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イキりの福姫05-雀魂2024春の四半期

雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。

今回は2024/05/24の牌譜から事例を採集した(注、上のXの記事では日付が05/21だが、これは誤り)。

<東2局1本場>

炎上

10巡目、私が下家に放銃、7,700点(子30符4翻)。炎上。

<東3局>

大炎上

8巡目、私が下家に放銃、8,000点(子40符4翻)。大炎上。

満貫放銃を連発し、飛び終局の可能性が現れた。

_| ̄|○ ああ~っ

ズブズブの4位が南場も続く。

<南2局1本場>

<点数状況判断と押し引きの原則>

飛び終局の可能性が現れた場合、点数状況判断を行う。

1位 +43,100 満貫放銃で4位、飛び終局
2位 +19,000 満貫放銃で4位、飛び終局
3位 +7,300 満貫放銃で4位、飛び終局

1位 満貫被ツモで4位
2位 親満貫被ツモで4位+連荘
3位 満貫被ツモで4位

今回は自分が4位だ。満貫放銃すると対戦が終わり、逆転の機会はない。アガる機会は残り3回で、徐々に詰み筋に入った。

さて、他家がリーチした後、攻めるかオリるかの判断を「押し引き判断」という。ここを誤ると成績が伸びず、段位が上がらなくなる。

より広いケースの押し引き表(面前限定)

上ページのような、nisiさんの「押し引き表」などがあり、数理研究が進んでいる。他家がリーチした際の自分の状況を、多岐にわたって分析している。

「押し引き表」は一見面倒だが、判断はあまり複雑でない。

・自分がテンパイなら押す
・自分がノーテンならオリる(イーシャンテンはノーテンとみなす)

最初はこれでよい。初心者から段位が上がらない人は(雀魂では雀豪花1で定着できない打ち手)、このざっくりしたリスク管理を怠っている。

先制リーチは即座に打つ。他家にリーチを打たれたら、自分がテンパイかノーテンかを確認し、押し引きを決める。

シャンテン数の数え方は押し引き判断でも必要になる。中級者から上に行くには、イーシャンテンから押せる状況を知ることが必要だ。

<1巡目>

ツモ4m → 打中。

12m + 45m + 34p + 7p + 1s + 4s + 78s + 西西(+ 打中)

メンツが0個ある。トイツが1個ある。ターツが4個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(1 + 1 + 1 + 1 + 1)= 3)。

「配牌にメンツがあればリーチを狙う。メンツがなくとも、3巡目までにリャンメンターツが3個揃えばリーチを狙う。字牌から切っていく」と魂天の稚児さんは言った。

3巡目まででこの手牌なら、門前(メンゼン、副露を一切しないこと)でテンパイできる。ドラがないものの、5sや赤5m、赤5pをツモれば手牌で使える。リーチ・ドラ1・ツモ・裏1で満貫になる。

<3巡目>

ツモ6s → 打1s。

12m + 45m + 34p + 7p(+ 打1s)+ 4s + 678s + 西西

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが3個ある。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1 + 1)= 2)。

孤立数牌があるが、1sから切ろう。4sはドラの5sを拾って45678sを作れる。7pは6p、8pを拾って67p、78pを作れる。リャンメンターツが3個揃ったら12mを落としていい。

<4巡目>

ツモ8m → 打1m。

(打1m)+ 2m + 45m + 8m + 34p + 7p + 4s + 678s + 西西

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1)= 3)。

テンパイから遠ざかる、シャンテン戻しをした。

ドラがない手牌で、最悪ペンチャン3m待ちの愚形リーチのみになる(子30符1翻、1,300点以上)。7p、4s、8mからリャンメンターツを生み、せめて好形リーチのみを打ちたい(子30符1翻、1,300点以上)。

nisiさんの「押し引き表」を見直そう。好形リーチのみは追っかけリーチで打っても有利だからだ。リーチ宣言牌が無スジでもなお有利なのはありがたい。

序盤(捨牌1段目の終わりまで)では好形テンパイを狙ったシャンテン戻しが有効だ。反対に終盤(捨牌3段目の始まり以降)ではアガリを半ばあきらめ、テンパイ料収入を目指して愚形テンパイに決め打つ価値が高まる。

<6巡目>

ツモ赤5s → 打8m。

2翻キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

2m + 45m(+ 打8m)+ 34p + 7p + 4赤5s + 678s + 西西

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが3個ある。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1 + 1)= 2)。

4s + 678s の飛び石形に赤5sが埋まり、三門張が発生した。しかも赤5sはダブドラだ(赤5sは必ずドラになる。今回ドラは5sなので、赤5sはドラ2になる)。

この手は門前なら満貫に仕上がる。7,700点が確定だ(子30符4翻、リーチ・ピンフ・ドラ1・赤1)。ピンフの1翻にダブドラの2翻で、リーチが4翻の高打点になる。

<平和(ピンフ)の成立条件>

さて、手役の1つ、平和(ピンフ)の成立条件を挙げよう。手役の中で最も複雑だ。上のWikipedia記事から編集・転載する。

1、門前であること。すなわちチーをしてはいけない。

2、符のつかない面子で手牌が構成されていること。すなわち4面子すべてが順子であること(刻子や槓子があると成立しない。そのためポンやカンをしてはいけない(明刻や明槓が発生すれば不成立)。また、ツモのみで完成する暗刻や暗槓が発生しても不成立)

3、符のつかない対子が雀頭であること
(すなわち役牌が雀頭の時は平和にならない。役牌以外の字牌は符がつかないため可)

4、符のつかない待ち、すなわち両面待ちであること

符がつかない、平らな和了(ホーラ、アガリ)なので平和と言う。古くはピンホーと言ったらしい(天和(テンホー)、地和(チーホー)、対々和(トイトイホー)と同様)。

手牌はまだ門前だ(条件1は達成)。

4メンツ全てがシュンツになるだろう(条件2は達成)。

雀頭候補は西西のトイツで、自分は南場の南家だ。役牌のトイツではない(条件3は達成)。

シュンツの候補はいずれもリャンメンターツだ(条件4は達成)。

ピンフを確定させにいく。

<8巡目>

ツモ8p → 打2m。

(打2m)+ 45m + 34p + 78p + 4赤5s + 678s + 西西

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが4個ある(ただし4メンツ1雀頭の完成には、今回ターツが3個あればよい。4個目は不要だ)。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1 + 1)= 2)。

シャンテン数を数える際「抜き出せるブロックは最大5つまで。抜き出す優先順位は面子→対子→ターツ の順番」になる。

今回、ターツが1個過剰だ(いわゆる6ブロックの手牌)。リャンメンターツをどれか1組落とすことになる。

<9巡目>

ツモ9p → 打4p。

45m + 3p(+ 打4p)+ 789p + 4赤5s + 678s + 西西

メンツが2個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1 + 1)= 1)。

45mと34pとで迷ったが、34pを落とす。放銃率を下げるため、打4p → 打3pとする。

4m、赤5mをはじめ、マンズが序盤・中盤とまんべんなく河に出ている(しかも36mは切れていない)。他家はマンズを持っておらず、不要な可能性がある(もちろん333m、666m、と固め持ちした可能性もある)。ツモ山に残る可能性が高いのはマンズだろう(終盤になるとツモ山が少なくなるので、333m、666m、と固め持ちした可能性が高まる)。

他家の手牌を読むよりも、ツモ山に埋まった牌を読むほうがアガリやすい。

<11巡目>

ツモ東 → 打南。

45m + 789p + 4赤5s + 678s + 西西(+ 打南)+ 東

リャンメン+三門のイーシャンテンだ。有効牌は理論上5種19枚で、完全イーシャンテン形と互角だ(有効牌は1枚も河に切れていない)。

安全牌として自風牌の南を持てたが、現状1枚見えだ(生牌)。4枚見えの東がより安全だ(4枚見えの字牌が当たりうるのは国士のみ)。

<12巡目>

ツモ3m → 打東リーチ → 三門369s待ち。

対面のリーチに現物を打ってリーチを打てた。

この局単独で見れば、押し引きは押し有利だ。現物を打ってリーチを打てたので文句なしだ。もっとも、好形テンパイで追っかけリーチを打つなら、リーチ宣言牌が両無スジ456牌でも問題ない。

点数状況判断を加味すると、残り3局で4位のため、オリると4位が濃厚だ。4位のときは押すべし、になる。ただしアガリの機会は残り3回ある。

他家がリーチして、仮に自分がノーテンなら、オリて飛び終局を避け、残り2回でのアガリを粘る。飛び終了の確率を下げるためには、追っかけリーチよりも先制リーチが望ましい。

反対に、他家のリーチ直後にテンパイしたなら、アガリに賭ける。放銃(飛び終局)の抽選を受けるものの、ツモアガリと出アガリの抽選も受けられるので、押し有利になる。

放銃の抽選をタダで受けてはならない。他家のリーチに無スジを押して、ノーテンからテンパイを取りに行くと負ける(既にテンパイしてアガリを取りに行くのとはリスクが全く異なる)。

<15巡目>

上家が私に放銃、8,000点(子30符5翻)。

上家の親は形式テンパイを狙って、ワンチャンスの外側になった9sを押したようだ。

上家からは8sが3枚見えで、78sには比較的当たりにくい(数牌が3枚見えて、ターツを作りにくい状況をワンチャンスという)。また、無スジ19牌は無スジの中では放銃率が低い。しかし終盤はツモ山が残り少ないため、4枚目の8sが他家の手牌に渡った可能性が高まる。そのためワンチャンスの外側の9sは通常の無スジ19牌程度の放銃率になる。

ラス濃厚の詰み筋に入ったものの、逃げ道を1つ開いた。ただし以降の局で雑に打ってはならない。

(本稿終わり)


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