イキりの福姫21 補遺01-雀魂2024秋の四半期
「イキりの福姫21」で、くっつきイーシャンテン形の基本形について解説した。好形テンパイ:愚形テンパイ≒4:5で、愚形テンパイしやすい形だった。シャンポン待ちテンパイに進んだら、テンパイを拒否してリャンメン待ちを求めてもよい。カンチャン待ちテンパイに進んだら即リーチがよい、と主張した。
<備考、単騎待ちテンパイしたらどうするか-4赤56p周辺の好形変化>
さて、愚形テンパイの中には単騎待ちがあった。
ツモ → 打 → テンパイの待ち
1m → 7s(3s) → 単騎3s(7s)
くっつきイーシャンテン形では、雀頭が暗刻になり、残った2孤立牌のいずれかで単騎待ちへの進行がある。単騎待ちになったら慌ててリーチを打たない。ダマテンにして準好形テンパイへの手変わりを待つ。一般的に、単騎待ちからの好形変化は豊富だからだ。
ツモ → 打 → テンパイの待ち
7p → 3s(7s)→ リャンメン単騎47p(4p×3枚、7p×3枚)
6p → 3s(7s)→ リャンメン36p(3p×4枚、6p×2枚の亜リャンメン)
4p → 3s(7s)→ リャンメン47p(4p×2枚、7p×4枚の亜リャンメン)
3p → 3s(7s)→ リャンメン単騎36p(3p×3枚、6p×3枚)
上のような、4赤56p周辺の変化が典型例だ。シュンツの周辺牌をツモると、リャンメン単騎や亜リャンメンに好形変化する。純粋な単騎待ち(1種3枚)よりツモに期待できる。シュンツ1つにつき、周辺牌4種14枚で好形変化する。
シュンツが4つある単騎待ちテンパイからは、最大で16種56枚の好形変化がある(4種14枚×シュンツ4組)。約40パーセントの確率(56/136枚)での好形変化を捨てて単騎待ちに決め打つのは基本的に損だ(例外として、幺九牌単騎待ち、またはスジヒッカケの単騎待ちになったら即リーチでよい)。
今回の手牌ではシュンツが3つ、暗刻が1つある。
・4赤56p
・678m
・234m
・111m
それぞれのメンツの周辺牌をツモると、どのような好形変化になるだろうか。タケオしゃんの牌効率・牌理ツールで調べてみよう。
→牌記号入力
111234678m406p3s
ドラ2p
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。
ツモ1m→打7s→単騎3s待ちテンパイへ進めたとしよう。ここへツモ7p、6p、4p、3p・・・と試す。
全てを解説すると長くなるので、後日補遺の記事で述べたい・・・お待たせしました。以降はけっこう複雑だ。休み休み読むことをお勧めします。
<678m周辺の好形変化>
では、マンズの678mの周辺牌をツモったらどうか。
8m → 3s(7s)→ リャンメン58m(5m×4枚、8m×2枚の亜リャンメン)
ツモ8mでは基本的な好形変化だ。しかし・・・
9m → 3s(7s)→ リャンメン単騎69m(6m×3枚、9m×3枚)+ カンチャン5m
ツモ9mでは複雑で、変則三門待ちになる。メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分けよう。
111m + 234m + 678m + 9m(+ 4赤56p)
111m + 234m + 6m + 789m(+ 4赤56p)
1m寄りに111mのメンツを抜けば、4メンツ+孤立牌が現れる。まずは単騎9m待ちだ。孤立牌の9m周辺にシュンツの678mが隣接し、四連形の構造が生まれる。四連形からはシュンツのスライド現象を利用できるので、リャンメン単騎69m待ちになる。
11m + 123m + 46m + 789m(+ 4赤56p)
次に、111mではなく123mを抜いてみる。残った部分から抜けるメンツは789mだ。すると手牌全体は3メンツ+雀頭+ターツのテンパイ形に切り分けできる。カンチャン5m待ちだ。
暗刻とシュンツが隣接すると、メンツの抜き方が複数現れる。13枚の手牌全体にも切り分け方が複数生まれ、3種類のテンパイ形が並立する場合がある。いわゆる多面張だ。
・4メンツ+孤立牌
(単騎待ちテンパイ)
・3メンツ+雀頭+ターツ
(リャンメン、カンチャン、ペンチャン待ちテンパイ)
・3メンツ+トイツ+トイツ
(シャンポン待ちテンパイ)
今回は「4メンツ+孤立牌」、「3メンツ+雀頭+ターツ」の2種類のテンパイ形が並立した。
ツモ6mも見よう。
6m → 3s(7s)→ リャンメン69m(6m×2枚、9m×4枚)+ カンチャン5m
111m + 234m + 6m + 678m(+ 4赤56p)
まずは111m、234mとメンツを抜く。手牌全体を切り分けると、4メンツ+孤立牌で、単騎6m待ちテンパイ・・・となりそうだが、周辺に678mのシュンツがあり、6678mの亜リャンメンの構造が発生する。手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツに切り分けできてもテンパイだ。6678mを66m+
78mに切り分け、リャンメン69m待ちだ(ただし待ちは最大で2種6枚)。
11m + 123m + 46m + 678m(+ 4赤56p)
次に123mとメンツを抜く。残った部分から抜けるメンツは678mだ。すると手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツのテンパイ形に切り分けできる。カンチャン5m待ちだ。
ツモ5mも見よう。
5m → 3s(7s)→ 三門単騎258m + 三門369m
111m + 234m + 567m + 8m(+ 4赤56p)
111m + 234m + 5m + 678m(+ 4赤56p)
111m + 2m + 345m + 678m(+ 4赤56p)
1m寄りに111mのメンツを抜けば、手牌全体を4メンツ+孤立牌に切り分けられる。まずは単騎8m待ちだ。8mにはシュンツの567m、さらに234mが隣接するので、四連形の構造が連鎖的に生まれる(七連形)。四連形の連鎖からシュンツのスライド現象が連鎖し、三門単騎258m待ちだ。
11m + 123m + 456m + 78m(+ 4赤56p)
11m + 123m + 45m + 678m(+ 4赤56p)
次に、111mではなく123mを抜いてみる。手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツに切り分けられる。78mに456mが隣接し、三門369m待ちだ(念のため45mに678mが隣接するとも見よう。結果は同じだ)。
ツモ5mでは六門待ちの超多面張になる。9mでアガれば一気通貫がつく(一気通貫は門前で2翻、副露で1翻)。子跳満ドライバーを狙える(子20符6翻、ピンフ・ツモ・リーチ・赤1・一気通貫)。一発と裏1がついて子倍満ドライバーの夢まである。
好形テンパイが豊富な上に、打点上昇の変化まであるなら、変化を捨てて単騎待ちに決め打つのは損だ。
<234m周辺の好形変化>
では、マンズの234mの周辺牌をツモってみよう。5mについては先ほど紹介したので割愛する。ツモ4mを見よう。
4m → 3s(7s)→ リャンメン14m(1m×1枚、4m×2枚の亜リャンメン)
111m + 234m + 4m + 678m(+ 4赤56p)
まずは111m、234m、678mとメンツを抜く。孤立牌の4m周辺に234mのシュンツがあり、2344mの亜リャンメン待ちが発生する。ただし111mの暗刻が隣接するため、残り3枚の愚形テンパイだ。単騎待ちと大差がない。
4m → 3s(7s)→ シャンポン11m + 44m
11m + 123m + 44m + 678m(+ 4赤56p)
次に123m、678mとメンツを抜く。手牌全体としては3メンツ+トイツ+トイツのテンパイ形に切り分けられ、シャンポン11m + 44m待ちが発生する。こちらも残り3枚の愚形テンパイだ。亜リャンメンと待ちが重複し、テンパイの待ちが増えない。
今回は「4メンツ+孤立牌」、「3メンツ+トイツ+トイツ」の2種類のテンパイ形が並立した。
ツモ4mの場合では単騎待ちと同等で、かつ多面張もないため、ほぼ無意味な変化だった。しかし、メンツの抜き方が複数ある場合、それぞれを試すことだ。無意味だったと分かることは発見だ。切り分け方の1つを除外できたからだ。それに、少し条件が変われば有意味な変化があるのではないか? この根気が有効牌の見落としを予防し、テンパイを早める。今回の手牌は清一色もどきで、有効牌の網羅が難しい。メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分け、メンツの抜き方を複数試す。基本を漏れなく実行しよう。
ツモ2mも見よう。
2m → 3s(7s)→ リャンメン25m(2m×2枚、5m×4枚の亜リャンメン)+ カンチャン3m
111m + 2m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
まずは111m、234m、678mとメンツを抜く。孤立牌の2m周辺に234mのシュンツがあり、2234mの亜リャンメン待ちが発生する。111mの暗刻が隣接するものの、リャンメン待ちのスジは25mなので、待ちの牌は減らない。
11m + 123m + 24m + 678m(+ 4赤56p)
次に123m、678mとメンツを抜く。手牌全体としては3メンツ+雀頭+ターツのテンパイ形に切り分けられ、カンチャン3m待ちが発生する。
ツモ1mも見よう。
1m → 3s(7s)→ リャンメン単騎14m(1m×0枚、4m×3枚)
111m + 1m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
111m、234m、678mとメンツを抜く。孤立牌の1m周辺に234mのシュンツがあり、四連形の構造が生まれてリャンメン単騎14m待ちになる。ただし111mの暗刻が既にあるため、残り3枚の純粋な単騎待ちになる。
111m + 123m + 4m + 678m(+ 4赤56p)
念のため123m、678mとメンツを抜くが、残った部分から抜けるメンツは111mだ。孤立牌の4m周辺に123mのシュンツがあり、四連形の構造が生まれてリャンメン単騎14m待ちになる。待ちの牌は特に増えない。
<111m周辺の好形変化>
最後に111mの周辺牌をツモってみよう。
まずはツモ2mだ。先ほど234m周辺のツモとして紹介したが、改めて取り上げよう。
2m → 3s(7s)→ リャンメン25m(2m×2枚、5m×4枚の亜リャンメン)+ ペンチャン3m
11m + 12m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
孤立牌の2mの周辺には111mの暗刻があり、暗刻と隣接牌の構造が発生する。13枚の手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツに切り分けてもテンパイだ。暗刻と隣接牌の111m + 2m を11m + 12mの雀頭+ターツに切り分けて、ペンチャン3m待ちが発生する。
111m + 2m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
次に111m、234m、678mとメンツを抜く。孤立牌の2m周辺に234mのシュンツがあり、2234mの亜リャンメン待ちが発生する。111mの暗刻が隣接するものの、リャンメン待ちのスジは25mなので、待ちの牌は減らない。
最後はツモ3mだ。
3m → 3s(7s)→ 単騎3m + リャンメン25m
11m + 13m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
孤立牌の3mの周辺には111mの暗刻があり、暗刻と隣接牌の構造が発生する。13枚の手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツに切り分けてもテンパイだ。暗刻と隣接牌の111m + 3m を11m + 13mの雀頭+ターツに切り分けて、カンチャン2m待ちが発生する。
111m + 3m + 234m + 678m(+ 4赤56p)
次に111m、234mとメンツを抜く。孤立牌の3mが残り、原則的には単騎3m待ちだ。
孤立牌の3m周辺には234mがあるものの、33m + 24mのカンチャン3m待ちに分け直せるだけだ。単騎待ちテンパイから中ぶくれの構造が生まれた場合、好形変化ができないと分かる(中ぶくれの構造は手牌に雀頭がある場合に強力だ)。
11m + 123m + 34m + 678m(+ 4赤56p)
最後に111mではなく123mを抜いてみる。残った部分から抜けるメンツは678mだ。手牌全体を3メンツ+雀頭+ターツのテンパイ形に切り分けられる。リャンメン25m待ちだ。
長くなったが、これで全てを網羅できた。
<本題から離れるが-単騎待ちからの手変わりの事例>
過去に「イキりの福姫04 補遺01」で、単騎待ちから準好形テンパイへの手変わり待ちについて解説した。<(ツモ1s → 打7s →)ツモ3s → 単騎6s待ちからの好形変化>の節で述べている。単騎待ちからの好形変化が多彩にある別の事例だ。発展的な学習をしたい方はご覧いただきたい。
今回の「単騎待ちからの好形変化」には多面張が多数現れる。清一色もどきの手牌なので、有効牌の網羅が難しい。メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分け、メンツの抜き方を複数試す。基本を漏れなく実行しよう。この根気が有効牌の見落としを予防し、テンパイを早める。
<多面張は理論化されている-01さんの「多面張理論」>
多面張を見つける技能は、雀傑から雀豪へ、雀豪から雀聖へ、と昇段するために避けて通れない。ビンゴゲームは抽選をただ待つだけのゲームだが、麻雀の手作りには若干の主体性がある(もっとも、麻雀は抽選を待つことが大部分を占めるゲームだ)。
多面張は理論化されている。01さんの「多面張理論」に全てがまとまっている。メンツ→トイツ→ターツの順に手牌を切り分け、メンツの抜き方を複数試す。基本を漏れなく実行しよう。
(本稿終わり)