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僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第58話 怖い顔のおじさんと女子大生(18)

#創作大賞2023
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 第58話 怖い顔のおじさんと女子大生(18)

 そしてふと気がつけば彼女は、家の怖い顔のおじさんの真横にチョンと仲良く立ち並んでいる。

 そう、まるで家の怖い顔のおじさんの若い彼女、奥様のようにね。

 それもさり気なく、家の怖い顔のおじさんの大きな身体に。

 自身の若々しく、潤っている身体を当てつつ、甘えるように立ち並んでいるのだよ。

 家の怖い顔のおじさん自体は全く気にもしないと言うか?

 彼にはよくある出来事だから全く気にもしないのだよ。

 家の怖い顔のおじさんは女心……。

 女性の気持ちと言うものが良くは解らない。

 だから50歳!

 第二の人生と呼ばれる齢になっても。

 未だに彼は結婚と言う物を経験したことが無く独身男……。

 とうへんぼくと言う奴だから。

 多分、家の怖い顔のおじさんは?

 俺【紫芋けんぴ】の新たなマドンナ様である、眼鏡の良く似合う、麗しい女子大生のお嬢様の急に湧いた。

 家の怖い顔のおじさんへのほんのりとした、彼女の恋心、気持ちと言う奴に気がついていないと思われる。

 特に女性という者は、家の怖い顔のおじさんは知らないのだろうが。

 少女から老女に至る迄。

 男性の強引さと、力強さに対しては本当に弱く、脆い。

 そして直ぐに自身のか弱い部分を異性へ魅せ──さり気なくでも甘え。

 自身の気持ちをさり気なく出も伝えたくなるものだと。

 俺【紫芋けんぴ】は。

 今迄家の怖い顔のおじさんと接してきたお客様達を見ていて、そう思う。

 だから俺【紫芋けんぴ】の前のマドンナ様絵里ちゃんにしても。

【芋かりんとう】の時を思い出して欲しい。

 彼女も何だかんだと言いつつも。

 家の怖い顔のおじさんの強引なところに弱く。

 彼女は直ぐに仕方がないで済ましては。

 家の怖い顔のおじさんを甘やかすところもある。

 そして絵里ちゃん自身も、家の怖い顔のおじさんへとさり気なく甘え声音を漏らしつつ。

 家の怖い顔のおじさんにバイトの軒やその他諸々とお願いしては甘えていただろう。

 遠くで彼女の彼氏が。

 ムッと不満に思うぐらいは。

 家の怖い顔のおじさんへと絵里ちゃんも無意識に。

 自身の無防備なところを曝け出すところがあるけれど。

 家の怖い顔のおじさんはとうへんぼくだから。

 あの、麗しい小悪魔絵里ちゃんのさり気ない気持ちも気がつかず。

 絵里ちゃんママのことばかりを口ずさんでいる。

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