金色の世界
膝を痛めた。
半年くらい前にパートのハードワークで痛めた膝が治りつつあったのだが、先月の終わりに軽く登山をしてからまた痛むようになった。
どうやら痛め直してしまったようだ。
最近こどもが体の不調を訴えてくると、こどもの体に手を当てている。
何かの本を読んだとか、人から聞いてとかで始めたわけではなく、なんとなく手を当ててみた方がいい気がしてやっているだけだ。
意識は第三の目の辺りにだけ集中して、頭の中は空っぽ状態。
そのまま数分間、患部と首の後ろに手を当てているだけなのだか、いつも翌日までには軽くなっていたり、「治った!」と、こどもから言われるからお手当ての効果はあるように感じる。
それだから自分にも!と思ってお風呂に入るたびに手を当てていた。
でも、なぜか効果はイマイチ。。
あっそうだ、パートを休んで温泉に行こう!
ふと思いついて、昨日と今日と連続で近くの温泉に行ってきた。
愛知県には温泉地が各地にあるのでどこにしようか迷ったけど、"源泉掛け流し"と"車で一時間くらいでいけるところ"というキーワードに絞り決めた。
昨日行ったところは初めて行くところで、半田市にある温泉だ。
食堂では知多で有名な「まるは食堂」のエビフライが食べられるのでそれも楽しみの一つだった。
店内は人もまばらでいい感じだった。
露天風呂にいた狐の石像がなんかかわいかったし、泉質も自分のチャクラと合っている感じがして違和感なく気持ちが良かった。
お風呂の中ではさっそく自分の膝にお手当てを試みてみたり、瞬間、瞬間移り行く風景を心の底から愛おしんだり、おばあちゃんたちから聞こえてくる会話を楽しんだり、本当にのんびり過ごした。
余談だが、数ヶ月前に富士山を守る木花咲耶姫の神様とのご縁があることがわかって、温泉の備え付けのシャンプーが木の花姫というネーミングだったのもなんだか嬉しかった。
お気に入りの温泉がまたひとつ増えた。
今日行ったところは、豊田市にある猿投温泉だ。
ここは何度か行ったことがある温泉で、泉質がいいのはとっても有名だったし、膝によく効きそうな気がして久しぶりに行ってみたくなって決めた。
着いたのがちょうどお昼だったので迷わず食堂に入った。
注文したのは"ざるそばとかき揚げ丼定食"。
これがあまりにも美味しかった。
食堂の売りが料理に温泉水を使っているとのことだったので、そのせいもあるのかもしれないのだが、本当に美味しかった。
隣のテーブルで二人組の女の人が子供や病気のことなどで深刻な話をしていたが、そんなのも気にならないくらいに一口入れるたびに美味しさで感動が溢れ出し、心の底から味わいながら丁寧に完食した。
お風呂はいうことなしで、体の芯からポカポカになった。
休憩コーナーでは大好きな板チョコアイスが目に入り、よく冷えた温泉水と一緒に購入し、温泉であったまり過ぎた体をクールダウンしながら置いてあった雑誌を読んだり、うたた寝をしながら過ごした。
二日間も自分の好きなところで好きなだけ自分時間をひとりで過ごせたことが本当に嬉しかったし、膝も少し痛みが減ったように感じる。
帰り道のドライブでは空から金色の光が降り注ぎ、木々も田んぼも道端の雑草も全てがキラキラと輝きだした。
"感じる世界を楽しもう"と思った。
おんぶした赤子をあやしながら散歩する母と子。
楽しそうに会話しながら自転車で走り去る高校生のカップル。
仕事途中のサラリーマン。
ふと空を見上げると、白い雲がみごとなまでの美しい模様を描いていた。
感じる世界は目に映るもの全てを美しいものへと瞬時に変えていく。
感じる世界から外側で起きていることを客観視してみると、地球上で起きている大小の様々な問題や、醜い人間ドラマも悪くないとさえ思えてしまう。
一瞬現れてはまた消える瞬間の連続に儚さと尊さを感じるからなのだろうか。
金色の世界は家に着くまで続いた。