CHAGE&ASKA
チャゲアスのアルバムを初めて買ってもらったのは、ちょうど世の中にCDが出回り始め、テレビでは「101回目のプロポーズ」が流行っていた頃だった。
当然、我が家のお茶の間でもみんなでテレビに釘付けになってみるほどに大好きなドラマのひとつになっていて、オープンニングをかざる「SAY YES」は、この時代を生きた人に知らない人はいないくらいの大ヒットソングで、わたしはこの歌をきっかけにチャゲアスを知り、母親に頼んでこの曲が入っているアルバムの「TREE」を買ってもらったような記憶がある。
わたしのチャゲアス熱はこのアルバムで終わってしまったのだけれど、知らない間にお姉ちゃんが大ファンになっていた。
過去に出していたアルバムはもちろん、次々に出される新しいアルバムはお姉ちゃんの手によってどんどん増えていった。
その頃から、わたしたちのモーニングコールだった母親のオリジナルソングは、チャゲアスの歌に変わっていった。
わたしはお姉ちゃんと同じ部屋だったから、毎朝お姉ちゃんがCDラジカセに設定した時間にチャゲアスの歌が自動で流れるのを聴かないといけなかった。
特に学校がある日は、歌が流れると呪いのように感じる時もあった。
毎朝、毎朝、何年も何年も、飽きることを知らないお姉ちゃんはチャゲアスを流し続けていた。
だから、わたしはチャゲアスが好きではないのに、ほとんどの歌は知っているし、歌詞まで覚えていたりする。
聞き流し効果ってほんとうだ。
お姉ちゃんは今でも現役でチャゲアスのファンをやっていて、ASKAのファンクラブ誌に寄稿したら、採用されて載ってしまったり、CHAGEのやっている田植え企画に当選して、たまたま当日に駐車場で本人とバッタリ鉢合わせして、おしゃべりできたうえに、一緒に写真まで撮ってもらったりとファンからしたら奇跡のような体験をしている。
そんなお姉ちゃんは、当然だけど毎回ライブも必ず行っていて、今年のASKAのソロライブはわたしも誘われた。
わたしの中では負の思い出が多いチャゲアスだけど、それでもやっぱりチャゲアスの歌は魂を震わせてくれるくらいにいい歌がたくさんある。
本当にいいものは、何年経っても、何度聴いても、やっぱりいいのだ。
だから、一緒に行くことにした。
それが昨日だったのだけど、行ってみたらやっぱりよかった。
席は前から6列目の6番。
チケットをとってくれたのはお姉ちゃん。
数字もいいし、めちゃくちゃ前だ。
5階席まである芸術劇場の大ホールなのに、さすがだ。
この人はチャゲアスに関することだけのすべての運を絶対的に持っていると確信した。
ライブは知らない歌が半分くらいあったけど、LOVE SONG、始まりはいつも雨、太陽と埃の中で、YAH YAH YAH、僕はこの目で嘘をつくを歌ってくれた時は、ほんとうによかった。
ほんとうに最高だった。
きっとこの世の中は、音楽と、踊りと、愛のあるセックスと、美味しいごはんがあれば、すべての争いごとはなくなるのだと思った。
縄文時代の人たちもきっとそんなふうに暮らしていたのだろうなぁーて、なんとなく思いながら、星空の綺麗すぎる夜をひとり家に帰った。
ちなみに今日は、お姉ちゃんと、お姉ちゃんのチャゲアスファン友達とカラオケにいく約束をした。
歌う歌はもちろんもう決まっている。