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【雑感】VTuber界における2人のゲームチェンジャーについて

※散歩しながら雑に考えていたことを書き起こします

バーチャルYouTuber(以下、VTuber)の世界も、その元祖ともいえるキズナアイの5周年をもって5年という年月を経たということになる
このわずかの間にこの業界はものすごいスピードとダイナミズムで変化・発展してきた
私はVTuberをめちゃくちゃ見てる、というわけでもないが、2017年12月のVTuberブーム以降なんとなしに眺めている分でも業界の変化は中々面白く、または感傷的になるようなものもあったりする

そしてVTuber業界の重要なファクターやアクター(V)が数多く存在する
もちろん挙げたらキリがない
概念を最初に唱え活動を始めたキズナアイ、
「業界化」したきっかけであるVTuberブーム火付け役の(5人で)四天王、
以降、企画や新たな試みを数多くの企業勢または個人勢が取り組み界隈を盛り上げ面白くしてきた
企業もたくさん参入し、盛者必衰、事務所も数多く、3D勢、2D勢、中身を明かすタイプなど形態も様々だ
また、VTuberという概念を超え、VライバーやVSinger、Vブロガーなど活動形態も変化してきた

さて、どの業界にもこれまでの情勢や決まりを一転させる
ゲームチェンジャー」が存在し、VTuber業界も例外ではない。
それは見方次第で数多く存在すると思うが、
このnoteでは超有名な2人だけを上げて、思い出とともに軽く振り返ってみようと思う。
(つまり事実確認レベルの話になる)
それは月ノ美兎桐生ココである

月ノ美兎

月ノ美兎は、VTuberブーム黎明期で指数的にVが増える中、2018年2月に
2D企業勢「にじさんじ」としてデビュー。
デビューしてすぐ話題になり、私も衝撃を受けた。
どのくらい話題になったのか、とかは省略するとして、どうゲームチェンジしたのか?
それは、「コンテンツの重心を変えた」ということ

それまでは3Dがメインで、VR世界とのつながりだとか、新しい未来館のある技術だとか、そういった空気が見る側にもあったし
四天王なども、技術メインかキャラクターの演者に徹するような印象だった
アニメキャラクター的な振る舞いが主、ともいえるか、中の人が声優出身の場合が多かったのもあるだろう。
さらに当時は配信はほぼなく(定期配信はあったが)、動画コンテンツがメインだった

月ノ美兎は一転、2Dで、生配信メインで、口を開けば濃すぎるサブカルトークが飛び出し、謎ゲーム実況はやるし…明らかに他の3D企業勢とは違う姿勢かつ2D個人勢とは一線を画したコンテンツ力を持っていた
まとめ動画がニコ動で上がるとすぐさま話題になりにじさんじ1期生の話題で持ちきりになった思い出。
タブーにツッコめば、月ノ美兎はニコ生出身でも声優出身でもない素人で、それゆえの友人のような親近感というのも大きかったと思う

(追記:ここからですます口調で書きます)

要するに、
「VTuberで求めるものは技術よりなにより本人のコンテンツ力が大きい」
ことを決定づけて、さらに
「生配信+切り抜き」を業界の主流にしていった大本だともいえます
なにより、2Dで生配信メイン(=配信者)のVTuberが大量にデビューしてきて、徐々に配信者スタイルのVTuberが優勢になり、現在のVTuberの状況にもつながっています
よくある、VTuber=絵が動いてる配信者(悪口でいえば絵畜生)のイメージにもつながっているともいえるでしょうか

配信スタイルを盛り上げたVや、動画スタイルで頑張り続けているVはもちろん他にたくさんいるわけですが、
ゲームチェンジをしたインパクトを起こした張本人、という意味で月ノ美兎はゲームチェンジャーだと思うわけです

桐生ココ

桐生ココは2019年末にホロライブ5期生としてデビュー。
朝ココに代表されるような企画、アメリカ人であることを活かした英語圏向けの配信等たちまち人気になったVTuberです

こちらも端的にゲームチェンジのポイントとしては
「VTuberの海外への波及力をめちゃくちゃ上げた」ことでしょう

海外へのアプローチ、というのはキズナアイの頃からあります
というのも、キズナアイは海外からの視聴者がそもそも多い経緯がありますし、ミームになってバズったこともあります
他にも、中華圏は日本と時期を同じくしてVTuber文化が花開き、国産勢も日本勢も人気を博していました
にじさんじも海外向けグループを展開させてましたし、やはりアニメコンテンツというのはグローバルとの相性がいいと言えます

ただ、2019年までのVTuber界隈はどうも海外側からは日本でのコアなコンテンツという感じだったらしい(英語の記事で読んだ)
その理由には、海外のファンダムが上手く育っていなかったことと、向こうのアニメオタク系コミュニティに上手くフィットしてなかったことがあると思うんですよね

そこに、桐生ココが登場。
海外のミーム文化やスラングの多用、過激な英語を使いまくったりアイドルと思えない過激さもあいまって海外圏で人気が爆発します
ファンダムはRedditにホロライブ公式掲示板があり、それを介してファンとVとの交流が行われました
また、海外翻訳の切り抜きやミームの量産によって、VTuberファン以外にもコンテンツが知れ渡り、ホロライブおよびVTuberの海外における認知度と影響力が格段に上がりました

海外メディアのVTuber記事を読むと、桐生ココの登場あたりから
日本(およびアジア)の外、特に英語圏にVTuber文化が拡大していった(という認識がある)ことが分かります(下記はブラジルの記事)

そして現在

そんなゲームチェンジャーである2人の今。
私も全部が全部追っていませんが、アンテナに引っかかる部分だけでも紹介しましょうか。

月ノ美兎のメジャーデビューアルバムの発表は、ファンやVTuber界隈の人だけでなく、音楽好きの人々も驚かせました

列挙はしませんが、これだけの作家陣を楽曲提供者に抜擢し、一つのアルバムに入れるということはもう感服するしかないのですが、
これだけの濃さをもってしても「月ノ美兎」のイメージ通りになる、というのは、彼女のキャラクターの強さたるや、と言いましょうか。
今も変わらずにじさんじ事務所の代表格の一人として配信を続け、人気を保ち続ける姿はエンターテイナーとしての強度を感じます
デビュー当初の濃さまではないかもしれませんが、根本は変わってないんだなと見るたび感じます

そして、桐生ココ。
恐らくVTuberを知る人ならご存じの通り、2021年7月1日付で卒業となりました。
ここでやはり触れるべきは、2020年9月ごろにあった、「YouTubeのアナリティクスで台湾を読み上げた」ことが引き金となった荒らしからの粘着問題でしょう
グローバルに広がる、ということはそれ相応のリスクが付きまとう、といえば簡単ですが難しいものです。
昨今の米中関係悪化や、そもそものホロライブ事務所の不手際が重なった結果でもあり、本人に責任を求める問題ではないように思います
ただ、荒らしが本当にひどく、タグや配信コメントは見てられないものになり、脅迫や特定活動までされているようです。
恐らく卒業理由にも絡んでくることではありますが、そんな中でも半年以上企画を動かし続け、事務所内のハブとして動き続けたのは凄みしかないでしょう
正直いつ辞めてもあの件のせいと言われたでしょうし。3週間の猶予があったことは卒業の仕方としてよかったと感じます

さいごに

今回の2人以外にももちろん偉大なVTuberが多くいらっしゃり、そうした軌跡はVTuber界隈だけでなく、いちコンテンツメイカーもといエンターテイナーとして語り継ぐべきものだと思います。

良いニュースもあれば悪いニュースもあり、毎日のようにイベントがあるような過密なコンテンツではありますが、
そんなVTuber界隈の今後がどう変化していくのか、私は楽しく眺めています

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