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イキりの福姫06-雀魂2024春の四半期

雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。

前回同様、2024/05/24の牌譜から事例を採集した(注、上のXの記事では日付が05/21だが、これは誤り)。

<南3局0本場>

<点数状況判断>

1位 +32,800 満貫放銃で4位
2位 +400 満貫放銃で4位
4位 -4,000 満貫放銃で4位

1位 満貫被ツモで3位
2位 満貫被ツモで3位
4位 満貫被ツモで4位

残り2局以下になった場合、点数状況判断を行う。今回は自分が3位だ。満貫放銃するとアガリの機会は残り1回で、逆転は困難だ。

1位や2位がリーチした場合、オリれば3位を維持できる。ただし自分が親番のため、満貫被ツモの失点が大きい。満貫被ツモで、子は2,000点、親は4,000点を失う。そのため、1位または2位が満貫ツモなら、自分は3位だが4位とは2,000点差だ。次の南4局では4位落ちの可能性が高まる。

また、4位のリーチに放銃してはいけないが、オリて満貫被ツモでも4位転落だ。4位とは12,000点差が詰まり(4位のアガリ得点 + 自分の被ツモ失点、8,000 + 4,000 = 12,000)、8,000点差の4位で南4局を迎える。

自分が親番なので、アガると点差は開くが連荘する。局を流せず、他家にアガリの機会を1回多く与える。リーチを打つとオリができない。低打点副露手はオリに転換できるが、アガると点差が大きく開かずに連荘する。満貫被ツモに耐えられる、12,000点以上の点差がラス回避には必要だ。

直前の局で4位を一応脱したが、自分が親番のため再び詰み筋に入った。

<1巡目>

ツモ中 → 打西。

1m + 34m + 123p + 赤5p + 66p + 2s + 9s(+ 打西)+ 北 + 中

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが1個ある。この手牌はスーシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1)= 4)。

今回、オリへの転換が可能な副露手で高打点を作れれば理想だ。ドラの1pと赤5pがある。中・ドラ1・赤1で5,800点(親30符3翻)になり、中打点+連荘になる。次局では低打点副露手を目指し、徐々に点差を広げる戦略が安全だ。

<2巡目>

ツモ3s → 打北。

1m + 34m + 123p + 赤5p + 66p + 23s + 9s(+ 打北)+ 中

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1)= 3)。

中・ドラ1・赤1の可能性をまだ残している。しかし残り3枚の中よりも、孤立数牌の1m、赤5p、9sにくっついてターツをもう1個生む機会のほうが多い。役牌を見切ったほうが4メンツ1雀頭の完成に近い。

<5巡目>

ツモ1s → 打9s。

1m + 34m + 123p + 赤5p + 66p + 9p + 123s(+ 打9s)

メンツが2個ある。トイツが1個ある。ターツが1個ある。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1)= 2)。

4メンツ1雀頭の完成には、ターツが1個足りない。赤5pの周辺牌をツモってターツを作りたい。

ツモ → 手牌の構成変化

3p → 3赤5p + 66p

4p → 4赤56p + 6p

5p → 5赤5p + 66p

6p → 赤5p + 666p

7p → 赤567p + 6p

原則的には赤5pの周辺牌、34567pでターツやトイツが生まれる。ただし赤5pの周辺に66pのトイツ(雀頭)があることで、メンツ+孤立牌が生まれ、雀頭が崩れる進行がある。

上記5種類のうち、ツモ7pがやや面倒だ。5667p(中ぶくれの構造)→シュンツとターツの連続形(例、456p + 67p、雀頭コンボ)→雀頭+1メンツ(例、345p + 66p(+ 打7p))を生む展開にしたい。ツモが2回必要だ。

メンツが生まれて雀頭が崩れると、一手進んで一手戻る(シャンテン数が進まない)。そのため、1m + 34m を残した。11m + 34m、13m + 44m、1234mとなって雀頭+ターツ、またはリャンメン単騎が発生する。赤566pがメンツになっても雀頭が生まれやすい。

<6巡目>

ツモ3m → 打9p。

13m + 34m + 123p + 赤5p + 66p(+ 打9p)+ 123s

メンツが2個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1 + 1)= 1)。

いわゆる「2メンツ完成型のイーシャンテン形」だ。典型例にリャンメン×2のイーシャンテン形や、完全イーシャンテン形がある。

今回はツモ2m、5mでテンパイだ(2種8枚)。チートイツのイーシャンテン(5トイツ+3孤立牌、3種9枚)、対々和のイーシャンテン(2メンツ+3トイツ、3種6枚)と同程度だ。この枚数ではツモ頼み、副露頼みのいずれでもテンパイはかなり苦しい。

有効牌の枚数が少ないのは、13mと34mが2mを取り合う関係だからだ(二度受け、受け被り)。仮に13mと56mなら、ツモ2m、47mでテンパイする(3種12枚)。二度受けがないと1種4枚増える。

またツモ2m、5mのいずれでも、打赤5pでテンパイになる。リーチ・ドラ1(親40符2翻、3,900点)などに打点が下がり残念だ。

<そこそこパワーがあるが扱いにくい>

漫画「頭文字D」で、エンジンブローしたハチロクがレース用のエンジンを搭載して復活する。しかしドライバーの拓海は、父の文太からエンジンの特徴を知らされていないため「そこそこパワーがあるが扱いにくい」と感じる。

まるでこの手牌のようだ。有効牌が非常に少なく、赤5pがうまく使えない。拓海は試行錯誤し、車を自在に操れないことに悩む。

<9巡目>

ツモ6p。

文太は拓海にエンジンの特徴を教える。「11,000までキッチリ回せ」

レース用の4A-Gエンジンは超高回転で最大出力が出る仕様だった。今までのように8,000回転までのタコメーターで限界領域の操縦をしても、車が合っていなかった。

レーサーの谷口信輝さんが実際に回るハチロクを試乗している。谷口さんは頭文字Dの新劇場版で、監修やハチロクのエンジン音・スキール音の収録を務めた(cf. Wikipedia 頭文字D 概要)。

メンツ → トイツ → ターツの順に手牌を切り分ける。

1m + 33m + 4m + 123p + 赤5p + 666p + 123s

メンツが3個ある。トイツが1個ある。ターツが0個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 2 + 1)= 1)。

3メンツ+雀頭+2孤立牌で、くっつきイーシャンテン形に変化する。孤立牌の周辺牌をツモると、ターツやトイツが生まれてテンパイする。他には雀頭が暗刻になっても、2孤立牌のいずれかで単騎待ちテンパイする(今回は33mが333mになるが、孤立牌の4mに3mがくっつくのと同様の経緯をたどる)。

1m → 123m
4m → 23456m
赤5p → 34567p

有効牌が少ない1mを切る。

(打1m)+ 33m + 4m + 123p + 赤5p + 666p + 123s

暗刻と隣接牌+リャンメン対子(334m + 赤5666p)のくっつきイーシャンテン形だ。

<タケオしゃんの牌効率・牌理ツールでテンパイまでを検証する>

牌効率・牌理ツール(開発・運営 第6代天鳳位 タケオしゃん)

→牌記号入力
334m1230666p123s

→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。

この手牌はイーシャンテン。有効牌は10種32枚。テンパイへの有効牌が激増した。

ツモ → 打 → テンパイの待ち

2m → 3m → リャンメン47p+単騎5p

3m → 4m → リャンメン47p+単騎5p
(3m → 赤5p → リャンメン25m+単騎4mも可)

4m → 赤5p → シャンポン33m44m

5m → 3m → リャンメン47p+単騎5p

6m → 赤5p → カンチャン5m

3p → 4m → カンチャン4p

4p → 3m → リャンメン25m

5p → 3m → リャンメン25m

6p → 4m → リャンメン47p

7p → 3m → リャンメン25m

<愚形テンパイの場合>

ツモ4m、6m、3p(3種10枚)

ツモ4m、6mでは赤5pが出て打点が下がるので、ツモ切ってテンパイ拒否したい。ツモ3pでは赤5pを使えるが、456牌のカンチャン待ちは出アガリしにくいので、これもツモ切る。後述する好形テンパイコースを待ちたい。

幸いなことに、好形テンパイすると4m、6m、3pはテンパイの待ちにならない。愚形テンパイを見切って以上の3種10枚をツモ切りしても、フリテンにはならない。

<好形テンパイの場合>

ツモ2m、3m、5m、4p、5p、6p、7p(7種22枚)

完全イーシャンテン形(6種20枚)より若干多い。ツモ2m、3m、5mではピンズの多面張になる。愚形テンパイの2倍強、好形テンパイするツモがあるので粘りたい。

暗刻と隣接牌+リャンメントイツのくっつきイーシャンテン形では、雀頭が生まれやすく、かつ崩れやすい形の2組が互いを補完する。完全イーシャンテン形(例、赤56m + 677p + 88s)の応用・変形と言ってもいい。

この構造はイキりの福姫04(本編)でも紹介した。

「亜リャンメン+リャンメントイツ、または四連形+リャンメントイツのくっつきイーシャンテン形」でも同様の現象が起こり、好形テンパイ確率が高まる。

多面張コースを捨ててまで愚形テンパイに決め打つのは、終盤(捨牌3段目)からでいい。残りツモ山が22枚に減り、仮に好形テンパイを待っても、待ち牌はツモ山にせいぜい3枚の分布で、テンパイしさらにアガることは困難だからだ。

(好形テンパイの有効牌は22枚。麻雀牌は全部で136枚。有効牌の該当率は麻雀牌全体の16パーセントだ(22/136≒0.16)。

終盤(捨牌3段目の始まり)での残りツモ山は22枚。有効牌は麻雀牌全体の16パーセントに分布する。残りツモ山の中には3枚強分布する(22×0.16=3.52)。

テンパイしさらにアガるには、3枚中2枚をツモるか、3枚中1枚ツモってさらに出アガリが必要だ。これは実質無理なので、愚形テンパイに決め打ち、テンパイ料収入を狙うのが現実的だ)

「赤5pが使える。アガリが見える。これ、イケるかも!」

<10巡目>

ツモ7p → 打3mリーチ → リャンメン25m待ち。

11,000までキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

テンパイする有効牌のうち、ツモ4p、7pではピンフが確定する。11,600点(親30符4翻、リーチ・ピンフ・ドラ1・赤1)の親満貫ドライバーで、赤5pの打点パワーが開放された。

さて、ここでnisiさんの押し引き表を参照する。

表・自分親(面前限定)VS子リーチ

聴牌
聴牌の待ち-良形
翻数-平和(リーチ・平和の2翻)
リーチ宣言牌-無スジ2378
巡目-中盤

該当のマスは赤色。大差で押し有利だ。対面のリーチ直後に私もテンパイしたが、この状況では無スジを打ってリーチしても勝てる。

ラス回避には12,000点以上の点差が必要で、現状は4,000点差だ。アガリの機会は残り2局なので、オリても逃げ切れない詰み筋に入っている。放銃の抽選を受けるが、他家のリーチ直後にテンパイしたなら、アガリの機会を逃してはならない。

<12巡目>

対面が私に放銃、11,600点(親30符4翻)。

4位とは4,000点差だったが、このアガリで27,200点差に開いた。これでラスを脱出できた。ただし連荘したので、次局では他家の低打点副露手狙いを手助けし(アシスト)、自分はオリて親番を流してもらう。

残り局数は2局。2位を取れれば結構だが欲張らない。4位に満貫放銃を2回許すと負けなので((4位のアガリ+自分の失点)×2、(8,000 + 8,000)×2 =32,000点)、ラス回避目的のオリを優先する。

結果、2位で終局。使える回転数の上限を知らないと、大事なエンジンを壊すことになりかねない。

(本稿終わり)


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