僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第38話 怖い顔のおじさんとJK(25)
#創作大賞2023
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第38話 怖い顔のおじさんとJK(25)
「絵里、このお菓子甘くて美味いな」と。
絵里ちゃんの彼氏から、僕【芋かりんとう】を齧り、貪り、食しながら告げてきた。
「うん、将! そうでしょ? うちのおじさんが仕入れて販売をしている【芋けんぴ】は美味しいでしょう」と。
絵里ちゃんが彼氏へと頷きながら、満身の笑み……。
そう、天使の笑みを浮かべながら彼氏へと告げるものだから。
絵里ちゃんの彼氏の翔君は。
自信の頬を桜色に染め、ポッ! だよ。
自身の彼女の可愛さに見惚れ、魅入ってしまうから。
彼は照れ恥ずかしいのだろうか?
いつもの絵里ちゃんへの接し方を急変──変更させてね。
翔君は慌てて自身の彼女、絵里ちゃんの自分への眼差しから視線を変え──。
そっぽを向き、自身の指先を使用しながら、鼻の頭をポリポリとかきつつ。
この場の雰囲気を誤魔化し続ける。
だから絵里ちゃんは、自身の彼氏の急変した様子を首を傾げながら観察……様子を窺いながら。
「翔、どうしたの?」
絵里ちゃんは不思議そうな様子で彼氏へと問えば。
「いいや、何でもない。何でもないぞ。絵里……」
翔君は絵里ちゃんへと自分が魅入り、見惚れてしまったことが恥ずかしいのか?
この場の甘い雰囲気を誤魔化すかのように。
彼は大きな声を出しつつ、叫ぶ用に絵里ちゃんへと告げると。
「絵里! 学校へと遅刻をするから、早歩きで行くぞ!」と。
絵里ちゃんへと『フン! フン!』と鼻息荒く告げると。
彼、翔君はね。
絵里ちゃんの華奢掌をギュッ! と握り、力強く引っ張りながら急かし、誘導を始める。
だから絵里ちゃんは、そんな力強く、強引な彼氏に対して。
今度は絵里ちゃんがポッ! だよ。
自身の頬を桜色に染めながら。
彼の言ぅがまま、思うがままついていく和気藹々とした様子……。
仲慎ましい様子を絵里ちゃんと彼氏は、思春期の純情な少年、少女らしさを醸し出しながら。
二人仲良く……。
そう、絵里ちゃんと翔君の二人は、自分達だけの世界……。
他所様に、自分達二人の仲の良いところをアピールし、見せつけ、熱々、ラブラブしながら学校へと向かう。