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イキりの福姫20 補遺02-雀魂2024秋の四半期

雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。

前回は「四連形+四連形+雀頭」のくっつきイーシャンテン形において、個々の有効牌をツモるとテンパイの待ちがどうなるかを検証した。

好形テンパイ:愚形テンパイ≒1:1 とみなしてよい。好形テンパイする有効牌は9種29枚で、完全イーシャンテン形(6種20枚)の1.5倍ある。

愚形テンパイをツモ切って拒否し、好形テンパイのみを狙ってもよい。ただしフリテンが発生しうる。

前回紹介した、ざっちゃブログのゆけむりさんも言及している。

「カンチャン待ちテンパイの場合、ツモ切りでテンパイを拒否すると後にフリテン目が出てきます」

今回はさらに補遺として、どういう進行でフリテンになるのか、そしてフリテンテンパイにどう対処するかを解説する。

<シャンポン待ち → ツモ切ってイーシャンテンに戻す → フリテンテンパイ、の事例>

ゆけむりさんはこう言った。

「シャンポン待ちテンパイの場合、状況によってはその場でツモ切り(特に、タンヤオなどの手役が無い場合)でテンパイを拒否するのもありでしょう」

ツモ3m → 33m →(打8sで)シャンポン33m + 11p待ち

打8sリーチ → シャンポン33m+11p待ちにできる。しかし待ちが悪い。シャンポン待ちは3-7牌同士だとツモも出アガリもしにくい。幺九牌(1・9・字牌)含みのシャンポン待ちなら出アガリしやすい。しかし今回は11pがドラなので出にくい。苦しい愚形テンパイを見切って、好形テンパイを狙おう。

ツモ1p → 打3m → リャンメン単騎58s待ち

ツモ1pからはリャンメン単騎36m待ち、またはリャンメン単騎58s待ちを選べる。36m待ちではフリテンなので、58s待ちにして回避する。一度テンパイを拒否するとフリテンの可能性が生まれる。テンパイをイーシャンテンに戻すと、フリテンの可能性があると覚えよう。

ツモ6m → 66m →(打8sで)シャンポン66m + 11p待ち

シャンポン待ちテンパイにできるが、ツモも出アガリもしにくいシャンポン待ちなので拒否する。

ツモ1p → 打6m → リャンメン単騎58s待ち

ツモ1pからはリャンメン単騎36m待ち、またはリャンメン単騎58s待ちを選べる。36m待ちではフリテンなので、58s待ちにして回避する。

ツモ5s → 5赤5s →(打3mで)シャンポン5赤5s + 11p待ち

シャンポン待ちテンパイにできるが、ツモも出アガリもしにくいシャンポン待ちなので拒否する。

ツモ1p → 打8s → リャンメン単騎36m待ち

ツモ1pからはリャンメン単騎36m待ち、またはリャンメン単騎58s待ちを選べる。58s待ちではフリテンなので、36m待ちにして回避する。

ツモ8s → 88s →(打3mで)シャンポン88s + 11p待ち

シャンポン待ちテンパイにできる。2・8牌含みのシャンポン待ちはそこそこ出アガリしやすい。しかし11pがドラで、ツモも出アガリもやや苦しいシャンポン待ちなので拒否する。

ツモ1pからはリャンメン単騎36m待ち、またはリャンメン単騎58s待ちを選べる。58s待ちではフリテンなので、36m待ちにして回避する。

シャンポン待ちを拒否した場合のフリテンは以上だ。なおシャンポン待ちを拒否してリャンメン待ち・三門待ちした場合、フリテンは発生しない。リャンメン待ち・三門待ちのスジとシャンポン待ち・リャンメン単騎待ちのスジは重複しないからだ。

試しに牌を並べ、リャンメン待ちや三門待ちになる有効牌をツモってみよう(ツモ2m、5m、4m、7m、4s、7s、6s、9s)。ツモ2mの場合、上図のようになる。三門147m待ちは3m、6mと干渉しない。

頭の中だけで考えるとわかりにくいが、実際に牌を並べ、ツモ→打→テンパイの待ち、と進めてみるとよい。手指を動かしながら考えると記憶が定着しやすい。

<カンチャン待ち → ツモ切ってイーシャンテンに戻す → フリテンテンパイ、の事例>

残りはカンチャン待ちを拒否した場合だ。ゆけむりさんはこう言った。

「カンチャン待ちテンパイの場合、ツモ切りでテンパイを拒否すると後にフリテン目が出てきます」

ツモ1m → 13m →(打8sで)カンチャン2m待ち

打8sリーチ → カンチャン2m待ちにできる。しかし待ちがやや悪い。2・8牌で待つならば、最も出アガリしやすいカンチャン待ちなので、即リーチしてもよい。しかしリャンメン待ちに比べれば、ツモも出アガリもしにくい。苦しい愚形テンパイを見切って、好形テンパイを狙おう。

直後にツモ2mで三門147m待ちだが、1mを既に切ったためフリテンだ。

「ツモ切り後の2mツモに対しては、フリテンとなりますが三面張なので先制であれば基本的にリーチを打つべきです」

ゆけむりさんはそうガイドするだろう。

ツモ8m → 68m →(打8sで)カンチャン7m待ち

カンチャン待ちテンパイにできるが、3・7牌のカンチャン待ちで、ツモも出アガリもしにくい。苦しい愚形テンパイを見切って、好形テンパイを狙おう。

直後ツモ7mで三門258m待ちだが、8mを既に切ったためフリテンだ。

「ツモ切り後の7mツモに対しては、フリテンとなりますが三面張なので先制であれば基本的にリーチを打つべきです」

ツモ3s → 3赤5s →(打3m(6m)で)カンチャン4s待ち

カンチャン待ちテンパイにできるが、456牌のカンチャン待ちで、ツモも出アガリもしにくい。最も苦しい愚形テンパイは見切って、好形テンパイを狙おう。

直後ツモ4sで三門369s待ちだが、3sを既に切ったためフリテンだ。

「ツモ切り後の4sツモに対しては、フリテンとなりますが三面張なので先制であれば基本的にリーチを打つべきです」

カンチャン待ちを拒否した場合のフリテンは以上だ。なおツモ3s → 打3s → ツモ4s以外の場合(カンチャン待ちになる牌をツモ切り、直後に1つ内側の牌をツモ以外の場合)、フリテンは発生しない。フリテン三門待ちのスジと他のリャンメン・三門待ちのスジとは重複しないからだ。

試しに牌を並べ、リャンメン待ちになる有効牌をツモってみよう(ツモ6s、7s、9s)。

ツモ6s → 打3mリーチ → リャンメン47s待ち(3sは待ちに関係ない)

ツモ7s → 打3mリーチ → リャンメン69s待ち(3sは待ちに関係ない)

ツモ9s → 打3mリーチ → リャンメン47s待ち(3sは待ちに関係ない)

頭の中だけで考えるとわかりにくいが、実際に牌を並べ、ツモ→打→テンパイの待ち、と進めてみるとよい。手指を動かしながら考えると記憶が定着しやすい。

さて、頭と体をけっこう使った。ここで風呂でも浴びてこよう。

福姫も湯を浴びる(着せ替え「福姫 憩いの春湯」は期間限定で提供された。過去の着せ替えは再び期間限定で提供される場合がある)。

<風呂を浴びたら考える。フリテン三門待ちにしてもいいのはなぜか?>

皆さん、風呂に入って一度麻雀のことを忘れてきましたか。では話を続けます。少々高度な話なので、気分転換してから読むのがいいですよ。

ゆけむりさんは主張した。

「フリテンとなりますが三面張なので先制であれば基本的にリーチを打つべきです」

フリテン三門待ちにしてもいいのはなぜか?

「統計学の麻雀戦術」を参照する。

「8巡目のフリテン3メンチャン立直(ただし先制リーチ、shinux255が補足)の和了率は46パーセントとなりました。愚形待ち立直の和了率が43パーセントですから、3ポイント(原文では「3パーセント」。shinux255が修正)高くなっています。また、和了がツモに固定される関係で打点が上昇します」

(cf. 統計学の麻雀戦術 p.67「第1章 テーマ10 愚形待ちよりフリテン3メンチャンで立直しろ」)

アガリ率は最初の愚形テンパイとほぼ同等だ。そしてフリテンテンパイの場合はツモでしかアガれないので、ツモの1翻がついて打点上昇する。

アガリ率は変わらないものの、打点上昇の変化が得られた(麻雀の数理研究では、この格差を「局収支期待値がより高くなる」と言う)。従って、愚形テンパイを拒否→直後にフリテン三門待ち→即リーチ、が有利になる。

「統計学の麻雀戦術」のKindle版は2017/08/01発行だ。ゆけむりさんは2015年に局収支期待値の見積もりを体得していた。

では、追っかけリーチになっても問題ないのか?

nisiさんの押し引き表を参照する。

表・自分子(面前限定)VS親リーチ

聴牌
愚形
+1ハン

条件が最も厳しい、先制親リーチに子の自分が追っかけるとしよう。フリテン三門待ちテンパイ(アガリ率は愚形テンパイ相当)、+1ハン(リーチ・ツモで必ず2翻になる)なので、親リーチの直後にテンパイしたら、終盤以外は無スジを打ってのリーチが有利だ。

一方で先制親リーチの直後、自分は愚形テンパイを外して四連形+四連形+雀頭のイーシャンテンのままだった場合、押しはだいぶ不利になる。

表・自分子(面前限定)VS親リーチ

一向聴
4連形2つくっつき
平和

打点が「リーチ・ツモで必ず2翻」では負け確定(表の「平和」はリーチ+1翻、つまりフリテン三門待ちのリーチ・ツモに該当する)。さらに1翻ついて、無スジの1種類押しが釣り合うかどうかだ。テンパイとイーシャンテンでは雲泥の差があることに注意だ。

反対に、自分が親、先制リーチ者が子なら押し有利になる。先制リーチ者が親か、追っかける自分が親か、で押し引き基準は正反対に変わる。

「フリテンとなりますが三面張なので先制であれば基本的にリーチを打つべきです」とのゆけむりさんの主張には、このような裏がある。話が難しく、好事家しか読まない内容になるので、ざっちゃブログではあえて触れなかったのだろう。

さて、これを読んだら10分経った。ゆけむりも消えている。

(本稿終わり)


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