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生きるための博打を生きるために⑥

 あえて極論すれば博打というのはとても単純なもので、自分の流儀さえ決めておけば、あとは「賭ける金額が変わるだけ」ということになる。

 FXを例にとるとわかりやすいと思うが、要は「上がるか/下がるか」に賭ける丁半博打であり、賭ける金額が変わっても、それで「ほかに何か特別な操作が必要になる」ということはない。「上がるか/下がるか」に賭ける、それだけだ。

 すると、同じ「1万円を勝ちたい」という場合、もちろん腕は必要だろうが、これはもう元手が多い方が圧倒的に有利だ。1万円で1万円を勝ち取るのは大変だが、1億円で1万円を勝ち取るなど誤差の範囲とすらいえる。

 だから元手はあればあるほど有利なわけだが、そんなもののない私みたいな貧乏人は、まず元手を貯めるか、あるいは元手を手に入れるための戦いから始めなければならない。

 コツコツいく人もいるだろうが、元手を増やすためには、どこかでド博打を打たなければならない時が来る(小遣い稼ぎが目的なら話は別かもしれないが)。

 その時に、賭けられるか。
 その賭けに耐えられるか。

 そういうことがあるわけだが、
 「大したことねえや、死ぬどころか切った張ったでもなんでもないじゃないか」
 なんて強がりを言いつつ、いろいろと漏らしそうになるのが真実の瞬間というやつだ。

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