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居場所は与えられるものではなく、自分で見つけるもの
自立援助ホームの在り方、居場所について考えました。
というのも、以前ある居場所事業を行っている団体さんの所を見学させていただいて、不安な気持ちがベッタリ貼り付いてしまったからです。
そこに来てる子たちは、本を読んだり、ゲームをしたり、人とコミュニケーションを取ったりして、行くところがあって生活リズムを正すという点ではとても良いことなのですが、どうも自分たちはこのままでいいんだ、ここが悪いから、ここが問題だからと、前に進まないで済む方法を探しているように感じてしまったのです。
前に進むのが怖くて、出来ない理由をかき集めて正当化して、傷の舐め合いをして現状維持に努める。でもその反面、そんな自分に満足してなくて、イライラしているように見えました。
「居場所」という言葉が持つ意味は、人によって、またそのときの状況によって異なるものですが、一般的には「安心していられる場所」「自分らしくいられる場所」という意味合いが強いと思います。
ただその中で、「居場所」が安住の場となる一方で、そこに留まり続けることで前に進む機会を失ってしまうのではないか、と思いました。
居場所の役割は、「休息」や「自己肯定感の回復」を提供することと認識しています。特に援助ホームに入ることになった子には、まずは「自分がいてもいいんだ」と感じられる環境が必要不可欠で、そこから、少しずつ自分を見つめ直し、未来への一歩を踏み出すための力を蓄えるプロセスが始まると思っています。
しかし、その「居場所」が「止まり木」ではなく「新しい飛躍のきっかけ」になるためには、居場所自体の在り方やサポートする人々の意識が重要なのだと思いました。
例えば、
• 自分の可能性を信じられるよう促すサポート
• 「傷の舐め合い」で終わらないように、少しずつ行動の変化を促す
• 安全な環境での挑戦の機会を提供すること
子どもたちは「社会から離れる怖さ」と同時に「社会に戻る怖さ」を抱えている場合が多いです。前に進むには、まずその「怖さ」を受け入れ、それに対処する力を育む必要があります。
「居場所」とは何か?
それは「与えてもらう場所」ではなく、「自分を育てる場所」や「未来を築くための土台」と言えるのかもしれません。ただし、その場所が「甘やかされる」だけになってしまうと、現状維持に留まりがちになります。
他人に期待して、受け身でいるうちは不全感を抱え、幸せにはなれません。
居場所は自分で見つけるもの
その事をしっかりと心に刻んでおこうと思います。