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「マイセンのフィギュリン」

10月24日(土)、Shinwa Auctionは西洋美術オークションを開催いたしました。出品作品は全176ロット、落札額合計は4,080万円(落札率87.50%)でした。ステンドグラスに人気が集まり、大型作品 Lot.100 アメリカ「ステンドグラス4点」(311.0×105.0cm)は150万円で落札されました。

【西洋美術オークション落札結果レポート】ステンドグラス全点落札、アンティーク家具にも人気(Shinwa Auctionのサイトにジャンプします)
https://www.shinwa-auction.com/news/20201024/

今回のオークションでは「マイセン」を特集。
「マイセン MEISSEN」は、ヨーロッパで最初の白地の硬質磁器を生み出したドイツの名窯です。16世紀から17世紀、東洋からもたらされた薄くて硬い純白の磁器は「白い金」と称讃され、富と権力の象徴としてヨーロッパの王侯貴族たちに蒐集されました。
各国の君主が自国での製造を目指す中、ザクセン公国(現在のドイツ北部)の選帝侯アウグスト1世(1670-1733)に製法の解明を命じられた錬金術師ベッドガーが1709年にその製造に成功。
翌年、マイセンに王立磁器製作所が設立されると、シノワズリーやロココなど、時代の流行を反映した多彩な装飾様式が次々に展開していきました。

マイセンといえば、エレガントな食器や壷も魅力的ですが、その代名詞として世界中で親しまれているのは、「マイセン人形」(フィギュリン)と呼ばれる小型彫刻でしょう。
この彫像は、中世より宮廷の祝賀正餐会にて主催者の富を象徴する装飾品とされてきた砂糖菓子に代わる豪華なテーブル装飾として、また、室内の棚やコンソールに飾る観賞用の美術品として、1736年に造形家ケンドラー(1706-1775)によって創造され、以後様々な人物像や動物像などが作られてきました。

今回、計40ロットのマイセンが出品されましたが、うち20ロットは可愛らしいキューピッドでした。
Lot.46《ハートを追いかけるキューピッド》(エスティメイト10~20万円、落札価格10万円)は新古典主義の造形家アシエ(1736-1799)が原型を制作したという16点からなるキューピッド像のシリーズの一つ。
本作の台座には「Je prends mon essor. 離れそうな恋」と書かれており、キューピッドが羽が生えた小さなハートを追いかけています。
このシリーズでは、他にも「Je les couronne. 愛の栄冠」や「Je les dompte. 従属させる恋」、「Coup sur coup. 恋にとどめを」など、各々の台座にフランス語で愛に関する格言が記され、キューピッドはその内容を示す動作や姿をしています。

次回の西洋美術オークションは2021年4月予定。
マイセンの他にもガレ、ドームやステンドグラス、アンティーク家具や絨毯、ドールや古代物などを取り揃えてお待ちしております。

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今後のオークション予定
11月21日(土)近代美術/近代美術PartⅡ オークション
11月21日(土)戦後美術&コンテンポラリーアート オークション
11月21日(土)MANGA オークション
12月5日(土)近代陶芸/古美術/近代陶芸PartⅡオークション
開催オークションの種類について

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