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お嬢さん二人 頑張る。

  私が左肩靱帯断裂によってなかなか家事出来ない。その為か何故か超天然天災娘が頑張っている。

「なつめさん!! 朝食出来ました。」牛乳・トースト・目玉焼きらしきものを出される。らしきものと言うのは黄身の原形をとどめていないで、全体的に黄色い。

「洗濯物があったら洗濯機の処に置いておいてください。掃除は帰ってからします。あと昼ご飯もちゃんと食べてくださいね。」

う~ん。なんだか仕事が出来る奥さんみたいだ。

今日は検診が無いので家に居て、今まで時間が無くて読めなかった本を読み勉強に勤しんだ。気が付くと16時近くになっていた。

「ただいま~。」と二つの声。

充希ちゃんと美由紀ちゃんだ。充希ちゃんは私の怪我が自分のせいだと思っているので、ここぞとばかり恩を返そうとしている。

「おじちゃん。今日は充希 おねいちゃんとご飯作るね。期待してまってて。」と可愛い文言。

レジ袋いっぱいの食材が見える、一貫性のない食材だがいったい何を作っていただけるのだろう。(ちょっとだけ不安がよぎる。)

暫く私は自分の部屋に戻りブログを作っていた。すると、「ガシャン!! パリン!!」と台所から音がする。ここは聞こえないふりをする。

「アッ!! おねいちゃんそれ小麦粉じゃないよ片栗だヨ。」

「おねいちゃん!! 焦げてる!!」

台所の煙感知機が作動してけたたましい警報音が鳴っている。

(仕方がない。)

台所に行き警報機を止め、換気する。

「お嬢様がた、ありがとうね。ここまでの気持ちだけでいいよ。」というと。二人共かなしそうな顔した。日頃落ち着けば出来る美由紀ちゃんなのだが、何故か充希ちゃんが来るといきってしまい失敗する。

落ち込んでダイニングの椅子に座る二人の傍につきママさんがそっと寄り添う。警報で逃げていた黒猫烈風隊3名も駆けつける。

「つきママさん、後は頼みました。」といい、台所を見る。

芯があり過ぎる茹でたパスタ。何か味が足りないアイランドドレッシング。片面焦げた白身のソテー。お米が入っていないのにスイッチが入った炊飯器。

そのほか、舞茸やキュウリ・人参・レタスなどが見てとれる。

勿体ないのでパスタは急ごしらえのホワイトソースと和えグラタン皿に入れ、チーズを散らしオーブンへ。ドレッシングは味を調え、焦げたソテーから使えそうな部分を転用しシーフードサラダをつくった。

残っていた舞茸を使い、舞茸ご飯をしこむ。

ご飯が炊きあがってくると、その香りに誘われ娘たちが来る。

「いい匂い。おじちゃん私にこのご飯の作り方教えて。おじいちゃん達にも食べさせたいから。」と充希ちゃん。美由紀ちゃんはさらに落ち込んでいる。

「あとでレシピは書いとくから、今はご飯にしよう。その前につきママ様ご苦労様です。今ご飯用意いたしますからしばらくお待ちください。」

今日のご飯は彼女たちのスパイスが利いていて、とてもおいしかった。

という何気ない一日でした。


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なつめ0602
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