【人生#2】実力でぶん殴れ
いじめにあっていた過去
幼少期にいじめにあっていたことがある。小学生の時に1度、中学生の時に1度、合計で2回。中学生の時は学校に行くのが辛くなり、1日だけ学校を休んだことを今でも強く覚えている。そんな自分が大事にするようになった処世術は「実力でぶん殴る」ことだった。ごちゃごちゃと邪魔がまとわりつく社会人5年目の今、この気持ちを改めて強く認識したいと思った。
(「邪魔」に関しては以下の記事を参照)
体がでかいだけの奴
小学生や中学生の時、いじめっ子に回るのは体が大きかったり、なんとなくキャラが立っていたりする奴だった。そんな奴らからいじめを受けている時、「なんの理由があって俺の上に立ってるんだ」とずっと考えていた。大きくなった時、大人になった時、こいつらを絶対見返してやる。そんな気持ちでモチベーションを保ち、当時からスポーツと勉強の両面で結果を出し続けた。
黒崎一護とルイスハミルトン
漫画『BLEACH』の黒崎一護は物語の冒頭で、素行は不良なのに実は成績がいいという描写があった。本人は「見た目がアレ(地毛がオレンジ色)でも頭が良かったら教員は何も言ってこない」という理由で勉強はやっていた。作中で授業を途中で抜け出すシーンがあったが、勉強のできる黒崎一護(と同じく勉強のできるチャドと井上)は許されて、勉強のできない悪友の浅野が「お前はダメだ」と止められるシーンがあった。
史上最高のF1ドライバーであるルイスハミルトンは、幼少期にサッカーでも非凡な能力を発揮していたが、人種差別的な理由からどれだけ上手でもスタメンに選ばれなかったという。そんな彼は「速さこそ全て」のモーターレースで圧倒的な結果を出し続け、今では彼のことを否定できる人間はこの世界に1人もいない。
辿り着いた先
小〜中学校と教師の言うことを素直に聞くような生徒ではなく、授業の内容は塾で先にやっていて基本的につまらないので、ずっと理科や社会の資料集を隅から隅まで読むような人間だったが、内申点はオール5だったので特に何も言われなかった。学校で何かあっても「お前たちはスポーツで俺みたいに結果を出しているのか?」と思えたし、逆に習い事で何かあっても「そういうお前たちは学校の成績はどうなんだ」とずっと考えていた。一つの世界だけでなく、複数の空間で努力し結果を出していたことが、いじめや生きづらさから自分を救ってくれていた。
気持ちの変化
その後は愛知県で1番の高校に入り、大学も就職も同じモチベーションで頑張ってきた。勉強やスポーツを頑張ってきた結果、つまり「実力」を高めてきたことによって、いじめを受けた過去はいつの間にか、「なんで『できる奴』だった自分が『できない奴』になんやかんや言われてたのか、訳わかんねえな」くらいの記憶になっていった。周りを見返してやる、周りよりいい人間になってやると思って頑張ってきたつもりが、いつの間にか「他人と比べて自分がどうか」なんて全く興味がなくなっていた。「実力でぶん殴ってやる」と頑張ってきたのに、殴る相手が見当たらなくなったように感じてしまった。この時、自分は大事なことに気づくことができた。
雲の下の景色
毎日一つでも成長しようと思い、努力を重ねる。時には直進できず遠回りもするけど、少しづつでも前進していく。その様は登山に似ていて、最初は他の登山者に負けないようにと頑張るけれど、圧倒的に他人を突き放した時、自分はまだ山の中腹かもしれないが、雲海の上に辿り着く。雲の上にいる登山者からは、その下の景色は人も自然も何も見えない。見えるのはただ頂上だけで、自分の足を引っ張る声も聞こえない。
この域、この領域まで到達することが今の自分に必要なことだと改めて痛感している。他人を意識して頑張ってるうちはまだ雲の下にいる。目指すべきは雲の上であり、そこには他人など存在せず、酸素の薄い過酷な自然環境の中、自分との本当の勝負を始めることができる。いじめの記憶から脱却した時の自分の経験が、社会人の自分に進むべき道を今教えてくれた。
Popular Song(feat. Ariana Grande)/MIKA
最後に一つ、ある曲について書きたいと思う。
この曲は大学で一番お世話になった友人が教えてくれた曲で、当時は単に「いい曲」として教えてくれたのだけれど、曲全体のストーリーやサビの歌詞が特に気に入っている。一部抜粋すると、
You were singing, all the songs I don't know
あなたが歌ってる曲は全部私が知らない曲だった
Now you're in the front row
でも、あなたは今では私のライブの最前列にいる
'Cause my song is popular
私の曲は人気だから
(中略)
So catch up, 'cause you got an awful long way to go
私に追いついてみなよ、
私とあなたとの間にはすごい差が開いてるけど
圧倒的な実力をつけること、他を突き放したその先に、
他のいない理想の世界が待っている。