「朗読とヴィオラダガンバで届ける愛の詩」に寄せて⑰
「朗読とヴィオラダガンバで届ける愛の詩」に寄せて⑰
ヴィオラダガンバの演奏プログラムで
マラン・マレ『異国趣味の組曲』より
「戯れ」を演奏する。
「戯れ」の邦題で知られているが
原題「バディナージュ」(badinage)は
「冗談」「おふざけ」という意味を持つ。
例えば、バッハの『管弦楽組曲2番』に
有名な「パディヌリ」があるが
「バディナージュ」の女性形である。
いずれも、舞曲調の小品を漠然と指すようで
テンポや拍子感に統一性は見られない。
🌸🌸🌸
バロック時代の「終演の曲」といえば
なにが思い浮かぶだろうか。
カプリース、ロンドー、パッサカリア…
『異国趣味の組曲』内の「迷宮」では
彼は曲の最後に
雄大なシャコンヌを付けている。
一方で、この『異国趣味の組曲』本体は
変ホ長調の「タルタル人の行進」で始まり
田園ではつむじ風を浴び
時には迷宮をさまよい…
この壮大な組曲の旅の最後に
マレは「戯れ」を置いた。
調性は、嬰ヘ短調。
ヴィオラダガンバの性質上
安定が悪く、
消えてしまいそうな儚さを持つ。
🌸🌸🌸
演奏会のご案内
〈朗読とヴィオラ・ダ・ガンバで届ける愛の詩〉
『かのひと 超訳世界恋愛詩集』菅原敏
マラン・マレ 「人間の声」「アラベスク」他
2024/3/16(土)
淡路町カフェカプッチェットロッソ
11:30〜、14:30〜
3500円 ドリンク&お菓子つき
完全予約制
お申込み
ventvert0403@gmail.com