僕と怖いおじさん(芋けんぴ達の独り言) 第55話 怖い顔のおじさんと女子大生(15)
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第55話 怖い顔のおじさんと女子大生(15)
まあ、したからね。
先程俺【紫芋けんぴ】の口から。
「うっ、うぎゃっ! ううっ、痛い。痛いぞ! このアマがぁっ! 痛い。痛い。痛いぞ! 俺の肢体を噛むなぁっ!」と絶叫が吐かれ。
「うぅ、うううっ 痛い。痛い……」と呻り声を漏らしてしまうほど。
俺【紫芋けんぴ】は、眼鏡の麗しい女子大生のお嬢様に。
この紫色の肢体に歯を立てられ、ガリガリと齧り、貪られてしまった
だから俺【紫芋けんぴ】の口から更に悲痛な声色での。
『ああっ、痛い。痛い……』と言葉が漏れる事は無い。
あま、無いから。
皆は心配をしないで欲しいのだ。
だって俺達はあくまでもお菓子なのだから。
眼鏡の麗しい女子大生のお嬢様や。
その他の女子大生のお嬢様達にお客様達と。
俺達お菓子は、自身の肢体をお客さま達から、歯形がつく程齧られれば。
齧られる程。
己の身体にアドレナリンが大量に分泌され。
自身の身体中を駆け巡るから。
俺達お菓子は、マゾヒスト的な快楽を求める事が出来る。
だから俺【紫芋けんぴ】の口から漏れる言葉は、悲痛な声色での嘆きや呟きではなく。
「ああっ、いい。いいぞ。姉ちゃん! もっと、この俺の肢体に歯を当て、噛み砕いてくれぇっ。お願い。お願いだ……。ついでに姉ちゃんの艶やかに動く舌も使い。レロレロ使用をしながら。俺の肢体を舐めて、貪って欲しい。欲しい、のだぁっ! お願いだぁっ!」と。
俺達お菓子は、マゾヒスト的な快楽に溺れ、歓喜し、嬌声を吐く事ができるから。
俺達お菓子への同情心は無用……。
それでも俺達お菓子のことが可哀想だと思う、善良な心の持ち主達は。
とにかく、何でもいいから、俺達お菓子を沢山食べてくれお願いだと。
俺【紫芋けんぴ】が、皆さんへの嘆願をしたところで、話しを元に戻すけれど。
まあ、女子大生のお嬢様達も。
最初、俺【紫芋けんぴ】のマドンナさまが。
俺【紫芋けんぴ】を自身の口へと入れ、試食をして。
「……ん? 美味しい! 美味しいよ! この【紫芋けんぴ】は……。余り甘くもないから。みんなさっぱりして美味しいよ。このお菓子は。だからみんなも試食をしてみると良いよ」と。
俺【紫芋けんぴ】の事を褒め称え、絶賛をしてくれて。
自身のお連れ様達を手招きして誘ってくれたから。
彼女のお連れ様の、女子大生のお嬢様達も。
家の怖い顔のおじさんの販売ブースへと近寄り。
「美味しい」
「美味しい」
「これも美味しいし。あれも美味しい」
「どれも、これも美味しいなぁ」
「いや、あっちの方が美味しいかな?」と。
女子大生のお嬢様達がキャキャと騒ぎつつ、試食──。
この売り場に和気藹々とした騒めき、喧騒が出来たから。
お客様達が更に。