僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第29話 怖い顔のおじさんとJK(16)
#創作大賞2023
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第29話 怖い顔のおじさんとJK(16)
だから彼氏……。
僕【芋かりんとう】が遠目から見ても。
絵里ちゃんには大変に悪い。
失礼なことになるとは思うけれど。
素行の余り良くない。
チョイワル? 不良? ヤンキー? と、傍から他人が見れば直ぐに呼ばれそうな。
だらしない男子高校生の姿──。
絵里ちゃんへと手を振る姿が僕【芋かりんとう】と。
家の怖い顔のおじさんの瞳に映るのだが。
そんな容姿の男子高校生の許へと駆け寄ろうとしていた絵里ちゃんだけれど。
家の怖い顔のおじさんに呼ばれ、停止──。
後ろを振り返りながら。
「おじさん、どうしたの?」と。
絵里ちゃんは可愛く首を傾げる。
「ほら、これと。これと。これを持っていけ」と。
家の怖い顔のおじさんは自身へと可愛く首を傾げる絵里ちゃんへと。
僕【芋かりんとう】他、お菓子を三袋持っていけと告げる。
「う~ん、いらないよ。おじさん」
でも絵里ちゃんは小悪魔的な、チョイワルなJKの容姿こそしているけれど。
僕【芋かりんとう】が自身のマドンナさまどと、自身の胸を張り告げることができるぐらい気立ても良いが、本当に心も優しく、思いやりのある娘……。
異性に対して大変によく尽くす娘だから。
家の怖い顔のおじさんが僕【芋かりんとう】他二名を持っていけと告げても。
彼女は直ぐに首を振り。
「おじさん、絵里に芋けんぴを一袋無料で渡すぐらいなら。自分で売ってお金してよ。おじさん……。絵里は別にいらないし。そんなつもりでおじさんのお仕事……。店出し、準備を手伝った訳ではないから」と。
絵里ちゃんはにへらと笑いつつ。
家の怖い顔のおじさんへといらない。
拒否をすると告げる。
「えぇからぁ~。えぇからぁ~。絵里ちゃん。儂はそう言うつもりで渡す訳じゃなないから。えぇから、これを持っていけ」と。
家の怖い顔のおじさんは、いくら絵里ちゃんが苦笑いをしつつ、首を振ろうが。
気にするな、持っていけと告げる。
それも絵里ちゃんが立ち止まっている場所まで。
家の怖い顔のおじさんは歩きつつ。
「ほら、ほら」と呟き。
僕【芋かりんとう】他に二名を手渡すジェスチャーをしながら絵里ちゃんの許へと歩み寄る。
だから絵里ちゃんは少し困った顔で。
「えっ? でも、悪いよ。おじさん……」と言葉を返す。