企画をするなら、デザイン筋力には頼らない話
こんにちは。
フリーランスのグラフィックデザイナーの安村シンです。
私は2022年のいま、コピーライターの阿部広太郎さんが主催するオンライン連続講義「企画でメシを食っていく」(以下、企画メシ)に参加しています。
先日、初めの講義で「自分の広告を作る」課題を作成し
阿部さんのお話を聞いたことで、いろいろな発見がありましたので
今回の記事にまとめました。
①感じたこと
長い長い広告
初回、阿部さんの講義では「審査員は疲れている」というお話がありました。
今回も、課題提出者47名の広告がズラリとならび、そこから推しの3名を選ぶというさらなる課題が。
つまり、企画生47名も「審査員の疲れ」を体験できる仕組みになっていました。
改めて自分の広告をみてみると、長いこと長いこと。
長くなるのは、企画が弱いからだなと反省しました。
クライアントワークではもっと慎重に作ってるはずが、
自分のこととなると、思いついた枝葉のアイデアから作り始めてしまっていた。
まず、1点に狙いを絞ること。
その「狙いを絞るためのヒント」も頂きました。
リトマスみたいなチェック方法
講義では「マイ定義」を持つ、というお話もありました。
例えば「企画とは、人の心を動かす設計図」「広告とは、適したトーンでお誘いをかけること」と定義したとします。
それじゃあ、自分の企画は「人を動かす設計図ができているのか?」自分の広告は
「適したトーンでお誘いをかけられているか?」
そう立ち返れば、広告を企画し、制作するときに軸がブレていないかを言葉で確認できます。
リトマス試験紙みたいに、自分の企画にピッとつけてみたら判定してくれそうな、とても便利なチェック方法だな、と感じました。
②自分の課題についての話
僕の作成した「自分の広告」は、こんなようなものです。
今流行りの「シン・○○○」のパロディで名前を覚えてもらい、
デザインとギャップのあるエピソードを太めにして興味を惹き、話題のタネを配置。
気になった人には左下のQRコードを読んでもらうことで
自己紹介エピソードの完全版(外部にはちょっと出せないレベルで詳しい)が見られる、というもの。
この広告、たたき台が実は、課題が出た翌日には出来上がっていました。
そこで思ったのは、「デザイナーが広告のデザインしても、企画として何も面白くない」ということ。
デザインで勝負しない。企画で戦いたい。
そこで、note記事を追加することにしました。
そもそも広告って、一瞬見るだけで終わってしまう。2秒で終わる人もいる。長くても10秒くらいではないだろうか。
でももし、広告で興味を持ってくれた人がいたら、どうする?次の講義まで待って、そこで話ができたら話をする?いつかのオフライン集合のときに、あらためて思い出してもらう?
10秒くらい見たものを、そんなに覚えていられるだろうか?
そんなわけで、コンテンツへと誘導するというアイデアを思いつきました。
2分くらい見たものは、もう少し覚えていてもらえるかもしれない。
なんとしても覚えてもらおう、という強い意志を持って。
でも、広告の内容とマッチするような、誘導するコンテンツがない。
「じゃあ、作るしかないか・・・・」
そんなわけで、本当に本当に面倒だと思いつつも、課題用オリジナル記事を書いてみたところ、5000字をゆうに超える、長い長い広告が生まれたのでした。
Doの肩書きでは、想いが見えない
課題は、阿部さんからコメントを頂くことができました!
全員分の企画書や広告に対して。なんとありがたいこと。。。!
そんな中で僕の広告は、赤字が比較的少なく、
狙いが伝わると誉めて頂けました。
ところが自分自身、他の企画生の方の「推し」広告を選んでいるときに
とんでもない大発見をしてしまいます。
僕は、人の強い想いや葛藤が見えるものが好きだ。
なのに、自分の広告には、ぜんぜん想いが乗ってないじゃないか!
うわーーーーーーーーーーーーっ!!
想いベースで自己紹介したらどうなるんだろう、、、と思ったので、
別案を作ってみました。(細かいデザインは見ないでください・・・)
こっちの方が、人柄が伝わったりするのかな。うーんどうだろう。
みんなの記憶に残すぞ!って、ちょっと背伸びして、内容盛り盛りにしていた広告よりも、
このくらいのほうが、自分らしいかもしれないなとも、ちょっと思いました。
みんなに好かれるブランドの広告って、自分を大きくみせようとしてるものじゃないのかもしれません。
こちらも、「Do」を「Be」に変える、という思いつきだけで作っているので
「企画」の部分の練り直しは、またいずれ・・・
③まとめ
第一回目の講義を終えて、
いろんな事に気が付きました。
自分はデザインに頼りすぎて、企画をすっ飛ばしやすいということ。
企画をすっとばして、でもなんとか着地させるために、他の筋力をめちゃめちゃ活用して何とかしてきた、ということ。
僕の好きな漫画「ダイの大冒険」で、主人公が修行しているときのエピソードを思い出しました。
主人公が剣で岩を斬ろうとしていて、でもなかなか苦戦していて(そりゃそうだ)、疲労が極限まで達したその時、ついに斬れる!
そこでアバン先生という、主人公の師匠が放った言葉を引用します。
今の僕は、たぶん、岩が斬れない主人公の状態です。
普段、デザインの筋力であらゆる困った出来事を何とかしようとしています。
でもそれではどうにもできない壁に、いま面しているのだと思います。
企画をするなら、デザイン筋力に頼らない。
脱力して、脱力して、新しい筋力の使い方を発見する。
それがこれから半年間の、自分の課題なのかもしれません。
(最後までお読み頂き、ありがとうございました!)
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