エルデンリング メリナ考察(メインストーリー考察)その2
<解答編その1>
その1でメリナのフーダニットを解き明かしました?が、ホワイダニット、ハウダニットを繋ぎ合わせて解答編としたいと思います。この解答編にて未解決の事件と、動機がさらに明確になり、全てが繋がる感じになっています。
また、ひたすら長くなってしまったので、「王都まで」と「王都以降」の二つに分かれています。こちらは王都までの歴史を振り返る感じになります。ちなみに、本編と関係ない部分の考察は、かなり駆け足です。細かい証拠(テキスト)は存在するのですが、いちいち提示していると猛烈に長くなるのです(笑)要するに最低限抑えないと意味が分からない点のみ説明している感じです
<使命の全容>
マリカの意志、メリナの使命これらを総合的に考察すると、以下の内容になります。
目的
・大いなる意志の支配から脱却
・永遠を終わらせる
方法
・救世主の探索と保護
・救世主をエルデの王へ導き、運命の死を継承させる
・その力を持ってして、大いなる意志を退け全てを元に戻す
動機
・種存続の危機回避
<全ての始まり「大いなる意志」の目的>
狭間の地は大いなる意志の策略により永遠が存在します。恐らく大いなる意志の目的は「安定した永遠の信仰」です。黄金樹は信仰と言う名のエネルギー吸収装置。エルデの獣はそこの守護獣です。構造的には、まどか☆マギカの例え(運命の死関連)で示した通り、大いなる意志は「インキュベーター」とほぼ同等の存在ですね。永遠を代償にエネルギーをよこせって話です。
生命と言う進化した生物が欲しかったのは、高度な知能が欲しかったからです。知能が低いと安定した信仰が得られないので、エネルギー吸収効率が著しく悪い。よって、巨人戦争で生命側に味方したのは、知能の高い生物に狭間の地の覇権を握らせたかったからと思われます。極論知能さえ高ければ誰でも大歓迎で、ゴッドフレイのような異邦人も受け入れたのです。
また、永遠は安定した信仰を可能にします。何故ならば、死せる者の価値観は移ろいやすいからです。「褪せ人を容赦なく追放」したのがその証拠ですね。「高度な知性+永遠の安定=依存」って訳です。このインキュベーターは相当頭がいいです。
二本指、三本指の違いですが、それぞれ穏健派と過激派です。あくまでも大いなる意志に仕えているのに変わりはない。ただ、信仰を集めて効率的に吸収したい穏健派と全部融合して一気に集めたい過激派に分かれてしまった。早い話、三本指は特殊な何かではなく、五本指が元々神の遣い(というかアイテム)で、「神自身の」思想が分かれてしまった(要するに葛藤がある)ので二本指と三本指に分離したという構図かと。
これに危機感を抱いているのが「生命側」です。結局どちらも神の遣いに変わりはない。しかし、神に「過激な思想も存在するって事自体が」やばいのです。まあ当然だよね。ただ、神には逆らえない為、三本指を監禁するに留め手は出さない。唯一正面から反旗を翻したのがラニという構図なんですね。
<生命の起源が求める理は生物の「本能」>
ラダゴン=マリカは、「現在の」狭間の地の生命の始祖(全てマリカの子)と言われています。ラダゴン=マリカを生命と言う「種」の始祖として捉えると、究極何を求めているかが見えてきます。「種の存続」「進化」でしょうね。これは生物の本能です。
逆に永遠であると生物の基本原則において妨げになるものがあります。分かりますか?「多様性」です。永遠であるがゆえに子は失敗作ばかり。思想も偏り、進化もできない。ハッキリ言って、種としては「絶滅危惧種」です(笑)恐らくラダゴン=マリカは、本能でこれに気づいたのではないでしょうか?
「永遠が我々を狂わせる」「神を討たねば」
ラニ、ミケラ、マレニアが原因とする説が多いのですが、それ以前からもう関係性はあまり宜しくなかったと考えています。「二本指、三本指」の件ですね。単為生殖が失敗する事ぐらいラダゴン=マリカも知っていたと思われます。何故ならば、「異邦人のゴッドフレイ」を受け入れてまで生存戦略をしている張本人だからです。そこまで馬鹿じゃない。それを強行する理由があると考えた方が自然です。
それこそが反逆の下準備です。相手は仮にも「神(宇宙人)」です。生半可な手段は通用しません。実際、運命の死と言う「手段」はラダゴン=マリカも把握していた。挑んだこともあった。しかし、「正攻法はもう既に失敗済み」なんです。それがポイントです。
ここは奇策が必要です。インキュベーターの知能を上回る奇策です。
<神を騙す究極の秘策と破砕戦争>
「神にとって都合のいい者が裏切る」「本人に自覚は無い」
これこそが究極の秘策です。その為に必要なのが「創られた救世主」です。
「自らが裏切り者となりそれを打倒する救世主が運命の死を継承し、最終的にそれを使う事を選択する」
これぞまさに主人公(プレイヤー)のハウダニットです(笑)
ただ恐らく、この時点で褪せ人に託す事は考えていなかったでしょう。流石にそれは回りくどすぎます。この計画で実施された手段こそ「破砕戦争」です。
破砕戦争は所謂初期計画の一つですね。この失敗があったからこそ、とんでもない回り道を選択する羽目になったと考えた方が自然です。
<ラニとの共謀>
上記秘策を完全なものにする為に一計を案じます。ラニです。ラダゴン=マリカはラニの計画になんとなく気付いていた。そこで「共謀」します。死のルーンを「盗ませた」のです。そこで自らを討てと。ここで分離に成功し、ラニは自殺して逃亡。全ては計画通りです。
自殺直前ラニは産まれたばかりの「ミケラ」と邂逅します。「トレントの指輪」をそっと託して・・・。実は私の考察においてラニ→ミケラの指輪譲渡はこのタイミング以外存在しません。「存在しない」は強力な逆説になります。
ラニ→メリナはホワイダニット的にあり得ないのです。ラニが見ず知らずのメリナに会いに行く事はないし、メリナもラニへとある理由から会いに行く事はない(後述)。
このタイミングで譲渡したホワイダニットですが、
「トレントの指輪は魂だけだと持っていけなかった」「ラダゴン=マリカ暗殺にミケラ(妊娠中)を巻き込んだ事を申し訳なく思っていた」
かと思います。仮にも「義姉」なんです。。。なので、義弟であるミケラに後を託したのです。「ごめんね」と言わんばかりに。
恐らくマリカは、ラニの動揺まで計算して計画していたのではないかと。マリカはかなり切れ者で恐ろしい存在でもあります。伊達に最年長じゃありません。
マリカは盗ませた死のルーンをそのまま利用し、配下(黒き刃)に命じてゴッドフレイを暗殺。これにて、「反逆する最もらしい理由」と「反逆に必要なアイテム」が揃いました。
グラング=マリケスはこれに後で気づいたのでしょう。「ラニではなくマリカを」裏切り者と非難します。この計画の首謀者だからです。
ミケラ、マレニアの誕生を待ち、エルデンリングを砕き計画はスタートします。
<救世主マレニア、愛の無い計画の失敗>
初期計画では、「最強の神人」マレニアを救世主として選択。神人ミケラが兄として裏で引率。所謂その時点で最強の布陣(かつ超身内)です。
こう考えると、マレニアとミケラ、主人公とメリナは面白い対比です。そして、主人公とミリセントの関係は非常に感慨深いものがあります。先代救世主の子孫同士、心が通じあったのかもしれません。
ところがこの計画にはあるものが不足していた。「愛」です。恐らくですが、「ミケラも大ルーン」を所持していた。マレニアに何かあった時の為です。しかし、マレニアはミケラを兄さまと慕っています。当然ですが、この計画は母マリカと兄ミケラの討伐が含まれます。
これではマレニアに迷いが生じます。そして迎えた強敵ラダーンとの決戦。恐らくマレニアはわざと「負けた」のです。証人が居ます。ミリセントです。
ミリセントって良い娘ですよね。そんなミリセントが一番マレニアの意志を継いでいる。
ミリセント「私はもうすぐ、肉塊となる」(中略)「・・・そんなもので、君を傷付けたくはないんだ」
・・・この意志がラダーンと大地を呪うと思いますか?恐らくわざと負けた。しかし、朱い血によって意図せず相打ちになってしまった。あれは事故だったのです。
マレニアはそのショックから、より兄さまに依存するようになってしまったのかもしれません。マレニアは犠牲者なのです。
<マリカ、ラニが自分で神を暗殺しなかった理由>
ラニが死のルーンを盗めたのなら神を暗殺できるでは?
結論から言うと、「(ただの)デミゴッドでは運命の死に適合できなかった」ではないかと。運命の死の全能力を引き出せないという意味です。
それを証明したのが、グラング=マリケスです。神に任命された神人の守護者ですらとある副作用に悩み続けました。「死への渇望」ですね。グラングはもはや廃人寸前の状態であり、運命の死は凄まじい副作用があると見受けられます。仮にも死のエントロピーですからね。相当な適性が必要だったのかと。
マリケスはグラングが死のルーンを「一時的に」取り込んだ状態ですが、本来の力を引き出すには至らなかった。無茶苦茶強いですけどね(笑)マリカもラニもその事には気づいた。実際に手に入れてみて、全力は引き出せないと悟ったのだと思います。
だからこそ必要なのです。「救世主」が。ここで言う救世主とは、「運命の死の全力を引き出せる才能」です。最強の神人マレニアにはその望みがあった。褪せ人である主人公にもその才能があった。共通点は「死に近い存在」です。マレニアは朱い血という病に侵されており、褪せ人はその名の通り祝福が無ければ死んでしまう存在です。
ただのデミゴッドは永遠に依存している為、運命の死が拒絶してしまう。何故ならば、「永遠は死を拒絶する」からです。「進化」し「死を受け入れた生物」以外に、死の概念は宿らないという訳です。
マレニアもよく考えたらマリカ直系では末娘、主人公は言わずもがな。若い世代に託すのが吉って事ですね。
<愛の無い計画に残されたもの>
結局エルデンリングは砕かれたままになってしまい、各デミゴッドは暴走しやりたい放題。大いなる意志に見放され、ハッキリ言って大失敗の地獄絵図です。
「永遠に依存する我々(デミゴッド)には何も成し遂げられない」
マリカは、そう考えたのかもしれません。そこで子孫に託す事を計画します。子孫であれば、何のためらいもなく我々を滅ぼしてくれるだろうと・・・。そこで計画されたのが所謂「使命」、「神殺しの律計画」(命名俺)。
ラニは逃亡し、マレニアは疲弊し、もう残っている神人はミケラしか居ません。マリカはミケラに全てを託し、計画を秘匿する為に「死のルーンを利用して自害」。これにてようやく死のルーンを回収した神陣営は、「残ったラダゴンを捕獲」。怒り狂った神に「マリカ形態」になるよう命じられ、あの姿でずっと監禁されていたのです。所謂辱めってやつです。
ここでのポイントは、神陣営にとっては「ラダゴン=マリカ」を捕らえたつもりだった点です。しかし実際には捕らえたのは、「ラダゴンの人格のみ」であり、マリカの人格は とっくに消滅していると。ミステリーで言う「双子のトリック」ですね。早い話、それを知らなかった神陣営は「マリカを出せ!!」となったと思います。
それにしてもファンタジーなので、凄まじい精度の双子のトリックです(笑)ぶっちゃけ反則ですね。しかし、お陰様でインキュベーターとの頭脳戦にマリカは勝利した訳です。ラダゴンが細かい計画はほぼ何も知らなかった(笑)ので、歯がゆい思いをした筈です。結局マリカは「狂った」と結論付けられました。マリカはマリカで、ちゃんと神に一矢報いたと考えると非常に感慨深いです。
<マリカ、ラニ、ミケラの共通点、この作品の重要トリック>
マリカ、ラニ、ミケラは全員同じトリックを使っている事に気づきませんか?「自分自身を捨てる」というトリックです。
神へ唯一通用した秘策がこれです。この作品においてラニという存在は、「世界の謎を解き明かす存在」として機能しているのではないかと思います。だからこそのメインヒロインポジですね。
全てはシュタインズ・ゲートの導きのままに。
<ミケラの選択、妹への愛>
ミケラは妹へ計画失敗の「罪悪感」がありました。このまま母の計画を実施すべきか否か?結局ミケラは妹を選択し、全ての計画を分身であるメリナに託します。
メリナに託した方が成功率も高かった。ミケラは一連の事件の主犯格として疑われていた(しかも大正解)のではないかと。それに計画を実施するには「有名人(広く信仰対象)」すぎた。ついでに神人なので、使い魔と言う名の「監視役」が居ます。これは厳しい。
聖樹計画は妹救済と計画偽装の「二重の意味」があったのです。全てを託されたメリナは子を隠す旅へと奔走します。
聖樹計画を実施した事で、ミケラとマレニアは恐らく「放置しても大丈夫」と判断されたのでしょう。まあ(大いなる意志にとっては)どうでもいいし勝手にしなさいと。恐らく「この計画を防がなかった点」を考慮すると、大いなる意志は聖樹計画が初めから「成功しない」と何かしらの理由で「知っていた」と思われます。これについては後述します。
<トリーナの冒険、子を追放するという最後の選択>
メリナは「トリーナ」の偽名を使い各地を旅します。子を隠す為です。しかし、各地でデミゴッドが暴れている影響でうまくいかなかったのではないかと。
トリーナ様伝説は各地に残っています。少年の様な少女の様な姿として・・・。フードで顔を隠した小柄な体つき。これ初邂逅時のメリナそのままです。そのお姿こそトリーナその人ですね。ミケラとする説があるのですが、ミケラは「有名人」過ぎて流石に「信者が誤認を許さない」と思われます。「誰も知らない」メリナだからこそなのです。
この時ラニに会いに行かなかった理由は簡単です。不義理だからです。ハッキリ言ってお互いにデミゴッドには絶対に会いたくない状況です。そんな状況でノコノコ会いに行くのは流石にお馬鹿さん過ぎます。義姉の想いに準じたのです。また、「トレントが伝説に記されていない=トレントは使いたくない」って証拠もあります。だからラニ→メリナは「あり得ない」という訳です。
放浪を重ねてたどり着いた子を守る最後の手段。それは「追放」です。この地の理の外であればあらゆる追従から逃れられる。それこそ神の追撃すらも。まあ要するに最強の逃げ方「国外逃亡」ですね。
この時点で、メリナは「全てを失い」ました。母も分身(モーグが捕獲)も子も。恐らく使命そのものに疑念を抱いたのではないと。
「ここまでする価値があるのか?」「全てを失ってまで・・・」
これは当然の反応です。成功するとも分からない使命の為に、全てを失い今後子孫を待ち続ける羽目に。王都までメリナに主体性が無かった理由はこれで十分ですがもう一つ「母」ならではの理由が予測されます。
「私の子孫が本当にそんなこと(神殺し)できるのか?」「それで私の子孫は幸せなのか?」
母の苦悩(愛)ですね。
<主人公との邂逅、エルデンリングの幕開け>
メリナの血を受け継ぐ褪せ人の帰還。
恐らく、血の力を使って察知したのでしょう。メリナの血と同じ匂いがする主人公をトレントも歓迎します。気絶した主人公に対して巫女を排除したのはこの時です。全ては計画の為。
恐らくですが、メリナはOP時「本体」です。メリナは本体と幻影が入り混じっており、OP、王都以降は本体。それ以外は幻影かと思います。理由は都度説明します。
OP後の初邂逅にてメリナは既に幻影です。トレントの指輪は本体が転送しました。ポイントとして、祝福のメリナ邂逅時はいつも主人公の「目線」が明後日の方向を向いています。ところが初登場レナ(ラニ)とは目線があっている。現実と虚構の暗喩ですね。
ラニで説明した通りトレントには魂だけでは騎乗できなかった。OPで騎乗していますが、初邂逅時には既にトレントに乗っていません。
メリナの目撃情報がシャブリリ以外皆無なのは、恐らく「主人公以外視えていないから」かと思います。血の力を利用したのです。祝福に現れるメリナは、「王都以降以外幻影」ですね。メリナが幻影で現れたホワイダニットは簡単です。「神の追跡を逃れる為」です。メリナの本体が隣に立ってしまうと、子を追放してまで隠した意味がなくなってしまいます。要するに、「俺が・・・俺たちが神殺しだ!!」と宣伝して歩いているようなものなので(笑)
また、王都まで主体性が無かった点を考慮すると、この時点ではまだ主人公の力を信じ切れていないのかと。いくら我が子直系とは言え所詮褪せ人です。それが神殺しなどと大それたことを・・・。
そこでメリナは、あくまでも「王になる事をサポートする」という立場に終始したのです。王になる事自体は問題ない。そこまで(デミゴッド退治)なら自分(仮にも神人)のフォロー付きで対応できる筈。そしてなにより、それなら不幸にはならないだろうと。
よって本体を王都に隠し、そこまで自分(霊体)を連れ行けというスタンスを取ります。「王都なら自由に動ける」はまさに言葉通りの意味です。全てを判断するのはそれからでも遅くはないだろうと。
<余談、フィア>
実は、主人公と同じく「仕組まれた褪せ人」の一員がフィアではないかと。
メリナは主人公が三本指を選んだ場合あっさり見捨てます。二次策があるって考えた方が自然です。要するに、何名か居るんです。「仕組まれた救世主」が。下手をしたら「戻ってきた褪せ人メンバーの主要キャラ」は「全員救世主候補」かもしれません。
当然主要キャラじゃない褪せ人メンバーも居ますので、そういうのに紛れさせたんですね。メリナも馬鹿ではないので、複数名候補者を用意していたと。
恐らく死に最も近いフィアは、運命の死を操る才能において主人公以上かもしれません。ただ、あまりにも死に近すぎるので、「救世主」としては二次策以降だった。
何故ならば、救世主は「救済しないといけない」からです。ただただ死の力を振りまくだけではダメなのです。だからこそ、最初に選ばれたのは主人公なんですね。
<ミケラ(メリナ)の大ルーン>
様々なハウダニットやホワイダニットにおいて、ミケラの大ルーンの存在予測は結構大きいです。これは、「巫女の力の正体」「聖樹計画」「トリーナの旅の目的」「王都に主人公を向かわせた理由」「神殺しの律計画の要」と用途は多岐にわたります。
まず、ミケラの大ルーンの力をネタバレ(考察)します。「ルーンを力に返還する力」。正確には、「等価交換の力」です。「生まれ変わりの力」に近い存在です。大ルーンは全部集めても上下の三日月みたいな部分が足りません。それこそがミケラの大ルーンです。
巫女の力が譲渡できる?これ私???になりました。それができないから巫女が必要なのでは?と。大ルーンですよ。これを「譲渡」したのです。だから主人公は最終的に巫女が不要になったのです。「巫女が不要=神が追跡できない」って訳です。
そしてこれは、王都に「主人公を」向かわせたい理由の一つです。子に大ルーンを譲渡したかったのです。しかし、流石に本体じゃないとこれを譲渡できなかったし、本体を直接動かす訳にも行かない。
何故ならこの大ルーンは「神殺しの律計画の要」だった。「ミケラの大ルーンの所在が分からない=誰も王になれない」。そうなんです。メリナ以外所在を知らない大ルーンの存在は、メリナが認めた救世主以外が王になる事を阻むものであり、計画の要と言っても過言ではありません。メリナは「大ルーン」と子を隠匿したのです。
「メリナは本体に回帰できない理由がある」と予測しましたが、正にこれがその理由です。大ルーンの所在地を知られる訳にはいかないのです。OPで本体なのは危険では?と思うかもしれませんが、ここで大事なのは愛です。メリナにとって子孫の帰還は相当感慨深いものでしょう。「一目この目で子孫の様子を確かめたかった」。理由はこれだけで十分です。まあぶっちゃけ、「巫女殺害で本体が必要だった」(笑)ってのもあります。
もう一つ、恐らくこの大ルーンは聖樹生成に使われた筈です。要するに、「自身を聖樹に返還する力」としてです。しかし、ミケラ自身この大ルーンが神殺しの律計画に必要な事は分かっていた。そこでメリナに打診しておきます。即ち、「不要になったら取りに来てくれ」と。
これこそがトリーナの目的の一つです。実はトリーナのスイレンは、「巨人山に大量に生えています」。トリーナのスイレンはトリーナ信者が埋めたものとテキストにあり、恐らく巨人山で大量に目撃されています。一体トリーナ様が巨人山に何の用?・・・分身に会いに行ったのです。大ルーンを継承する為に。ある意味この大ルーンは、「メリナの大ルーン」であり、最後まで主人公を祝福し続けたのは他ならぬ母の愛です(涙)
<迷い、成長、母の複雑な感情>
「全てを失った」メリナにとって主人公は「最後の希望」です。それを訳の分からない計画(笑)に利用していいのか?相当迷いがあったと思われます。
ところが主人公は短期間で次々とデミゴッドを撃破し、実力の片鱗を見せつけます。実際問題、歴史上相当な期間デミゴットは大暴れしていたと思いますので、これはかなりの快挙です。サラブレッドとは言え褪せ人がここまでの成果を出すとは予想外だったかもしれません。
「もしかしたら本当に救世主かもしれない・・・」
不安と期待が入り混じった感情に支配されたでしょう。だからこそ王都で見極めたかった。神殺しを遂行するかどうかは王都までの成長で決める。
また、黄金樹が受け入れるのではないかという期待もありました。メリナは、黄金樹がデミゴッドを拒絶している事を知っていた節があります。しかし、神殺しを考慮しない場合、褪せ人を受け入れてくれるなら万事解決です。そこで幸せになってくれればそれで良しなのです。
メリナがマリカの言霊を逐一伝えていたのは、自分自身に言い聞かせていたのかもしれません。
<第一部完(笑)>
ここまでが王都までの経緯です。
そして王都は、ホワイダニット、ハウダニットにおいてクライマックスなんです。種火じゃないの?と思うかもしれませんが、メリナ的なクライマックスはそこであり、あとは所謂流れなのでそれ程重要じゃない。
勿論、主人公にとっては種火→ファムルアズラはクライマックスとなる為、その辺も一応考察します。
メリナ考察その1
https://note.com/shiny_daphne505/n/n5a06122355f9
メリナ考察その3
https://note.com/shiny_daphne505/n/nbc79574a8133
メリナ考察その捕捉
https://note.com/shiny_daphne505/n/nfc2072caa80a
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