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あなたならは どうする


 朝 散歩をしていた。
 前方から蛇行運転しながら、軽自動車が迫ってくる。

 だがなんか変だ。 赤ちゃんより大きめの何かが、車に飛び掛かっている。それも4・5体。車の屋根に飛び乗り、中の人間を威嚇している。体は人間の子供のようで、顔は獣。眼は怒りのせいか、真っ赤だった。
 
 もちろん 車内の人間はパニック状態。

 中央分離帯に衝突した車に、それらは襲いかかっている。
運転していた若い男性は意識がないようだが、あとの二人は慌てて外に出てきた。
 その何かは、出てきた二人目掛け飛び掛かりそうになった。
だが 直線上の私を見て、動きを止め蜃気楼のように消えていた。

 救急隊員が来ても、見たまま言っても信じてもらえるはずもなく「いきなりだったので、わからない」と答えた。
 三人とも 薬物を疑われていた。
 無理もない。
警官たちも来て目撃者がいないか、探していた。

 翌日 散歩してると、いきなり2メートルくらいの人の形をしたモヤが目の前をふさいだ。
「お前は 何者だ。我々の邪魔をするのか。」と聞かれた。
「昨日 物の怪かい?」
「物の怪ではない、きゃつらは我々の社に火をつけたのだ。」

 つまり昨日の3人は、肝試しに神社に行き そこで花火をして社を燃やしてしまったそうだ。

 「私は別に邪魔なんかしなよ。」というと、その靄は静かに消えっていた。
 悪辣なのは 幼稚な好奇心。
 悪霊や質の悪い妖怪より質が悪い。

 あの3人がどうなったかは知らない。
 知りたくもない。

 あなたに 彼らを助ける力があったら、助けますか。

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なつめ0602
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