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馬鹿正直に愛を伝えたい

あー、もうお昼過ぎちゃった
お皿洗おう

「ママお皿洗うからねー!」
と子どもたちに声をかけて音楽でも流そうかとiTunesを起動した

EIKOのTime Capsule
半年くらい前に放送してたパリピ孔明というドラマの歌。ちょうど次男が産まれる頃に放送しており私は何度もこの歌を聴いて口ずさんでいた


「ママあそぼー!」
「ママが遊び始めないと遊べない」
もう何度も何度も言われている
私はずっと一緒に遊んで欲しいのだとばかり思っていた。
「ママはお絵描きするよー」と絵を描き始めると
ふーん、と言って長男はトミカを1人で走らせはじめた。

ドラマを観てるときも携帯を眺めるときも
ちっとも黙っていないのに
そのときはすんなりと私に時間をくれた

私は子供の頃から絵を描くのが好きだった
特別にがんばったつもりがなくても
賞状がもらえたし先生に褒められた
絵を描いていれば友達もできた

ただ成長するにつれ何のために描くのか
何を描きたいのか全くわからなかった
描きたいものはないけれど
描くと褒められるから描いた
私の中には何も伝えたいことがないので
進路はデザイン科を選んだ
人の伝えたいことを伝えればいいと思った

受験に落ちたり作ったものを酷評されたり
人と比べたりするうちに
自分には向いてない世界なのだと思った
何かを作ることすら自分から遠ざけた
それでもそれしかできなくて
作ることに戻ったりやめたり
自分からやめるときもあれば
仕方なくやめたこともあった

家から画材がどんどん消えた
描いたものすら全部捨てた
パソコンも壊れて使えない
鉛筆すら1本しかなかった
頭の片隅には″絵を描く″という文字があるけど
もうそれに触れることすら怖かった
大人になった
生活もある
私ばかりそんな自由を手にできないと
描いてはいけない
描いてはいけない…
描いても無駄、いつだってそうだった

でも今は伝えたいことがあった
登園をやめた長男が教えてくれたこと
馬鹿正直に愛を伝えたかった
子どもたちにも夫にも周りの人々にも
愛を伝えたかった
苦しい思い出と共に
ずっと封じ込めていたのだろう
人はなぜ存在するのか、という問いを
自分なりに探し当てた答えを
探し続ける楽しさを
伝えたいと素直にそう思えた

そしてnoteを始めた
こうして書いては反応をもらい感じて
子どもたちと接して感じて
音楽を聴いては感じて
テレビを見て感じて
そしてまた絵を描きたいと4年ぶりに思った
世界はとても優しくて
心にも体にもたくさんのメッセージをくれる

私をまた楽しい遊びに誘ってくれてありがとう
これからはずっとそばにいるね


月のゆりかご







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