年の瀬に
冬の寒さがどんどん深くなっていく。
吐く息が白くなって、
「みてみて!ゴジラだよ!」
子どもたちと息を吐き合って無邪気に遊ぶ朝。
「いってらっしゃい!だいすきー!」
少し元気のない小さなカラダに強くハグをしてバイバイをする。
坂を登って、角を曲がって見えなくなるまでじっと見届ける。
途中、何度も振り返るから、わたしはその度に両手で大きく手を振る。
大きな愛を送るつもりで。
ふと見上げた空は今日も青かった。
泣きたくなるほどにいつものきれいな青だった。
ゴジラをしながら急いで家に戻り、静かになったいつもの部屋で朝ごはんを手短に食べ、洗濯を干し、支度をしていつもの時間にパート先へ向かう。
車の中ではその日のお気に入りの曲を大音量でリピートしながらひとりカラオケを楽しむ。
昨日のお気に入りは、尾崎豊のオーマイリトルガールで、好きでもなかったはずなのに、なぜか急に聴きたくなってしまった(笑)
ちゃんと聴くと、とってもいい声だし、とってもいい詩だし、とってもいいメロディーだ。
名曲になっただけある。
3回ほど繰り返しカラオケしていると、パート先の駐車場に着いた。
もう少し歌いたい気持ちは、小さな声の鼻歌となってパート先の市場まで歩いていく。
吐く息はまだ白かった。
またゴジラをしながら歩く。
市場に着くと、いつもの大好きな仲間の笑顔が飛び込む。
うれしくなって、いつものようにハグをして挨拶を交わし合う。
仕事の休憩時間は学生時代のノリのまま、いつものように、きゃっきゃっ笑い合って夢中でしゃべり合った。
仕事が終わって家に帰ると、いつも先に帰っている子どもたちと、ただいまの挨拶とハグをする。
「だいすきー!」を言い合ったり、鼻歌を歌いながら家事を続ける。
あっという間に外が暗くなり夜がやってくる。
いつもの一日が終わる。
いつも同じような毎日だけど、いつも何かは違っている。
いつも楽しいけど、機嫌が悪くなってイライラする日もある。
いつも笑ってばっかりいるけど、泣きたくなる日もある。
いつも思い通りだけど、思い通りにならないこともたくさんある。
いつも会える人もいるけど、いつになっても会えない人もいる。
いつも愛おしい日々だけど、醜く感じる日もある。
そんな毎日を過ごしていたら、もうすぐ一年が終わろうとしていた。
今年は長かったな。
あまりにもいろんなことがありすぎて、本当に長かった。
泣きたくなるほど嬉しいこと、楽しいことも。
泣きたくなるほど嫌なこと、切なくなることも。
いつもの毎日は、いつものようにはいかない毎日になることもある。
変化を求めるわたし。
変化が怖いわたし。
変化を楽しみたいわたし。
でもやっぱり変化が怖いわたし(笑)
でもでもそれでも変化を求めるわたし(笑)
変わりたい。
変われない。
変わりたい。
変わらない。
いや、変われる。
来年こそは変われる。
きっと変わるんだ。