その人、眼鏡かけてた?という難問
【「その人、眼鏡かけてた?」という難問 (2018/12/18)】
のちに、これに相貌失認という名前がついていることを知ります。
このお仕事をしていて、唯一自分に適性がないと感じる特性です。
一緒にいる本指名様の顔を毎回忘れてるとかではありません!!普段の生活の中で、顔を思い出すことが難しいという特性です。
😼
「ねえ、前一緒にいたとき花子に話しかけてきたのってなんて人だっけ?」
「えー、そんなことあったっけ。忘れた……どんな人?」
「花子と同じ部活って言ってたじゃん。多分2年の人だよ」
「うーん、2年だったら田中先輩かなぁ……眼鏡かけてた?」
「えっ……」
人の顔が覚えられない。
というか、覚えているのに分からない。
顔と名前を紐付けて覚えることは普通にできます。会ってもその人と認識できます。目が悪いでも記憶力が悪いでもないんですが、でも分からないんです。
この感覚を共有できる人はいないのでしょうか!!
例えば前述の、「眼鏡かけてた?」という質問。
見たことのない誰かの顔を人伝に知ろうとするとき、多くの場合真っ先に出てくるのが「眼鏡」だと思います。
人の顔は千差万別違っており、当然いろんな特徴があるわけです。目が大きい、歯が出ている、鼻が高い……、その顔を見たときに真っ先に目に飛び込んでくる「個性」はそれぞれ違います。
ただ、人にそれを尋ねるという場面では「どんな感じの顔だった?」という質問に対して「二重瞼で、瞳の色は何色で……」といきなり細かく形容されても、なかなかはっきりイメージすることができません。また、相手もそこまで深く覚えてはいないでしょう。
そこで、大体の場合「眼鏡をかけているか、いないか」という質問で対象を絞りこみます。
顔の特徴ははっきり覚えていなくてもこれくらいなら一目で判別でき、yesかnoかで答えられるいわば一番簡単な質問ともいえます。
……が、眼鏡をかけていたかどうかすら覚えていないのです。
もし仮に先程の会話の直後に「この間花子に話しかけてきた人」本人が目の前に現れたとすれば、すぐに「あっ、この人だよ」と言えます。顔自体は覚えているんです。
一目でも会えばすぐその人と認識できるのに、会わないときに顔を思い浮かべようとしてもパーツひとつとして出てきてくれません。
また、過去にとある野球ファンと会いました。
その人は選手の顔や体つきをデフォルメしてイラストにするのが得意で、ファンアートをよくSNSにアップしていました。そこで、似顔絵を描くコツを教えてもらおうと尋ねたところ、
「まず、描きたい人の顔を5秒だけ見る。
その5秒の間で印象に残った特徴だけをとくに誇張して描けば、デフォルメの似顔絵は誰でも描ける」
とのアドバイスをもらいました。
それぞれのパーツが顔を構成する比率や位置関係も顔の特徴に関わってくるので、「パーツひとつひとつを分解してそれぞれの特徴をじっくり観察する」のはまったくもって無意味だと。
なるほど!できる気がする!と、その場ですぐに好きな選手の写真を見つめてみました。
しかし、5秒間見てみてもやはり「顔」は「顔」にしか見えませんでした。特徴を特徴と認識することができなかったのです。
顔の「全体像」だけが先行して、そこに含まれる要素が脳の隅に追いやられているような……
物を「全体」としてしか捉えられないのは、他の場面でも実感していました。
例えば、探し物をするとき普通は探している物に焦点を当てて、「○○(探しているもの)がこの部屋のどこにあるか(一部→全体)」という見方をします。
しかし自分の場合は部屋全体に焦点が当たってしまい、「この部屋のどこかにある○○を探す(全体→一部)」になってしまいます。(伝われ)
なのでまったく見当違いの場所を何度も探したり、酷いと探しているものが目の前に見つかっているのに全体像に溶け込んでしまって見逃してしまったりすることが多かった記憶があります。
絶対何か関連性があると思ってます。
誰にも共感されたことないけど。誰かわかってほしい……
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