イキりの福姫24 補遺01-雀魂2024冬の四半期
雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。
「イキりの福姫24」で「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」の事例を紹介した。
今回は同様の事例を繰り返し紹介する。このイーシャンテン形をあらかじめ知り、手牌の成り行きで自然と進めば、私に限らず打ち手は得をする。模範的な手作りということだ。
決まった型を繰り返し見る。実際に牌を並べ、ツモ → 打 → テンパイの待ち、と進める。頭の中だけで考えると分かりにくいが、手を動かしながら考えると記憶に残りやすい。
何かを教えてるんだ。やってみよう-蛇拳の套路
ここで昔の映画を紹介する。カンフー映画「蛇拳」(1978年)だ。中国武術の練習では決まった動作を繰り返す。これを「套路(とうろ、タオルー)」と言う。
套路は単なる型練習ではない。「連続的な攻撃方法、防御方法、立ち方(站椿法(たんとうほう)、姿勢)、歩き方(歩法、走法)、呼吸法、運気法(気功)などを総合的に盛り込んだ一連の身体動作」で、型の動きを部分的に使ったり、応用・変形させる。
型を繰り返す。すると考えるまでもなく、体が自然と蛇拳の套路を繰り出す
映画「蛇拳」では、主人公の簡福(注1)が蛇拳の套路を練習する。最初は一挙手一投足を考えていたが、数をこなした結果、考えるまでもなく体が自然と蛇拳の套路を繰り出すまでになる。
(注1、広東語(香港の標準語)ではガンフー、普通話(中国政府が定めた中国語の標準語。中国北方の方言を元に作られた)ではチェンフーと読む。簡福役の俳優はジャッキー・チェン)
2025年は巳年だ。蛇拳よろしく「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」の型練習をしてイキってみよう。
<暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形01>
暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形01
(【天鳳/麻雀】齋藤プロに教えてもらう!【ルイス・キャミー/にじさんじ】、2020/04/26に生放送)
得をする打ち手の1人が、神域リーグでおなじみのルイス・キャミーだ。この頃は雀士花3のようで、有効牌を即座に見つけられない、初々しい様子だ。ルイスはヘッドレス形イーシャンテン形に気づかず、牛さん(注2)に弟子入りした最初の勉強会でテンパイの経緯を教わる。
(注2、「牛さん」は麻雀実況をするVtuber。第13代天鳳位 gousi、日本プロ麻雀連盟 齋藤豪プロ。北海道出身で、実家が牧場を経営しているらしい。自身のYoutube麻雀実況で、1位を取ると「放牧」、4位に落ちると「出荷(その後屠殺)」と呼ばれる。放牧するとブーイング。出荷されると視聴者からスーパーチャット(投げ銭、200円のおひねりが多い)が乱れ飛ぶ)
上掲の動画で出た手牌を確認しよう。牛さんはツモ北 → 打8mを推奨した。打8mとして、メンツ → トイツ → ターツの順に手牌を切り分ける。
567m + 23p + 78p + 789s + 北北北
メンツが3個ある。トイツが0個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 - (2 + 2 + 2 + 1 + 1)+ 1 = 1)。3メンツ+2ターツで、ヘッドレス形イーシャンテン形の発展形だ。2メンツ+暗刻+リャンメン+リャンメンの構造があり、「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」だ。
<テンパイの経緯01>
テンパイの経緯を確認しよう。
ツモ → 打 →テンパイの待ち
2p → 3p → リャンメン69p
3p → 2p → リャンメン69p
7p → 8p → リャンメン14p
8p → 7p → リャンメン14p
ツモ2p、3p、7p、8pでは、孤立牌から雀頭が発生し(一方のリャンメンターツが雀頭に変化し)、残ったリャンメンターツでテンパイする。
ツモ → 打 →テンパイの待ち
1p → 北 → リャンメン69p
4p → 北 → リャンメン69p
6p → 北 → リャンメン14p
9p → 北 → リャンメン14p
ツモ1p、4p、6p、9pでは、一瞬4メンツが完成するものの、暗刻の北北北をトイツの北北(雀頭)に変え、リャンメンターツを残してテンパイできる。単騎待ちにはならず、好形テンパイが確定している。
<タケオしゃんの牌効率・牌理ツールでも確認01>
受け入れはこれで全てだろうか。タケオしゃんの牌効率・牌理ツールで確かめよう。
牌効率・牌理ツール
(開発・運営 第6代天鳳位 タケオしゃん)
→牌記号入力
567m2378p789s444z
ドラ3p
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。
この手牌はイーシャンテン。有効牌は8種27枚。枚数は完全イーシャンテン形(6種20枚)よりやや多い。
決まった型を繰り返し見る。実際に牌を並べ、ツモ → 打 → テンパイの待ち、と進める。頭の中だけで考えると分かりにくいが、手を動かしながら考えると記憶に残りやすい。
まだ数をこなしていない。最初は一挙手一投足を考えているだろう。
<暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形02>
暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形02
(【天鳳/麻雀】齋藤プロに教えてもらう!【ルイス・キャミー/にじさんじ】、2020/04/26に生放送)
ルイスは再び同じ構造のイーシャンテンに進んだ。「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」の有効牌をなんとか網羅していく。
上掲の動画で出た手牌を確認しよう。ルイスは468mのリャンカンチャンを残しており、上家が打7m → 68mでチー → 打4mと進めた。メンツ → トイツ → ターツの順に手牌を切り分ける。
34p + 67p + 222s + 456s + 678m(チー)
メンツが3個ある。トイツが0個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 - (2 + 2 + 2 + 1 + 1)+ 1 = 1)。3メンツ+2ターツで、ヘッドレス形イーシャンテン形の発展形だ。2メンツ+暗刻+リャンメン+リャンメンの構造があり、「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」だ。
<テンパイの経緯02>
テンパイの経緯を確認しよう。
ツモ → 打 →テンパイの待ち
3p → 4p → リャンメン58p
4p → 3p → リャンメン58p
6p → 7p → リャンメン25p
7p → 6p → リャンメン25p
ツモ3p、4p、6p、7pでは、孤立牌から雀頭が発生し(一方のリャンメンターツが雀頭に変化し)、残ったリャンメンターツでテンパイする。
ツモ → 打 →テンパイの待ち
2p → 2s → リャンメン58p
5p → 2s → 三門258p
8p → 2s → リャンメン25p
ツモ2p、5p、8pでは、一瞬4メンツが完成するものの、暗刻の222sをトイツの22s(雀頭)に変え、リャンメンターツを残してテンパイできる。単騎待ちにはならず、好形テンパイが確定している。
なお34pと67pは5pを取り合う関係で(二度受け、受けかぶり)、「イーシャンテン形01」と比べ、有効牌が1種4枚少ない。
<タケオしゃんの牌効率・牌理ツールでも確認02>
受け入れはこれで全てだろうか。タケオしゃんの牌効率・牌理ツールで確かめよう。
牌効率・牌理ツール
(開発・運営 第6代天鳳位 タケオしゃん)
→牌記号入力
3467p222456s
ドラ4s
→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。
この手牌はイーシャンテン。有効牌は7種24枚。枚数は完全イーシャンテン形(6種20枚)よりやや多い。
決まった型を繰り返し見る。実際に牌を並べ、ツモ → 打 → テンパイの待ち、と進める。頭の中だけで考えると分かりにくいが、手を動かしながら考えると記憶に残りやすい。
単純なことを馬鹿にせず、数をこなした。次に何をツモればテンパイか、事前に分かった。有効牌の数は完全イーシャンテン形よりやや多いと気づく。
<最後に-型を覚えて終わりではない>
「暗刻があって雀頭がない、ヘッドレス形イーシャンテン形」を型練習した。ただしこのイーシャンテン形さえ覚えれば完成ではない。この型の動きは応用・変形できる。
次回は「補遺02」を出そう。上図の形をさらに発展させ、有効牌を増やしていく。どこに発展の余地があるのか? 蛇拳では蛇の頭を真似た手の構え「蛇形手」を作る。こちらは雀頭拳の「雀頭手」でイキっていく。
(本稿終わり)