僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第51話 怖い顔のおじさんと女子大生(11)
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第46話 怖い顔のおじさんと女子大生(11)
だから家の怖い顔のおじさんが、女子大生のお嬢様達へと。
彼は更に激しくブルドッグ顔の笑みと手招きセットで。
「ほら、こい。姉ちゃん達!」と誘う。
でも、女子大生のお嬢様達は、家の怖い顔のおじさんの容姿も恐ろしいけれど。
笑みはもっと怖くて気持ち悪から。
「いや、いいです」
「遠慮しておきます」
「また今度で」と。
俺【紫芋けんぴ】の口から。
広島弁で『さえんのぅ』と言葉がついついと漏れるような台詞をもらしつつ。
後ろへ!
そう、女子大生のお嬢様達は、勇気ある撤退をズルズルと足音を立てつつ下がる。
だから家の怖い顔のおじさんの顔が。
彼のキモ笑みから強張った表情へと変化をしつつ。
「おい! 姉ちゃん等~。早く、早く~! こっちとへこい。今直ぐにだぁっ! そしてこれをー! この【紫芋けんぴ】をー! ここにきてぇっ! 食べて帰れぇえええっ! 今直ぐにー! ほらぁ~。ほらぁ~」と。
家の怖い顔のおじさんは、俺【紫芋けんぴ】を食品トングで摘まみつつ。
大学生のお嬢様達へと。
『ほら、ほら』と俺【紫芋けんぴ】をチラつかせながら誘い始める。
「えぇから、お姉ちゃんらきてみぃ。きてから、この【紫芋けんぴ】を食べてみぃ。この【紫芋けんぴ】は余り甘くもないし。目にもいい。そして女性は美容にもいいから。早ぅ。こっちにきて食べてみぃ。さぁ。早く。早く~」と、更に誘うのだよ。
それでもね、女子大生のお嬢様達は。
家の怖い顔のおじさんが、自分達を誘う時に魅せる。
あの笑みが、本当にキモイ上に恐ろしいから。
やはり各自各々が自身の脳内でね。
「(こわい)」
「(恐ろしい)」
「(不気味だわ!)」
「(うわぁっ! おじさんの笑みが本当に気持ち悪い)」
「(この場にいたら私が逆に食べられてしまうかも?)」
「(本当におじさんの顔が怖くて気持ち悪から。私が強引に連れ去られたらどうしよう?)と。
まあ、最後のお嬢様達二人の脳内での呟きは。
今の令和の時代ではあり得ない事を呟いたみたいだけれど。