小さな意識の世界に毎秒毎秒、何を写しますか?SOU-MU NIGHT KYOTO#3 DAY1
総務やバックオフィスで働く人のための交流会SOU-MU NIGHT。
これまで京都や東京で開催してきましたが、今回は京都でも少し雰囲気を変えての開催。
なんか2daysって言った方がワクワクするな
そんな感じでいつもSOU-MUをサポートしてくれているノリスケくんと盛り上がり、そのまま決まったSOU-MU NIGHT KYOTO#3は、音楽フェスさながらの2days開催となりました。
1日目はバックオフィスの皆さんで働き方を語る「働き方NIGHT」。
2日目は世界で初めて開催された「年末調整NIGHT」。
今回は、多拠点居住サービスADDressの京都伏見拠点をお借りして開催しました。
参加された方の多くはADDressのことを知らない方も多く、多拠点居住の話の紹介に皆さん関心を持っているようでした。
そう。バックオフィスの仕事と多拠点居住の相性はよく、未来の自分の働き方や生き方についてイメージを膨らませてもらうには、最適の空間。
ADDress京都伏見拠点は不思議な空間で、いわゆるイベントスペースではなく「家」そのもの。こちらの拠点は「ももやま荘」という学生寮だった建物をリノベーションした場所。
なんだか本当に「家」そのもので落ち着く空間。
そんな空間だと、形式通りの進行を始める前に「とりあえず飲みますか!」で始まった方が正しい気がして、乾杯からはじまったSOU-MU NIGHT。
まぁでも割といつも乾杯から始まってます。
今回はイラストレーターのたくまのりこさんがイラストを描いてくれたので、そちらで空気感をお察しください!
写真撮影と各種ビジュアルの作成は柴田明さん。SOU-MUには欠かせないぶっとんだクリエイティブな存在の彼女。Special Thanks!
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そして、1日目はゲストに「フロー状態」の研究者でもあり、コンサルタントとして組織変革の実務に従事している世羅侑未さんに来て頂きました。
彼女とはもう4年前になるのか、私がシステム思考を学びに東京に行った際に出会った縁。
彼女の魅力を言葉で表すのは難しいのだけれど、彼女の発する不思議なポジティブな空気は、その場にいる人たちをいつの間にか勇気づけていきます。
私自身も、バックオフィスで働く皆さんもそんな彼女のように他者の力を引き出す存在になれば、と考えて今回お呼びしました。
そんな彼女が今年の春に出版した「3倍のパフォーマンスを実現するフロー状態 魔法の集中術」の話に加えて、ワークショップを交えながら、働く環境づくりについて考える夜。
小さな意識の世界に毎秒毎秒、何を写しますか?
人が1秒間に意識することができる情報量は126ビット。
1人の人の話を理解しようとしているとき、人は126ビットの情報量のうち、だいたい60ビットを使っています。
それだけではなく、話を聞きながら「なんでこの人は、今この話をしているんだろう?」など、ついつい考え事をしてしまいます。さらに、視覚的情報が加わることで126ビットは簡単に使い切ってしまう。
人が1秒間に処理できる情報量はわずかなもの。
その126ビットにしか向けることのできない注意が、雑念や無関係なことに向いてしまうことで分散すると、思ったように目の前の仕事に集中できない「ノンフロー=フローではない状態」になってしまいます。
裏を返せば、自分の注意をできる限り目の前の一点に集中し、維持することができれば、深いフロー状態に入ることができる。
そして、フロー状態に入ると多くの人が「深い今」というものを体験する。時間がゆっくり進み、止まったような感覚。
実はこのとき、意識で処理することができていた126ビットという情報量が、無意識下では数十億ビットにも広がっていきます。
せっかく同じ時間働くなら、せっかく同じ時間生きるなら、そうしたフロー状態に意識的になりたくないですか?
そんなフロー状態に入るために必要なのは、才能でも根性でもなく、正しい「準備」だと彼女は言います。
気になる続きは是非、彼女の著書で!
「愛する」ことは「集中する」こと。「愛する」から始まる「愛おしい」へのサイクルを生み出すことができないか。
彼女が伝えたいメッセージは、
「愛する」から「愛おしい」
「愛」という言葉を私達は曖昧なものに捉えがちです。
正直言って私もビジネスにおいて「愛」という言葉が出てくることに対して、違和感を持つときが多いです。
でも「愛する」とはどういうことなのか。
彼女は「働く現場」に実装するために研究者として非常に論理的に分析し、私達が働きやすい環境を創りだそうとしています。
通常は「愛おしい」を起点として「愛する」。
そして、「愛する」からさらに「愛おしい」。
そのサイクルを「愛する」からスタートすることができないか。
愛おしくないものでも、どんなものでも、愛おしくなるようにチャレンジできないか。
「愛する」をもっとドライにとらえることから始める。そんな仮説が彼女の研究のベースになっています。
彼女自身が「愛する」から「愛おしい」に至った例として、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領の事例をあげて説明したのですが、本当に南アフリカの話をしているときの彼女はいつもこんな感じ。
そして、南アフリカこそが「愛する」から「愛おしい」に至ろうと国を挙げてチャレンジした事例そのもの。
そこから私達が組織の働き方をデザインする上で学ぶべきことはたくさんあります。
小さな世界の内容を決めているのは誰なのか?
彼女のシンプルな問いは、私たちの働き方や生き方を見つめ直すきっかけになります。
小さな意識の世界に毎秒毎秒、何を写しますか?
その小さな世界の内容を決めているのは誰なのか?
国なのか、社会なのか、会社なのか、それとも自分なのか。
フロー状態になるための最初のステップは、「つよい意図をもつこと」だと彼女はいいます。
好きになれない経費精算の業務も、「この時間は一か月を振り返る大切な時間」だとつよい意図を持てば、好きになれなかった業務も、1%でも好きになれるかもしれない。
その業務に126ビットを集中させることから始まる。
彼女の会社では、必ず「この仕事の意味は何だろう?」という問いを共有することから始まるそうです。
それも、つよい意図をもつための仕掛けの一つ。
翻って、私達は仕事をする中で、目の前の業務につよい意図を持つことができているでしょうか。
バックオフィスの仕事を、自分がつよい意図をもって決めることができているか
自分自身を考えても、自分がつよい意図を持って仕事を決めることができているかと言われれば、反省する点があります。
自分が仕事を通じて何を実現していきたいのか。
「やらなければならない仕事」は、本当に自分が意図をもってやらなければいけないと思っているのか。
それとも誰かにやらされている仕事なのか。
話を聞いている中で、ミッチェル・レズニック教授の4Pの話を思い出していて。
創造的な学び、そして創造的な仕事のためには、4つのPが重要になる。
そして、1つ目のProjectsは、依頼された仕事をただ言われたとおりにこなすだけではなく、自分なりにどのように意味付けをするかが重要だということ。
いくらITツールを導入して業務を効率化しても、そもそもその業務につよい意図がなければ、無駄なものを効率化しているだけでしかない。
意図のないRPA化はその最たるもので、無駄な業務を永続化してしまう一因でもあります。
その一方で、いくら自分達の仕事について「対話」を続けても目の前の業務に手一杯の状態では、つよい意図を持つ時間さえありません。
つよい意図を持ったところで生産性を上げる手段を持ち得ず、やりがいを搾取するような状況になっている職場も数多く見てきました。
私が尊敬している経営者はこう言います。
選択肢の多さが、人生の豊かさを決める
自分で選ぶことができる社会こそが多様性のある社会。
私達は普段の生活の中で数多くの選択肢があると思っているけれど、実は画一的に提案されたものの中から選択しているに過ぎない。
それは「働く」に関する分野においても同じこと。
バックオフィスで働く人たちが、いかに自分の人生を生きるか。
まずは自分と異なる価値観を「知る」ことから始まる。
多拠点生活、フリーランスのバックオフィス、バックオフィスのパラレルキャリア、自社で語られる働き方改革と別次元の働き方。
知らないものは、選ぶことすらできない。
知っていても選ぶことのできない環境にいる人もいる。
でも、自分はその自由な働き方を本当に選ぶことができないのか。
そうした当たり前を疑うことから、本当の働き方についての対話が生まれるのではないかと考えていて。
その入り口をSOU-MU NIGHTが担えるといいなぁと考えています。
長くなりすぎたので、DAY2のレポートはこちらで!
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そして、東京では12月11日(水)SOU-MU NIGHTを開催決定!京都に引き続き世羅さんをゲストに迎えます!
【東京】総務・バックオフィスで働く人のための交流会「SOU-MU NIGHT TOKYO」#2
【日時】
2019年12月11日(水)
19:00-21:00
【会場】
Nagatacho GRiD B1F SPACE 0
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-5-3
なんと今回はSOU-MU NIGHTに「スナックSOU-MU」が登場。
令和になったというのに、あふれ出る昭和感。
ベンチャーの現役バックオフィス「かずみママ」があなたのお悩みを何でも受け止めてくれます。
おかげさまで残席少なくなってきているので、申し込みはお早めに!
前回のSOU-MU NIGHT TOKYOの様子はこちらから!
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【主催】
SOU-MUプロジェクト
【協力】
◆京都市ソーシャルイノベーション研究所
京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)は、市民、企業、NPO、大学などの多種多様な組織や個人が、京都で社会的課題の解決に挑戦することで、過度の効率性や競争原理とは異なる価値観を日本はもとより、世界にも広めることを目的にした「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想」の推進拠点として2015年4月に設置されました。
構想全体のコーディネート機能を果たすとともに、行政・企業・NPO・大学・中間支援団体などを巻き込んだネットワークの形成や、所属するメンバーの他、多くのパートナーと共に、企業と公的機関とのマッチングを行うパブリックコーディネートに取り組んでいます。