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家族だけでは解決できないことを他者に助けを求められますように

こんにちは、ALP港南台です。
不登校・引きこもりの子は後をたたないということを、私たちは目の当たりにしています。

問題はひとつではないですし、その子とご家族の抱える葛藤も様々です。
そして、不登校・引きこもりが長期化して苦しんでいる方もおられます。

今日は、不登校・引きこもりという観点から、お話をしたいと思います。

不登校・引きこもりと家族の葛藤

自分の子が目の前で過呼吸を起こしたり、真っ白な顔をして学校へ行く支度をしていたりすると、親はその健気さに胸が締め付けられます。

  • 「学校だけが人生じゃない」

  • 「他の選択肢はいくらでもある」

  • 「好きなことを伸ばせばいい」

そう言ってあげたくなるものです。
けれど、それで社会に適応して自立できる人は、もともと力を持っている人だけなのだと思います。

15年ほど前、学校に行けなくなった子の相談を受けました。
その子はこう言っていました。

「親のためにフリースクールの見学に行ったけど惨めだった」と。

その時私は、少しでもその子の気を楽にしてあげたいと思い、「学校だけが人生じゃない」「好きなことを伸ばせばいい」「急がなくていいんじゃない」などと伝えていました。

しかし、その子の不安そうな表情を変えることはできませんでした。

結局それらの言葉は、その子にとって気休めにもならなかったのでしょう。

他者からの介入で得られる適切な支援

先日、親元から離れて施設に入所した子からメールが来ました。
そこにはこう書かれていました。

「たくさんの人に支えられて、あんなに行けなくて悩んでいた学校に行けるようになった」

親御さんは、施設に入れることに罪悪感を感じ「育て方に問題があったんじゃないか」とご自身を責めていらっしゃいました。ですがお子さんの様子を見て「他人様に預けることは悪いことではない」と思えるようになったようです。

学校に行けない子を近くで見ているのはつらく、見られているほうもつらかっただろうと思います。

家族で抱え込まずに、もっと気楽に他者に介入してもらえる雰囲気になればいいのにな、と思いました。

私たちにできること

「引きこもっているわが子をどうしたらいいのか?」
「どこに相談したらいいのか?」
「相談しても大丈夫なのか?」
「精神科に入院させてもいいのか?」

こういった葛藤を抱えて苦しんでいるご家族が多いように思います。
いざ病院に連れて行こうと思っても「家族だけでは連れていくのが難しい」ということも。
そうしているうちにどんどん時間だけが過ぎていき、状況が悪化していってしまいます。

精神科に連れていくことに偏見もあるせいか、抵抗を感じる方が多いようです。しかし家から出られて、医療を通していろいろな支援を受けられることで、ご本人がとても楽になられているのを見てきました。
まずは他者に介入してもらうのが良いと思います。

しかしながら、せっかく精神科につなげる決心をしたのに、民間救急で乱暴な方法で搬送されてさらに傷ついてしまう、という実態があることを知りました。

家族だけで頑張って、それでもどうにもならなくなり、勇気を振り絞って精神科に連れて行こうとしたのに、乱暴な搬送をされてさらに罪悪感を抱いてしまうことになる。

そのようなご家族がいることを知り、何とかしたいと思いました。

胸を痛めるだけではなく、行動する

このことを私たちは大切にしています。

施設長は精神科の看護師として精神科とのつながりもありますし、援助ホームの自立支援担当職員として精神保健福祉士も配置しています。
相談に乗ることや情報提供をすることが可能です。

そのようなこともあり、ご本人とご家族の負担が少しでも和らぐ方法でお連れできるよう、当施設の運営元法人で、民間搬送事業を始めました。

どうかご家族だけで抱え込まないでください。

ためらわずに、楽な気持ちでご相談いただけたら、と思っております。


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