天災少女
復帰 第一段の話は、彼女の現在から。
2月下旬彼女がいきなり「なつめさん、私 家を出て下宿することにしましました。」と報告。
「わかりました。では、お家賃 いくらかは出しなさいよ。」
「え、まだここに住むとは言ってませんが。」
「では、違うの?」
「いえ、その通りです。パパもなつめさんの処なら安心できるからと言って許可してくれました。」
「一つ聞いていいかな。私の意思は関係ないの?」
「・・・・。忘れてました。」
「まあいいけどね。もう大人の女性として、しっかりとしたけじめをつけて行動してね。それが守れるなら歓迎するよ。」
「ありがとうございます。じゃあ明日、荷物運びますね。」
(すべて 想定内だったようで、用意周到だ。)
曰く物件だった我が家 部屋数だけは多いので、今までPC専用ルームだった部屋(8.5畳)が正式に彼女の部屋になった。
今まで少しづつ荷物を持ってきていたせいもあって、引っ越し作業は小1時間で終了した。
それから1週間後のよく晴れた日、彼女は布団を干したくなったのか私の部屋のベランダにそれを干しに来た。
それもIPhone片手に。嫌な予感はしていた。
案の定 前方不注意で私の机に激突。その時持っていた布団がPCに引っかかり彼女の足へ落下。PCの角が彼女の足の甲にめり込む。それと共に鈍い音。ネコさん達がその音で逃げ惑う。
片付けをそこそこにし、彼女を緊急搬送し手当をしてもらった。
「全治1ヶ月の骨折」だった。
でも彼女の偉いとこは、まず最初に「猫さん達は大丈夫か」と聞いてきたことだ。
自分だって相当痛いはずなのに、自分の事より自分より弱いものをまず気遣うと言う行為はなかなか出来ない。だが 相変わらずだ。
壊れたPC等は私が暇を見て直せば済むことだから気にしないでいいと言ったのだが、PCやモニター等完全に壊してしまったことをすごく気にして落ち込んでいる。
入院中 彼女は何もする事が無く 時期も時期だったので、早々に退院することになった。
退院の日 自宅に帰って療養するのかと思っていたが、何故か我が家に直行。
本人曰く、「ここの方が私にとって、自宅ですよ。」だそうだ。
階段は登れないので、3階まで私が負ぶって登った。まるで父親だ。
帰ってくるなり、「なつめさん、そう言えば入学祝貰ってなかったです。欲しいものがあるんですが、いいですか。」 ダメとは言えない。
「IPadProが欲しいです。高校入学の時に買ってもらったのが、ダメになったのでお願いします。」確かに3年前にプレゼントした記憶がある。
現在 彼女は新しいIPadに夢中である。