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「変わっている」と言われ傷付いた昔の私へ、または似たような言葉で傷付いているあなたへお渡しする言葉の薬。

どうも、別格です。

ことばの薬剤師をしています。

俺はお前を生意気だと思ったことはねぇよ。
変わった子供だと思うことはあるがな。

『ぼんくら/宮部みゆき』


友人に勧められた小説を読んでいてふと上の言葉が目に止まった。

変わっている=生意気、ではないんだなと思った。

小学3年生の時の担任に「別格は変わっている」と言われたと

そう母からたびたび聞かされていた。

娘が「変わっている」と言われた母は母なりに不安だったのかもしれない。

その不安を幼かった当の本人に打ち明けるのもどうかと思うが。

その話を聞かされた時、褒められた気分にはなれなかったので

変わっている=ダメなこと、と思い込んでいったように思う。

そういう思い込みがあったせいか

世間や常識、他人の目というものと自分とのすり合わせがうまくできなかった。

自分は和を乱す。協調性がない。

そうやって「どうしてみんな同じじゃなきゃいけないの?」という想いを強めていき

他人とぶつかることも少なからずあった。

実は大人になりその真意を確かめたくて母に当時の私は変わった子だったのか、その担任にどこが変わっているのか聞いたのか、と尋ねたことがある。

しかし、母の返事はどちらも否だった。

至って普通の子供だったそうだ。

担任の真意は今となっては確かめようもない。

だったらもう好きに解釈すればいいんじゃないか?

なんでそんな簡単なこと今まで思いつかなかったんだろう。

そもそも「変」ってなんだ?

軽く調べたところ「神への誓いを破り改める」という意味があるらしい。

けっこう格好いいな。

「変」っていう文字を使う言葉も調べてみた。

変化。変更。変調。変換。変形。変容。不変。臨機応変。変幻自在。

悪くない。

私はなにを恐れていたんだろう。

変わっている。

それは人と比べてってことじゃない。

毎年、毎月、毎週、毎日、毎分、変わっている。

変化変容しているってことだ。

神への誓いを破ってでも変わっていけるひとなんだ。

「変わっている」と言われみんなと同じようにできないことへ傷つき恐れた昔の自分へ

「変わっている」を飲み込みやすいように調えてあげましょう。

変人って変わっていける勇気のあるひとのことだよ。

言葉のおくすり手帳


かわってる。
わかってる。

一文字入れ変えるのに長い時間を要したな。

くれぐれもお大事に。

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