何故 居るの?
Miyukiちゃんがいなくなってつきママ達は、一通り家中彼女の事を探しいないと判るや私にエアコンを入れろと文句を言う。一日中 エアコンをつけておくには時期が早いので、ホットカーペットを用意した。
朝晩はかなり寒いので2か所に設置した。加湿器も加熱式のものを出した。確かに気温も低いのだが、熱量の高い彼女がいないので余計に寒く感じるのだろう。
今日 お店のリニューアルオープンで忙しい。朝7時までにお店に行き、夜7時まで色々と忙しかった。家に帰ってきたのは20時近くになってしまった。
家に入り何か違和感を感じた。突き当りの電気の消えた部屋からそれは感じる。それに今日はつきママ達のお出迎えが無い。変に静かだ。
確認のためその部屋に行くとそこに設置したホットカーペットの上で、iyukiちゃんがじゅくすいしていた。そして彼女に寄り添うようにつきママ達が寝ていた。みんな死んだように寝ている。
だがこれはさっき感じた違和感とは違う。薄暗い部屋の隅にそれはいた。
17・8歳くらいの小柄の少女。Miyukiちゃんと同じブレザーの制服を着ている。暗い面持ちで私を練眼回していた。この感覚は死んでいるわけではなさそうだ。
電気をつけてもいいか、その彼女に聞く。
「・・・・・・・。」無言。
彼女から妬みに似た感覚が伝わってくる。これはよく聞く生霊と言うものらしい。Miyukiちゃんは彼女からねたまれる何かをしたのだろうか。
「で、どうして欲しいの。」
「・・・・・・。羨ましい・・・・。」
「何が」
「私もお父さんと・・・、私にはあなたみたいな人がいない・・・。」
「今目の前にいるじゃない。困っているなら言ってごらん。私が出来ることはしてあげるよ。」
「うそ・・・。大人は信じない。」
「嘘じゃないですよ。その人は見ず知らずの私たちも助けてくださったんだから。」と後方から女性の声。その声の正体は以前うちにいた幽霊親子のお母さんこと泉さんだった。
「本体に戻って改めて、なつめさんに頼ってみたらいかがですか?」
「本当に・・・、いいの・・・、わたしでも・・・。」
「大丈夫ですよ。」
「わかった・・・。ごめんなさい・・・。」
と言ってその彼女は消えていった。
「泉さんありがとうございます。でもどうしてこちらに居るんですか。」
「いつもいますよ、今までとは違ってあなたの守護霊として今はいます。」
「守護霊ですか。私なんか守って下さらなくてもいいのに。浩司君はいいんですか。」
「彼はあちらで楽しくしています。だから私は私の意志で此処にいます。」
と言う会話をしているとMiyukiちゃんとネコ様達が起きてきた。
「誰と話しているですか?」と気だるそうにいうMiyukiちゃん。
「いやなんてせもないよ。独り言。」
「でもどうしてきみここにいるの?」
「何か昨日の午後から体が重くてだるくて、それに身体から力が抜ける感じしてたんですけど。下校途中 やさしい女の人の声で夏目さんの所に行きなさいて言われた感じがしたんです。それでここに来て待っていたら、眠ってしまったと言うことです。」
泉さんに目をやった。
泉さんは軽く微笑んでゆっくりと消えていった。
「ねえ、君に155センチ黒髪セミロング 有村架純風の友達いるかい。」
「います。クラスメートで私同じで進学の事でお父さんとひどくもめている子が。でもどうして知っているんですか。」
「理由は聞かないで。仲がいいなら今度連れてきてくれるか。」
といことで その彼女と近いうちに会うことになる。
今日はこれまで、長々読んで下さってありがとうございます。