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【ライブレポ】長瀬有花1stバースデーオ ンラインライブ2022 「Alook」

・これまでのあらすじ
長瀬有花のアルバムが良い
→ライブやるなら見て見るか(3500円…)
→こりゃ凄いものを見た

このライブアーカイブを観るのは2回目(+見返した回数)
ライブを見ながらレポを書く、ということをしてみた
思ったことを

レポ本編

はじまり

最初の待機では時計が映されており、時々長瀬さん(3次元空間の姿)と思わしき影が後ろの方に現れる

開始時間になると、このカメラを持ち上げるような動きがあり、
POVでどこかしら連れていかれる
しばらくすると教室の入り口が現れ、中に入っていく

放送中のランプが付き、長瀬さんが現れ最初の曲へ。

1曲目:「fake news」

作詞作曲:歩く人、まさにな、音づかいに個性を感じるエレクトロポップ曲
カラーバーのテレビが積み上げられたステージを背景に、架空のワイドショーのセリフが流れる、ぴったりだ

アルバムの1曲目としても最適な曲だったが、ライブで流れるとその意味性が増す
この曲の歌詞内では、現実ではあり得ないニュースが読み上げられるが
現実のニュースも大概「あり得ない」ことが「あり得てしまう」世の中で、それを体現した巧みな曲だ

2曲目:「ライカ」

ここで後ろのテレビが宙に浮き半無重力空間のようになる
演出の凝りように初見時は期待がぐっと高まった
異空間の演出としてGood

ベッドルーム音楽的ダンスチューン…?違うかも
最近話題のmeiyoさんの別名義ワタナベタカシ氏が提供した曲らしい

3曲目:「オドループ」(カバー:フレデリック)

短いMCを挟んでフレデリックのカバーを披露。ここで制服のみとなる
現在長瀬有花の動画の中では一番再生数が多いからここで来るのも納得
でもいきなり耳馴染みのイントロが流れるとビックリする
キャラクターの表情が豊かなのも印象深い
オドループのあのダンスをおどる長瀬さん

4曲目:「YONA YONA DANCE」(カバー:和田アキ子)

フレデリック2連続でビビる
こう改めて聴くと、Future Funkな曲だなぁ
なんで和田さんに歌わせたんだろう…
ベースラインが良い曲だ

フレデリック2曲か~と思ったが、結構自然な流れになっていたし
夜の教室で踊れるアッパーチューン、となれば相応しい

5曲目:「ハイド・アンド・ダンス」

和のようなアレンジが特徴的なこの曲。
アルバムだと「とろける哲学」の後なので、緩さから一気にアップテンポになり若干の違和感が生まれるんだけど、このステージングに曲目でくるとすごくピッタリになる

6曲目:「駆ける、止まる」

この曲に入る前にMC
楽しんでますか?、とか、もうすぐ朝になりますと話をし
次元融合装置を発動、って言いだしてどゆこと?と思ったら
支援したユーザ(?)がアイテムとしてステージに具現化されるみたい
新衣装に変わり、ステージの雰囲気も変わる

ここでの演出がすごかった

前から好きな曲だけど、この流れで聴くと
彼女の世界観を体現した曲なのだなと。
最初のオリジナル曲でこの曲が出せるのは本当にすごい

7曲目:「水星」(カバー:DAOKO)

tofubeats!
公式レビュー記事によればDAOKOのカバーとなるのね
DAOKOの歌声との親和性は確かにありそう

キャラクターの設定は10代だけど、えらく社会人目線の曲を歌うなぁ(会社で接待 狭い世界、ですからね)

8曲目:「琥珀色の街、上海蟹の朝」(カバー:くるり)

MC。朝も明けてきましたとのこと
MCがずっとセリフ読み口調なのが、ライブというより舞台やミュージカルのよう
で、朝の曲。ステージも朝焼けのごとく明るくなっていく
前の曲から続いて、アダルト目線の曲

だんだん明るくなり、外から光が差す

この曲もカバーとして人気だよなぁ
くるり好きだから出たときから知ってはいるけど、いつも間にか流行っていて驚いた

9曲目:「とろける哲学」

ピアノの貴重の軽やかでゆるいポップソング
確かに朝、もしくは午前中っぽい曲だ
一気に子供っぽくなる
この曲での歌いっぷり、目が増してパチって開いてる

10曲目:「空耳ケーキ」(カバー:Oranges & Lemon)

あずまんが大王のオープニングで有名ですね
そういやバースデーライブだったと思い出させる誕生日要素

じっくり聞くと音楽性も歌詞もめちゃくちゃ不思議な曲だな~
オリジナルを聴きたくなった

11曲目:「かたどられたばしょ」

曲前にMC。作曲は
漂流次元教室の時間軸がみなさまの次元に近づいてきている、らしい
「あなたの次元に顕現することによって永遠を失う」、すごい表現だ
要は2次元表現だけのVSingerだけじゃなくて3次元の生身でも活動するよ、という話(たぶん)
ここのコンセプトがしっかりしてる

そして新曲「かたどられたばしょ」。作曲はサ柄直生
これまでの曲の中で一番エッジのある曲
グリッジがこれでもかと入る
エレクトロニカ方面に全く語彙を持ち合わせてないけども、サウンドの使い方・入れ方・ノイズ…早くMV付か配信かで聴きたい
同じ方向性でいえば、宝鐘マリンの「Unison」も近いか
サブカルチャーのこの交差具合とてもいい

12曲目:「異世界うぇあ」

ステージがオレンジの3DCGの輪郭みたいなものに変化し、次元の狭間にいるかのような空間になる

曲の中に「裸足のままで」「素直でいさせて」とある通り、
ありのままの自分を表現することへの決意が表れている

この後、カメラが教室の外へと移動し真っ暗に。
「」

昔のPCを思い出す画面。OKを押して次元をローディングする
Boot画面。起動のオプション画面みたいなやつよね

ここで3次元…現実空間に移り、
体育館のような場所にバンド(ギター・ベース・ドラム)と
3次元の姿の長瀬さんが現れる

体育館のステージに上がり、アコースティックギターを手にする長瀬さん

13曲目:「ずるいよね」

長瀬さんがアコースティックギターを持ち、「ずるいよね」へ。
現実社会での自身のやるせなさを率直な言葉で歌った歌。
アルバムにもし入ってるとかなり浮いただろうから、入れなくて正解かな
次のアルバムとかで入ったりするのか

やっぱりバンドサウンドは良いものですよね
聴いてるだけで幸せ

14曲目:「新宝島」(カバー:サカナクション)

この曲も、音楽もそうだしMVもドリフのパロディなあたり80年代リバイバルな楽曲なんですよね
長瀬さんのテーマと合う

15曲目:「オレンジスケール」

この曲がバンドサウンドで聴けるってだけで、チケット買ってよかったと思います
原曲に加え、ギターソロのアレンジが加わってる
いよわ氏による、最高の一曲

長瀬さんめっちゃ動くから、カメラワークにひやひやする(顔が上手く映らないように調整されている)

エンディング:「駆ける、止まる(2)」

エンディングに「駆ける、止まる(2)」。
曲に合わせてエンドロールが上手く対応しているので、もうここだけ切り取ってMVにしてほしいくらい(実際は別に作られている)

ひとつひとつのエフェクト、VHSのような編集、すべてこの曲とうまく対応しており、まるでこのエンディングとして書かれたかのように思ってしまうほどだ

ダンスチューンとしてアップデートされた部分が、よけいこのライブの余韻を増強させる

総括

感想

ホンマに生ライブなんか…?ってくらい、
一つの作品としての完成度が高いライブだった
限られた予算の中で最大限のクリエイティビティが、ステージのつくりからリアルタイム編集から、長瀬さん当人のパフォーマンスからすべてに至るまで
ミスなど一つもなかったしね、それも凄い
作品としてのライブ配信、という点ではサカナクションによるオンラインライブとつながる部分を感じた

テーマ性について

テーマ性は「80年代リバイバルや平成レトロ」がベースにあるのは確かだが
そこに3D空間やトラッキング等の現代的技術また次世代的なポップスによって再構築されることによって、独自で新しいものを提示している
ノスタルジア消費も3DやVR・VTuberなどもサブカルのトレンドではあるが、ただパロディをするわけでなく、自身の世界観構築へのピースに出来ている時点で他と一線を画している

次元を超越する(2次元と3次元両方での表現)ことについて

次元を超越する、バーチャルとリアルの融合なども目新しいわけではない
しかしながら、このライブでは次元をつなぐ「意義」が強調されていた
VTuberは当初こそアニメキャラクターのような普遍性をもってして迎えられたが、生配信勢などの台頭により、逆に「キャラクターの唯一無二性」が魅力として再認識されていく
そうなれば、キャラクターとしては不変なのに演じる人(”魂”)が変わったり死んでしまえばもう別物となる
VTuber/VSinger文化において共有されているこの矛盾のような概念を受け入れ、表現の幅を増やす方に向かっているのもまた昨今のV界隈の傾向だろう
その一つの選択肢/表現として、長瀬さんのような活動はしっくりくるし今後当たり前のものとなっていきそうだ

色々述べたけど

アーカイブのDVDもしくはVHSなどによる販売が強く待たれる

もしリアルでライブする場合はぜひ全曲を生音のバンド編成で聴きたい
生音に映える曲がオリジナル曲にもカバー曲にもあるので期待したいところ

参考


補足・蛇足パート

2次元と3次元の両立をするVTuberといえば、
バーチャルガールズグループ「VARIS」が生身でのパフォーマンスを行った事例や、おめシスが度々顔から下を生身の姿で登場するなど最近増えているV活動の傾向の一つである
そもそも生身の配信者の人が自分のアバターとしてバーチャルになることも多いので、この辺りの違和はますます薄れていきそう




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