僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第26話 怖い顔のおじさんとJK(13)
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第26話 怖い顔のおじさんとJK(13)
だって僕【芋かりんとう】のマドンナ絵里ちゃんは本当に可愛くて、素敵なよい子だからね、と。
僕【芋かりんとう】が絵里ちゃんに見惚れ、酔いしれていると。
「う~ん、おじさんはのぅ。絵里ちゃんがこうやって、おじさんの様子を見にきてくれて、優しく話しかけてくれるから。全然寂しゅない、のぅ」と。
家の怖い顔のおじさんはケラケラ笑いながら。
絵里ちゃんへと痩せ我慢をしてみせるのだ。
本当は夜一人でいるのが寂しい。
そして怖いのだよ。
家の怖い顔のおじさんは、こんなブルドッグのように恐ろしい顔をしていても。
大きく、綺麗なお家……。
そう彼、おじさんはね。
独り身の50歳も半ばに入ったおじさんだけれども。
自身の家……。
持ち家と言う奴を持っているおじさんでね。
いつ自分に家族ができてもいいようにと家を購入……。
でも彼、家の怖い顔のおじさんの話しを聞けばわかる通りで。
未だに彼の許には。
可愛いお嫁さんがきてくれない状態だから。
大きな家で一人で暮らしているのだが。
やはり気丈な彼も50歳を過ぎ、半ばに近づいたぐらいから。
自身の背に【孤独死】と言う言葉がのしかかり畏怖……。
自身の死への恐怖に毎日怯える生活をしているのだよ。
もしも家族のいない自分が【孤独死】したら。
自身の遺体は何ヶ月放置されるのだろうか? と。
家の怖い顔のおじさんは、毎日ふとそんなことを思い考え、怯えながら暮らしている。
だから家の怖い顔のおじさんが、絵里ちゃんへと痩せ我慢をしながら。
にへらと笑いつつ。
自分は大丈夫だと気丈に告げても。
何処か家の怖い顔のおじさんの笑みには影があるから。
(もう、おじさんは本当に痩せ我慢をして)と。
絵里ちゃんは直ぐにばれて、こんな言葉を。
彼女の脳内で呟かれる失態を家の怖い顔のおじさんはしてしまう。
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