現役の先生のエピソード1・2
エピソード1 幼児期の遊びと学び
~春 花々とのかかわりから~
2024年を振り返り
(年長児)
ペットボトルに花びらと水を入れて遊んでいたA児。「これ、色出てほしいな」「何で出ないんやろう」と悩んでいた。隣にいたB児が「太陽に当ててみたら?」と提案すると「それいい!やってみよ!」と言い、試した。お日様にペットボトルをかざしたところで、花の色が出るはずもないが、子どもならではの感性を微笑ましく思いながら見守った。
いくら待っても、ペットボトルの中の色は変化せず、長い間二人で悩んでいた。突然「振ってみよ!」と言いながらM児は力一杯腕を振り始めた。しばらくするとペットボトルの中の水にうっすらと色が付き、「先生!色出たー!」と大きな声で報告してくれた。
春の花々の色は美しく、自然の持つ力が子どもの心を動かしていることが読み取れた。二人は悩みながらうまくいかないという経験を味わっていた。しかし、失敗しうまくいかないかもしれないが色が出したいという共通の目的に向かって楽し気に友達と試し続けた。
エピソード2 幼児期の遊びと学び
~春 異年齢でのかかわりから~
2024年を振り返り
(年少児)
花の色水遊びをしていたC児。ペットボトルにお花を入れて「きれい~」と嬉しそうにしていた。ふたが欲しいと言っていたが、ペットボトルのふたがなく「どうしようかな?」と見守っていると年長児がセロハンテープを何重にも貼り付けてふたをしているのを見て真似をして一生懸命に作っていた。
「できた」と見せに来てくれた時には色水はほとんどなくなっていたが、とっても嬉しそうだった。
大事な色水をこぼしてしまったことよりも、年長児を真似てセロハンテープでふたをしようと思ったC児の思いが愛おしい。それを実現できた喜びに共感する保育者の温かいまなざしが子どもの心を豊かに育むのだと思う。