪せ人は実質「確定証拠」となり、身元は「狭間の地出身の末裔」で大丈夫なのです。
メリナと違い主人公はこんな感じで確定証拠が豊富です。主人公目線のストーリーなので当然です。だからこそ「主人公(プレイヤー)目線」というのは非常に重要なのです。
<仮説:主人公はミケラの子孫>
主人公の「身元」について、唯一無二の言及が、
リエーニエ指読みの老婆「・・・あんた、ミケラ様に縁がある」
って証言です。褪せ人である以外だと、これが唯一でしょう。
指読みは外見上胡散臭いですが、繋がっているのは二本指=神であり、先述通り現在進行形の確定証拠に近い存在です。指読みの台詞は非常に重要なのです。
よって主人公=ミケラの子孫は「神の使いの言及が存在する」という感じになり、強力な仮説として成立する訳です。
何故ならばミケラ様とは面識も無ければ(直接)会う事も無く、ストーリー上で関係性が全く明示されていないのに縁があると言ってしまったので、これは逆説的に子孫以外の理由が見当たらない状況なのですよね。
なので一旦主人公の身元をミケラの子孫と仮定して物語を振り返ります。
<メイン進行の限定、範囲を絞る>
エルデンリングはオープンフィールドの為、メイン進行とは関係ないものも含まれます。使命=メイン進行と仮定した場合、結局一体どれがメイン進行なのかを限定する必要があります。そうしないと話が逸れるのです。そしてこれはそのままメリナの行動範囲を限定する事になります。
一番簡単な限定は「絶対に倒さないと進まないボス」の特定です。結論を先に述べます。
OP→メリナ邂逅→大ルーンを持つデミゴッド2体(誰でもいい)→王都→巨人山→ファムルアズラ→崩壊した王都
以上がメイン進行です。意外と限定的ですね。
基本王都まではほぼ全てのボスがスルー可能であり、大ルーンを持つデミゴッドを2体討伐すればいいだけです。倒さないと「進行しない」のはゴットフレイの幻影以降です。具体的には以下になります。
ゴッドフレイ幻影→モーゴッド→火の巨人→神肌プリキュア→グラング=マリケス→ギデオン→ゴッドフレイ=ホーラ・ルー→ラダゴン→エルデの獣
要するにこの範囲が使命の範囲です。変な話これ以外のデミゴッドは誰を倒しても良く、どうでもいいって事になります。欲しいのはあくまでも大ルーンです。
<補足、ゲームでの時系列>
死亡の可能性云々のところでも少し触れましたが、ゲームでの時系列はとても繊細です。Aルート、Bルート、Cルート全ての状況において「共通」という動機や証拠が必要不可欠であり、Aでは成立するがBでは成立しないというのは基本NGです。
よって、絶対倒さないと進行しない=フラグ系のボスに特定するというのはゲームならではの推理方法です。最悪ここに抜け漏れ矛盾が発生してしまうのがゲームの自由度ってところがある為、なるべく「主題」に絞って推理をしています。細かいテキスト証拠に拘らないのはそういう理由もあります。藪蛇ってやつです。
<メリナが「行かせたい場所」の特定>
以上の論法により、メリナが「主人公を行かせたい場所」は、「王都」「巨人山」「ファムルアズラ」と特定します。ここの場所は「使命」もしくは「メリナか主人公にとって」重要なポイントです。
それぞれの重要ポイントは以下です。
王都=メリナの本体、黄金樹の門、エルデの獣
巨人山=種火の祭壇
ファムルアズラ=運命の死
<運命の死とは?>
テキスト証拠により、宵眼やら信仰対象やら死のルーンやら色々な「関連物」は出てきます。それらは概ね把握していますが、敢えてある台詞を出しましょう。
メリナ「・・・そして貴方に運命の死を」
これは狂い火ルートラストでのメリナの台詞です。運命の死は明らかに「動詞」として成立していますね?運命の死は主人公が継承した筈ですが、その上でこの台詞だからです。よって、上記を動詞と仮定し、言葉の仮説を構築します。
運命の死=運命による死=永遠ではない正しい死
運命による死とは要するに「普通に死ぬこと」です。逆説的に、この世界は「永遠」という矛盾が存在します。人が正しく「死ねない」のです。これはそのまま「正しい状況にする」という意味と捉えられます。
そう仮定した上で、下記の有名な?台詞を考察します。
「炎と共に歩む者」「いつか、運命の死に見えん」
ここの推理をする上で重要なのが「対象」です。使命の刃に記載されているので勘違いしそうになるのですが、この台詞を「贈った」のは主人公です。メリナ自身の事ではないのです。この言葉は「祈り」です。メリナ単独で考察してしまうとこの「愛の目線」を失います。
「見ゆ」には古語で「会う」の意味があり、「いつか運命の死に会ってください」となります。しかしこの台詞は自身の武器に刻んだ程の言葉なので、それなりに「思い入れ」のある言葉です。よって、これを「祈り」と仮定し動詞とミックスすると、「いつか(運命の死を継承し)正しい世界へ導いてください」と推論できるのです。
<主人公はメリナの救世主>
以上の推論により、主人公は何かしらの理由でメリナの救世主であると仮定できます。また、主人公に拘った事から「救世主である理由を知っていた」という事になります。それについては証拠も存在します。ここで重要になるのが時系列です。
仮説:「メリナは褪せ人がこの地に帰ってきた【直後】に主人公と邂逅している」「以上の証拠によりメリナは主人公を【知っていた】ことになる」
そうです。メリナの行動及び時系列です。メリナは何故か主人公の存在に誰よりも早く気付いています。この状況で知りませんでしたや偶然は流石に通用しません。
即ち「出会いは偶然ではない」「仕組まれたものである」と結論できます。
<褪せ人である主人公を「知り」「期待した」ホワイダニット>
変な魔法を使わない限り、そこから導き出されるホワイダニットは至ってシンプルです。「親族」「(祖先を)狭間の地から追放した主犯格がメリナ」です。尚、通常は「知人」も予測するのですが、褪せ人の特長からこれは除外できるのです。
主人公が「帰ってきた」事を把握できる人物は、「追放されたことを知っている」人物です。能力を把握しているのは「親族」だからです。だから期待もします。唯一手放しでこれができるのが「神」ですが、それは流石に反則です。ゲーム・オブ・スローンズの原作者がry
ちなみにこの論法に従うと、「主人公に巫女が居ない原因(最有力容疑者)はメリナ」です(笑)というかもう彼女以外ありえないです。抹殺したのか脅したのかは証拠不十分ですが、「何かしたのは」メリナさんの可能性大。ホワイダニット的にもありえます。
即ち「自分が巫女になる為に前任を排除した」です。意外にも計画犯です。逆に言うとメリナ以外の人物に巫女を排除する動機がないのです。ああ・・・きな臭くなってきやがった・・・。
捕捉として、これがミステリーであれば秘奥義「事故死・自殺(トリックとして)」もあり得るのですが、僕は事故死は逃げだと思っています(笑)それじゃなんでもありじゃねぇかと。なので一旦除外します。
<巫女を排除してまで主人公に憑りつくホワイダニット>
・・・もう一つしかないです。そこまでの愛(執着)を持ち主人公を知る人物は、「母(家族)」か「恋人」です。後者はあり得ないので、必然的に前者になります。そしてメリナを「母」とした場合、あらゆる場面のホワイダニットが成立します。
子(子孫)に期待するのは当然ですし、子が不良(狂い火)の道を選んだら止めるのが母です。子の為に命を投げ出すのも当然です。唯一未解決なのは「追放した理由」ですね。これについての目途はありますが一旦考察を続けます。
<主人公-メリナ-ミケラ?>
メリナを母(ご先祖様)と仮定した場合、問題となるのが「ミケラと縁がある」です。ミケラは確定証拠により否定されています。実はもう一つミケラを否定する状況証拠があります。「ミケラの手」ですね。
ミケラ=メリナ同一人物説の人々の根拠となっている証拠ですが、それを否定する証拠にもなるのです。即ち狂い火ルート+実在の証明ですね。
狂い火ルートは種火→三本指祝福の順番で行った場合、激おこメリナは出てきません。即ち、「種火で死亡」した可能性が極めて高い。よって、同一人物だった場合、ミケラの手に変化が無いのはおかしいのです。ついでに言うと、魂だけだったとしてもやっぱりおかしい。
となると、「ミケラと縁があるけど、メリナはミケラとは別人で、主人公はメリナの子孫」というなんだか意味不明な状況になります。そこで発想を変えます。
仮説:「【メリナとミケラ】に縁があり、主人公はその子孫」「メリナはミケラの嫁」
反論:「それだとメリナの【母】はマリカではない」「メリナの使命はマリカの意志と同等だった」
仮説:「メリナの【母】はマリカの信者(やけくそ)」
反論:???「ノックス第8条!!提示されない手掛かりでの解決を禁ず!!」
・・・ぐぎゃぁ。隠し子は否定されていますので、メリナはマリカ直系ではない。生命は全てマリカの子なので母と言えなくもないですが、それを言ったら反則だし「生まれた場所で」云々の時に否定しています。同様に、「マリカの信者」は「未知の第三者」と言い張っているのと変わりなく、そんなのダメです(笑)
くっ・・・ここまでなのか・・・。
<反撃:母の母は母>
???「ああ駄目だ。全然駄目だ。」
一度否定した説を再度掘り起こします。「間接的に」母であれば母です。最高の暴論ですが、全ての状況をひっくり返せると気づいたのです。実在の証明すらです。
即ち「ミケラの分身」です。ここでご登場願うのが、ラニと運命の死です。ラニは運命の死によって自らを滅ぼしましたね?別の使い方はできないですか?例えば「魂を分ける」とか。
ラニが「殺した」のは自分です。しかし、「魂の分割は殺したことに含まれない」とすれば、この論拠は成立します。そしてこの論拠を成立させるためには、「運命の死とは何か?」「ラニのホワイダニット」を成立させればいいのです。
<証拠提示:運命の死>
簡単に説明するとエルデンリングから切り離された「黄金律システム」の一部です。古き生命は黄金樹に吸い取られ坩堝となり、その理の元に誕生したのが今の生命です。様々な生命と「死者」からエネルギー吸収して祝福とし、死を取り除いたのが今の狭間の地の永遠の正体です。
即ち、運命の死は狭間の地の「死の概念」そのものといって良いでしょう。簡単に言うと死のエントロピー。まどか☆マギカで例えると運命の死が「ワルプルギスの夜」、大いなる意志は「インキュベーター」です。わけがわからないよ。
ちなみに私が「死のルーン」と言わないのは理由があり、死のルーンが物質として切り離された「物」で、運命の死は「力」そのものの形容と思っているからです。ここで議論したいのは物質ではなく、「その力が何だったか?」であるので、運命の死と呼ぶのが正しいと思っています。
まあこれだけでもかなり長い考察になるので、詳細は色々な人の考察を参考にしてください(笑)
ここでまずメリナの目的、主人公役割が何だったか分かります。死の概念をこの世界に「戻し」、「普通の世界」にする事です。これはメリナの台詞とも一致しますし、動機たるに十分すぎるものです。これが唯一、大いなる意志の支配から逃れる方法です。主人公は何故かこれができる救世主です。ただ、仮説的にミケラ=メリナのサラブレッド直系子孫って事で、ここは成立しそうな感じなのです。
問題は「ミケラによる犯行は不可能」という部分をひっくり返す事ですね。魂の分割ができる証拠もないしできない証拠もない。ただし肉体と魂の分離は可能。それぐらい凄い力を秘めた何かって事だけです。これは別の視点が必要そうです。
<証拠提示:ラニのホワイダニット>
そもそもラニがなんでミケラをバラバラに(笑)したのか動機がありません。これがラダゴン=マリカ(浮気の主犯)だったら分かります。また、時系列的にミケラの誕生がラニ犯行より前だった証拠が無く、ここがかなり引っかかります。
まてよ・・・浮気の主犯?運命の死を使う動機に十分です。実はトライしていたとしたら?失敗していたとしたら?もしくは共犯だったら?
即ち、運命の死を持ってして本当に狙ったのはラダゴン=マリカ。しかし、雌雄同体だったので、雄・雌(ラダゴン主人格とマリカ主人格)に分離してしまった。なので結局滅ぼせず逃亡。ラダゴン=マリカは分離した事で思考が分かれてしまい、暴走へと繋がる。即ちこれこそ「破砕戦争」の真実。
「二人が一人」はミスリード。正解は「一人が二人」。一人が二人・・・。おお・・・ミケラ・・・。
<メリナフーダニットの真相>
事故って分離した感じですが、その後産まれた子供がミケラと仮説します。時系列的にも問題ない。そこの時系列は完全に示されていないのでという意味においてです。そう仮定した場合、ミケラは元々分離できるデミゴッドだった。その分離個体がメリナです。
しかし、これだと証拠不足じゃないか?何か決定打が欲しい。何か・・メリナの特長は・・・「片目だけ宵眼」!!
・・・「半分だけ」・・・半分だけ。ミケラ誕生の時系列・・・ああ・・・
ラダゴン=マリカ「妊娠中」に狙われたとしたら?ラニがミスったのは「魂が二つあったから」。半分殺され半分残った。
最終戦のラダゴン=マリカ。肉体の半分だけ滅んでいますね?・・・「分離した片方(マリカ主人格)は大罪で大いなる意志に滅ぼされた」もしくは「この時の影響により半分だけ朽ち果ててしまった」で説明可能になるのです。
そう「半分だけの宵眼」そのものが決定打。宵眼は「運命の死」に敗れた者に宿ると言われています。そもそも妹マレニアはこんな事になっていません。「メリナ(ミケラ)だけが」そうなっている。半分だけ宿るなんて奇妙な状況になるには、相当な事が無いと駄目です。
これですよ。これ。そもそもミケラ様はかなり信仰されているので、運命の死に挑んだならばそれなりに「伝説」になっている筈です。しかし一切語られることはない。宵眼を持っているのに奇妙な事です。その全てに説明が付く。
この「分離」というキーワードは運命の死そのもののキーワードであり、ルデンリングの根幹の部分のキーワードでもあります。「分離と回帰」。ついでに、後述しますが分離と仮定すると新たな状況証拠が出ます。
そしてこれは、「母であって母ではない」という事に繋がるのです。母(父)はミケラです。しかしミケラからすると母はマリカです。母の使命=ミケラの使命=メリナの使命。これにより「ミケラ(のクローン)と縁がある」は成立。ミケラのアリバイは全部ひっくり返る。ミケラを本体と仮定した場合、メリナの「魂のみ」発言は矛盾しない!!ああ・・・ああ・・・
<実は分離の状況証拠ならある>
上記仮説をした場合、状況証拠が新たに生まれます。
まず、メリナが「母」と呼ぶことです。絶対に「父」とは呼ばない。ラダゴン=マリカは同一人物なのに。これって違和感ありませんか?かかあ天下だからしょうがないとかでもいいですけどそれだとあんまりなので、ちゃんとした理由があったって事ですね。
そして主人公はメリナの子孫・・・何故主人公が運命の死に適合したのか・・・何故エルデの獣を討伐できたのか・・・。
最終戦マリカは大罪で手かせをはめられ捕らえられていました。「マリカは」捕らえられていましたが、ラダゴンに切り替わったら手かせが壊れた。これは同一人物で罪が違うと捉えらる・・・何故か・・・。
そして私の中で決定打となった究極の状況証拠が一つあります。シャブリリです。
シャブリリ「たとえ彼女が望んだとしても、小娘の犠牲なしには、自らの道も行けぬ」
わかりますか?何が言いたいか?・・・【小娘】。これ、この作品唯一無二のメリナに対する直接発言、「目撃証言」です。これらについては解明編で解説します。
・・・全て繋が・・・ああ・・・光が・・・
<そして(妄想の)真実に至る・・・>
母=「直接の母(父)」ミケラ、「間接的な母」マリカ
メリナ=ミケラの「分離個体」
主人公=「メリナの」子孫
根拠:愛
ここまでが、メリナのフーダニットです。実はまだ残っている謎があります。「王都に実体があり動かせなかった理由」「主人公の祖先(我が子)を追放した理由」「一体何を失ったのか?」ですね。
ここからは本番であるホワイダニットとハウダニットを組み合わせたメリナ、即ちメイン進行の謎をほぼ全て解き明かす事で提示していきます。
メリナ考察その2
https://note.com/shiny_daphne505/n/n39bebaac7882
メリナ考察その3
https://note.com/shiny_daphne505/n/nbc79574a8133
メリナ考察その捕捉
https://note.com/shiny_daphne505/n/nfc2072caa80a