Ecの計算でもするか
ども。
コンクリートのヤング係数はEcで表されますね。ヤング係数は剛さ(かたさ)に影響する係数です。たわみの計算式にはヤング係数が組み込まれており、ヤング係数が大きくなるほど変形しにくくなります。これはたわみの計算式を見ればわかりますが、
〇単純梁
1.等分布荷重
δ=5wL^4/384EI
2.集中荷重
δ=PL^3/48EI
〇両端固定梁
1.等分布荷重
δ=wL^4/384EI
2.集中荷重
δ=PL^3/192EI
※集中荷重はいずれも梁中央にかかるものとする。
〇片持梁
1.等分布荷重
δ=wL^4/8EI
2.集中荷重
δ=PL^3/3EI
※集中荷重は梁先端にかかるものとする。
いずれの計算式も分母にEが含まれているので、そりゃEが大きくなればδは小さくなるわな。
Ecの計算式
Ecの計算式は
Ec=3.35*10^4*(γ/24)^2*(Fc/60)^(1/3)
です。単位はN/mm2となりますね。
γとFcが分かれば計算できるわけですが、まずγから。
γとは鉄筋コンクリートの単位体積重量の事ですね。そしてEcの計算時には鉄筋の比重は減じて良いことになってます。RC基準なんかにも書いてますが、
とあります。表4.2.1ってのはいろんな材料(木とかレンガとか鉄とか)の比重が書いてある表の事です。なので気にしなくていい。大事なのは鉄筋コンクリートの気乾体積重量(以下単位体積重量とします)の値から1.0を減じる事ができる、という事。要は、
①特別な調査した場合→その値を採用してね
②その他の場合 →単位体積重量から1.0減じてね
ってことです。
この1.0ってのは鉄筋の比重の事です。要は鉄筋の剛さは無視して(鉄筋に期待しないで)コンクリートのみの剛さで計算しろよ!ということですね。
Fcの値
Fcはコンクリートの基準強度です。「基準」強度ってなんやねんって感じですが、まあ強度の呼び名です。
大体Fc=18N/mm2~60N/mm2内に収まる事が多いんじゃないですかね。近年はFc=100N/mm2なんてのも使われているようですが、私は実務で見たことも聞いたこともありません。超高層ビルなんかで使うようですが、弱小設計事務所には縁のない話。きっと日建設計(日本一の設計事務所)とか大手ゼネコンでしかお目にかかる事はないでしょう。
γの計算には注意
γの計算には注意が必要です。コンクリート基準強度によって単位体積重量は異なるから。γとFcの関係は以下となります。
①Fc≦36 →γ=24kN/m3
②36<Fc≦48→γ=24.5kN/m3
③48<Fc≦60→γ=25kN/m3
ちなみにこれは普通コンクリートの値です。軽量コンクリートはまた値が異なる(もっと軽い)のですが、まあ使わないんで省略。(軽量コンクリート1種、2種によっても違います。めんどくさ)
Ecの計算
じゃあEcの計算してみましょうか。
①Fc=18のEc
Ec=3.35*10^4*{(24-1)/24}^2*(18/60)^(1/3)=20596.1N/mm2
②Fc=39のEc
Ec=3.35*10^4*{(24.5-1)/24}^2*(39/60)^(1/3)=27822.4N/mm2
③Fc=60のEc
Ec=3.35*10^4*{(25-1)/24}^2*(60/60)^(1/3)=33500.0N/mm2
こんな感じです。(だからなんだよ…)
まあ、Fcが大きいほどEcが大きくなる。Ecが大きいほど変形しにくくなる。
この認識があれば問題ありません!
終わり。