逸材発見!!

　先日から早朝バイトを始めたのだが、そこで我が家の天災天然少女に匹敵する逸材を見つけた。

　その子は土日祝日は早朝、平日は夕方からバイトに入っている。年齢は２２才で日中は司法試験の勉強がしたいからこのシフトになったそうだ。

　今日は同じ新人と言う事で、一緒に組まされた。

まずは構内のゴミ集めから一緒にまわった。

　落ちているゴミを掃き集め、私だと思って警備員の人に話しかけている。その後 慌てて私の方に走り出した。２秒後 見事な前転を披露。

　その子は眼鏡をかけていたが、眼鏡は無事だった。

　本人は膝と手に擦り傷。持っていたバンドエイドを張ってあげ、仕事を続ける。

　何もないところに、段差があると思いつまずく。段差があるところでは、素直に踏み外す。持っていたバンドエイドが一気になくなった。

　帰りは一緒のバスだったので、一緒に帰る事になった。

バス停で待っている間も彼女は、勉強していた。。だから あまり彼女とは会話が無かった。

　バスが来た。だが彼女は乗ろうとしない。

「どうしたの、乗らないの。」

「えっ、だってこのバス「Non stop bus」て書いてありますから。」

「もう一度見てごらん。」

「あっ、「Non step bus」」

車内で恥ずかしそうに、

「私 いつもこうなんです。だから直ぐにクビになってしまうんです。」

「大丈夫だよ。君は自分に「ドンくさい」という蓋をしてしまっただけだから、ゆっくりとそれをとればいい。」

　バイトも直ぐにクビになるから、手持ちもないらしい。

バスが駅に着いたので、定食屋に入りお腹いっぱい食べさせた。慌てて食べるものだから、お箸の先まで噛んで食べてしまった。

別れ際 連絡先を交換し、お腹が減った時はいつでもうちに来ればいいと言っておいた。ついでに うちにも負けず劣らずの子がいるとも伝えた。

彼女は明るく元気な表情で帰っていた。