見出し画像

演奏解釈の理想と本音

今日、とても嬉しいことがあった。

私が以前YouTubeで公開した
アーベルの無伴奏に
"sincere"と、好評コメントをいただいたのだ。

あの録音は、今から振り返っても
大きな葛藤のなかで弾いたことを
よく覚えている。

こういうアーティキュレーションで
こういう音色で
こんな風にディナーミクをつけたらいいと
形にするイメージは見えていたものの
心と身体がそこにどうしても沿わない。

人にもよると思うけれど
私は、音の形だけ理想に合わせて
作ることは嫌だった。

その時には、内面になにがあったのか
掘り下げれば、色々出てきたのかも知れない。
でも、そこまで余裕がなくて
なんとか自分と音が分離しない所を
探りながら弾いた演奏動画だ。

だから、器用な演奏ではないと思う。
でも、あの時の、葛藤の上での表現を
その様に捉えていただいたのだから
感じたことのない、新しい喜びになった。

※※※

生命の樹には縦に3本柱があり
右の柱が「慈悲」、左の柱が「厳格」を
それぞれ表すと言われる。

演奏で、音色を決めたり
演奏解釈を持っていくのは
いわば、左の柱による作用になる。

右の柱は
形にならないけれど、広がるイメージ。
楽しく、心地よいものだけれど
形を持たない以上、
演奏としては伝わりにくい。

この柱を繋ぐのが
「女帝」「力」「塔」のカードになる。

「女帝」はもっとも穏やかに
「力」は力強く
「塔」は半ば強引に
この二つを繋いでいく。

※※※

この両者を繋げる大切さは
表現においても
昔から、大切にされていた
エネルギーだったのだろう。

そう思うと、勇気づけられる。

#音楽とタロット

いいなと思ったら応援しよう!