恩がえし
美由紀ちゃんと充希ちゃんが、私にいきなり聞いてきた。
「なつめさん 私たち何時もなつめさんに良くされて、何か恩返ししたいんです。して欲しいことや欲しいものがあったら言ってください。出来るだけ、そのれクエストに応えますから。」
「恩返し? 私は誰にも、恩を売った覚えはないよ。私がしたいからしてるだけだから、気にする事は無い。」
「絶対にそういうと思っていました。「自覚がない」と言うと語弊があるかもしれませんが、なつめさんは他人から随分 感謝されていますよ。」
「それは有難いことだが、そう思うのは他人様の勝手。私は自分の為にそれをし、結果 そうなっただけ。」
「だから 充希ちゃんの事も、私がそうしたいと思ってやっただけの事。美由紀ちゃんもしかり。」
「それに私は「欲しいもの」なんて何もないよ。」
「私みたいに精神が幼いと、なつめさんが言っている事あまり理解できないです。なつめさんじゃない人が同じことを言っていたら、「だだのカッコつけ」野郎ですごく鼻につくと思うんです。」
「でも なつめさんが言うと何故か納得してしまうんですよね。」
「もし 本心から恩を返したいと思うなら、困っている人がいたらその人に帰すべき恩を送ってあげなさい。」
「「恩」て「返す」ものじゃなくて、「送る」ものだったんですか?」
「私はそう思っているんだけどね。」
ふたりはちょっと困った顔をしていたが、言っていることは理解してくれたようだ。
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