法律相談前にしておくと良いこと(全体編)

この記事は弁護士に相談しようと思っている個人の方に向けた記事です。法務パーソン向けではありませんが、法律分野の経験がない方であれば企業の方にも参考になると思います。

いざ弁護士に相談しよう!と思ったとしても漠然と相談したいことがあるが、具体的に何を聞けばよいの?と思うことは多いです。

また弁護士に相談するとなると緊張もするし、どんな人かもわからないことが多いし、難しい話をされそう、分からないかも等いろいろな心配があると思います。

これは当然で、実は私も弁護士になる前に一度法律相談に行ったことがあります。そのときの先生は事務所も立派で、そして白髪を蓄えた貫禄のあるおじいさん弁護士でした。す、すげえと思っていたのですが、なんやかんやと難しいことをよく話していましたし、私の祖父のことを岳父殿と呼ばれていました。岳父、って私の父から見た妻の父親のことらしいですね。そのときまで知りませんでした。

緊張もしましたし、難しい言い回しが多い中、なんとなく分かったのは「とにかく大丈夫」程度でした。

これはもはや相性が合っていないということですが、色々と面食らった結果聞きたいこともよくわからなくなっていったのを覚えています。

そこで、法律相談でしっかりと結果を出す、つまり聞きたいことを聞いて帰るというためには相談者の側でしっかりと準備をすることが大事です。

これから私の弁護士経験の中から、こういう整理がされていると法律相談がスムーズに進むよという内容を述べます。人によっては当たり前となりますが、以下のことに気を付けると良いです。

①登場人物を整理する

②時系列を整理する

③事実と感想を区別する

④弁護士費用の合計額を聞く


①登場人物を整理する

これは当然ながら弁護士は相談者の人間関係を知りません。初めて聞くので、誰が誰か、どの登場人物が相談者さんと親しいのか、要はどいつが敵か味方か中立かわかりません。

そこで人物を棒人間で書いて、図や表を描いてみてください。

A → B 離婚してほしい

C = Bの父 離婚には反対

等ですね。

弁護士が相談時に作る図表ですし、作成しなおすこともありますが、これがあるだけで弁護士の頭が整理されて、良いよいアドバイスができるでしょう。

②時系列を整理する

次に時系列です。

人間の頭は思ったよりも整理されていません。思い出した順に話してしまうんですね。私なんかも友人に話をするとき、この話をしないとあの話が分からないな、と途中で気づくということがあります。

まして複雑な話であればなおさらですよね。

そこで、上から順に時系列に並べてみてください。

最初は思い出した順に紙に書いて、その書いたものを時系列順に並べるだけです。それだけでも時系列がこんがらがってしまうのを防げますよ。相談者さんの頭の整理になるだけでなく、弁護士にもスムーズに伝わります。

③事実と感想を分ける(客観と主観を分ける)

人間の主観は本当にあいまいです。実際には嫌われていないのに、あの人の目線が気になったから、嫌われていると思いこむなどといったこともよくありますよね。

しかし裁判では客観的な事実が重要ですし、客観的な事実と感想を分けないと裁判官は混乱してしまいます。相手が弁護士でもそうです。

なので事実と感想を分けないといけません。

たとえば

×あの人が私をバカにしてきた

〇あの人が「君はバカだね」と言ってきた

という形です。

かぎかっこでくくれるほど覚えているなら尚良しですが、詳しく覚えていないならバカだね、という内容のことを言われただけでも構いません。

弁護士はあなたがバカにされたことを疑っているわけではありません。バカにされたと客観的に言えるのかどうかを知りたいのです。

④弁護士費用について

ふつうは着手金と成功報酬という形がほとんどで、あとは実費という郵便代や裁判のときに使う印紙代などです。実費は多くても数万円のものがほとんどでしょうが、着手金と成功報酬は高いです。

また詳しく書きますが、着手金とは最初に支払うお金で、うまくいってもいかなくても支払います。実際に仕事を始めてもらう手数料のようなものです。

成功報酬は成功したときに発生するお金で、離婚が成立したら〇円などと規定されています。

しかし、事務所によっては請求ごとに着手金・成功報酬を設定しているところもありますし、すべて合わせて設定するところもあります。

ですので、実際にかかる金額の合計額を明確にしてもらいましょう。

タイムチャージの場合は見積を出すことや、キャップをつける(最高額を決めておく)ことも有用でしょう。

以上です。

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