
イキりの福姫23-雀魂2024秋の四半期(非番-福姫、当番-南楓花)
雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。
今回はヘッドレス形イーシャンテン形の発展形を解説する。
<ヘッドレス形イーシャンテン形の発展形に進んだ>
#雀魂2024冬の四半期 #イキりの福姫 #朱雀な女
— shinux255 (@shinux255) December 5, 2024
雀魂牌譜 玉の間東南 2024/12/06 00:58https://t.co/s1nDOOgoT1
1位終了。雀豪花1、1554/2800。アガリは3回、放銃3回。
本日は福姫を非番にする。南楓花が初出場。南風は荒れ、朱雀は燃える。派手な放銃と派手なアガリで、打ってて怖い一戦。 pic.twitter.com/XiRsdJYZpI
上掲の対戦から、南2局0本場で発展形が現れた。今回の手牌はやや複雑な構造だ。
「イキりの福姫22」で紹介した、ヘッドレス形イーシャンテン形の基本形と発展形の差を見比べてほしい。なお今回は福姫が非番で、代わりに「朱雀の女」南楓花に出ていただいた。
<南2局0本場>
<5巡目-「暗刻と隣接牌+孤立牌+リャンメン」のヘッドレス形イーシャンテン形>

ツモ7p → 打1p。
メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。

78m + 2p + 444p + 567p + 234s + 6s
メンツが3個ある。トイツが0個ある。ターツが1個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 2 + 1)= 1)。
3メンツ+ターツ+2孤立牌で、ヘッドレス形イーシャンテン形だ。孤立牌が雀頭になるか、ターツがメンツになるとテンパイする。
今回、孤立牌の2pの周辺に暗刻があり、暗刻と隣接牌の構造が残った。これがヘッドレス形イーシャンテン形の発展形だ。
→牌記号入力
78m2444567p2346s
ドラ3s
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。


この手牌はイーシャンテン。有効牌は5種18枚。枚数だけならリャンメン×2のイーシャンテン形(4種16枚)よりやや多い。
<テンパイの経緯を図解する>
各有効牌とテンパイへの進行を確認しよう。
ツモ → 打 → テンパイの待ち

2p → 6s → リャンメン69m

6s → 2p → リャンメン69m

3p → 6s → リャンメン69m

6m → 6s → 単騎2p + カンチャン3p
(6m → 2p → 単騎6sも可)

9m → 6s → 単騎2p + カンチャン3p
(9m → 2p → 単騎6sも可)
好形テンパイする有効牌→5種18枚(2p、6s、3p、6m、9m)
愚形テンパイする有効牌→0種0枚
好形テンパイ:愚形テンパイ≒10:0
(100.0パーセント:0.0パーセント)
有効牌の枚数はリャンメン×2のイーシャンテン形と同等で、さらに好形テンパイが確定する。ツモ6m、9mでは単騎2p + カンチャン3pの多面張だ(2p×3枚、3p×4枚)。2種類の愚形テンパイがコンボを作り、リャンメン待ちテンパイと同等になる。
<テンパイの経緯を文章化する>
テンパイの経緯を文章化してみよう。論理の飛躍がないように注意したい。蹴上が低い(1段の高さが低い)階段を一歩づつ登るように、頭の中でどのような考えが巡っているかを一本道に整理・整頓する。
ツモ2p、6s(孤立牌から雀頭が発生)
→打6s、2p(もう片方の孤立牌を切る)
→リャンメン25s待ち(残ったターツでテンパイ)
2p、6sではヘッドレス形イーシャンテン形の基本形と同様だ。孤立牌が重なるツモで雀頭が発生し、ターツが残ってテンパイする。
ツモ3p
→暗刻と隣接牌の構造を24p+44pに切り分ける
→2メンツ+雀頭+2ターツのイーシャンテン形が現れる
→234p+44pの雀頭+1メンツが完成
→打6s(もう片方の孤立牌を切る)
→リャンメン25s待ち(残ったターツでテンパイ)
3pは特徴的だ。2p + 444p の「暗刻と隣接牌」の構造があるため、ツモ3pでも234p + 44p の雀頭+1メンツが完成し、ターツが残ってテンパイする。雀頭が発生する受け入れが基本形から1種類増えた。
ツモ6m、9m(ターツがメンツになる)
→原則的には孤立牌のいずれかを切れば単騎待ちテンパイ
→暗刻と隣接牌の構造を24p+44pに切り分ける
→3メンツ+雀頭+ターツのテンパイ形も現れる
→打6s(もう片方の孤立牌を切る)
→単騎2p+カンチャン3p待ち(多面張でテンパイ)
最後の6m、9mも特徴的だ。ターツがメンツになると、基本形では単騎待ちテンパイする。しかし2p + 444p の「暗刻と隣接牌」の構造があるため、テンパイ形の切り分け方が複数可能で、以下の2種類が並立する。
678m + 2p + 444p + 567p + 234s
(4メンツ+孤立牌→単騎待ちテンパイ)
678m + 24p + 44p + 567p + 234s
(3メンツ+雀頭+ターツ→カンチャン待ちテンパイ)
多面張が発生するのは「暗刻と隣接牌」の構造があるヘッドレス形イーシャンテン形に特有の長所だ。
暗刻と隣接牌の構造は雀頭コンボとして強力に機能する。ヘッドレス形イーシャンテン形にはうってつけだ。
「雀頭コンボ+孤立牌+リャンメン」のヘッドレス形イーシャンテン形は実戦で案外よく出る。私が金の間で対戦していた頃は、イーシャンテン形だと気づかないこともよくあった。純粋な孤立牌だからと軽視せず、残り枚数が多く雀頭が発生しやすい牌を持つように気をつけたい。
<6巡目>
ツモ6m → 打6sリーチ → 単騎2p + カンチャン3p待ち。

青龍キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
理想的なツモが来た。好形テンパイしたので即リーチする。現状では7,700点以上が確定だ(親40符3翻、リーチ・ドラ1・タンヤオ)。さらにツモか裏1で親満貫ドライバーになる。
単騎2p + カンチャン3p待ちの形を私は「愚形コンボ・青龍」と呼ぶ。
この名は漫画「修羅の門 第弐門」からもじっている。奥義の上に立ち、人間の限界を超える技に「四門」がある。四門の最後の1つ「青龍」で、総合格闘技 THE APEX 決勝戦は決着する。
<15巡目>
ツモ、3,900点オール(親30符4翻)。


「龍の顎(あぎと)が閉じた・・・あれが四神、青龍」
(cf. 修羅の門 第弐門 16巻 pp.116-117)
朱雀の女、南楓花が青龍を繰り出したのは御愛嬌だ。
終局まで残り3局で、暫定トップになった。南2局1本場に連荘するので、局が進まない。4人の点差は10,000点程度だ。誰が4位落ちするかまだ分からない。


結果は私が逃げ切った。
<発展形の類型-「四連形+暗刻と隣接牌+リャンメン」のヘッドレス形イーシャンテン形>
「イキりの福姫13」で、発展形の類型を取り上げた。

5巡目、上家が打8s → 67sでチー → 打8p。
メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分ける。
456m + 7m + 34p + 333s + 4s + 678s(チー)
4m + 567m + 34p + 333s + 4s + 678s(チー)
3メンツ+ターツ+2孤立牌で、ヘッドレス形イーシャンテン形だ。孤立牌の一方の周辺にはシュンツがある(456m + 7m、または4m + 567m)。もう一方の周辺には暗刻がある(333s + 4s)。
「四連形+暗刻と隣接牌+リャンメン」のヘッドレス形イーシャンテン形だ。
メンツと周辺の孤立牌が以下の構造を作るとき、雀頭+1メンツが生まれやすい(雀頭コンボとして便利)。
・暗刻と隣接牌
・四連形
・亜リャンメン
(反対に「飛び石形」(例、456m + 8m)「中ぶくれ」(例、4556m)の構造からは雀頭+1メンツを作りにくい。ヘッドレス形イーシャンテン形にはあまり役立たない構造だ)
→牌記号入力
4567m34p3334s
ドラ4s
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。


有効牌は7種25枚。完全イーシャンテン形(6種20枚)よりやや多い。
各有効牌のテンパイの経緯は割愛するが、いずれの牌でも好形テンパイする(リャンメン待ち、または多面張になる。テンパイの経緯は上掲の牌理ツールの分析図や、イキリの福姫13でご確認いただきたい)。
雀頭が生まれやすく、かつ崩れやすい構造の2組が互いを補完する。完全イーシャンテン形の応用・変形だ。ヘッドレス形イーシャンテン形に用いると、単騎待ちテンパイ(愚形テンパイ)を解消し、好形テンパイを確定できる。
<最後に-「暗刻と隣接牌+暗刻と隣接牌+リャンメン」のヘッドレス形イーシャンテン形>
最後に、今回の手牌の理想的な発展例を挙げよう。

4m + 555m + 666p + 7p + 34s + 678s
3メンツ+ターツ+2孤立牌で、ヘッドレス形イーシャンテン形だ。孤立牌が雀頭になるか、ターツがメンツになるとテンパイする。
今回、孤立牌の4m、および7pの周辺に暗刻があり、暗刻と隣接牌の構造が2組残った。これもヘッドレス形イーシャンテン形の発展形だ。
→牌記号入力
4555m6667p34678s
ドラ4s
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。


この手牌はイーシャンテン。有効牌は8種30枚。完全イーシャンテン形(6種20枚)の1.5倍ある。
各有効牌とテンパイへの進行を確認しよう。
ツモ → 打 → テンパイの待ち
3m → 7p → リャンメン25s
4m → 7p → リャンメン25s
6m → 7p → リャンメン25s
5p → 4m → リャンメン25s
7p → 4m → リャンメン25s
8p → 4m → リャンメン25s
2s → 打4m → 単騎7p + リャンメン58p
(2s → 打7p → 単騎4m + リャンメン36mも可)
5s → 打4m → 単騎7p + リャンメン58p
(5s → 打7p → 単騎4m + リャンメン36mも可)
好形テンパイする有効牌→8種30枚(3m、4m、6m、5p、7p、8p、2s、5s)
愚形テンパイする有効牌→0種0枚
好形テンパイ:愚形テンパイ≒10:0
(100.0パーセント:0.0パーセント)
3m、4m、6mではマンズで雀頭+1メンツが発生する。5p、7p、8pではピンズで雀頭+1メンツが発生する。雀頭が発生する牌が基本形より4種類多い。
2s、5sではメンツが完成し、2つある「暗刻と隣接牌」のいずれかを残し、多面張に進む。今回は単騎+リャンメンの変則三門待ちだ。
暗刻と隣接牌の構造は雀頭コンボとして強力に機能する。ツモ2s、5sの場合、愚形コンボ「青龍」の類型が2体現れ、いずれかを選んで顎を開く。
2024年は甲辰(きのえたつ)の年だった。私は1976年、丙辰(ひのえたつ)の生まれだ。朱雀の男、shinux255が辰年を青龍で締めくくろう。よいお年を。
(本稿終わり)