僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第62話 怖い顔のおじさんと女子大生(22)
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第62話 怖い顔のおじさんと女子大生(22)
(何で、このお姉さんは、儂の真横に立っちょぉるんじゃ?)と思うぐらいと。
(何か、このお姉さん、儂との距離が妙に近い気がするが? 儂の気のせいじゃろうか?)と。
家の怖い顔のおじさんは思う程度なのだ。
でも、家の怖い顔のおじさんの真横で、眼鏡が大変に良く似合う女子大生のお嬢様と。
彼女のお友達のお嬢様達が。
家の怖い顔のおじさんの思惑通りに。
『ポリポリ』、
『ムシャ、ムシャ』と。
うさぎやリス、ハムスター、モルモット達のように可愛く、御人形さんのように食べているから。
「どうじゃ、お姉ちゃん達? 【紫芋けんぴ】も美味しかろう?」と。
家の怖い顔のおじさんの満身の笑み。
人によっては『おじさん気持ち悪いけぇ』と悪評のある笑みを浮かべながらの問いかけに対して。
「うん」
「はい」
「ええぇ」と頷き、返事を返し。
「おじさん、沙也ちゃんの言う通りで。この【紫芋けんぴ】は本当に美味しいです」
「おじさん、私も沙也っちの言う通りで。この【紫芋けんぴ】のこと気に入っちゃったよ」
「ああ、おじさん。おじさん、うちも。うちも沙也達と同じで【紫芋けんぴ】の味が気に入っちゃったよ」と。
女子大生のお嬢様達……。
そう、俺【紫芋けんぴ】の新しいマドンナ様……。
眼鏡の大変に良く似合う、妄想力の方が大変に激しい【ヲタク】なお嬢様──。
【沙也さん】のお友達が、キャキャ、ワイワイと可愛く、甲高い声と。
俺【紫芋けんぴ】に対して黄色い声援……エールと言う奴を送り、喧騒してくれるから。
「何だ?」
「何事だ?」
「何で、あの売り場には、若い綺麗なお姉さん達が沢山居て、喧騒しているのだ?」と。