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【結婚#3】結婚5年記念日
結婚式にて
先日、高校の同級生「S」の結婚式に出席した。高校時代にとても仲良くしてもらったし、家族ぐるみの付き合いもあり、今でも交流のある数少ない友人の1人なので、式の日が来るのををとても楽しみにしていた。
人の結婚式に出席すると毎回、自身の結婚について思い返す時間がやってくる。新郎新婦の出会いや結婚に至るムービーをスクリーンで見ながら、彼らの楽しそうな姿にお似合いの夫婦だなと感心し、自分にもこんな時期があったんだと思い出す。
この結婚式の2週間前、僕とレッサーは結婚して5年の記念日を迎えていた。(レッサーに関しては以下参照)
合わないふたり
妻とは高校生の時に知り合ったのだが、当時の妻の目は壊れていた。高校時代の自分は本当にクソガキで、自分が女子だったら絶対に付き合いたくないし、仲良くもしたくないような奴だったと思う。ピッチャーが投げた球が、キャッチャーに至る18mの間で、ワンバウンドしているようなクソボールが自分だった。ワンバウンドした時点でボールにカウントされるので、普通の打者なら見逃すのだが、妻の場合はワンバウンドした時点で見切りをつけず、手元に来るまで粘った。粘った結果、一度はねたボールが奇跡的にストライクゾーンに来た。それでもなお見逃せばボールと判定されるのだが、妻は思いっきり振り抜いた。「は?」と思ったボールこと自分は、大人しくスタンドまで飛ばされることにした。
要するに絶対に相容れないような2人が結婚まで至ったのが我々だと今でも思う。よく2人で、「もし我々が社会人の時に出会っていたら結婚していたか」という妄想をする。最新の妄想はこんな感じだった。
・誰かの結婚式で、新郎側、新婦側の友人としてそれぞれ出席している。
・外見に惹かれた自分が結婚式の最中に声をかける。チャラいと思われたくないのでここでは連絡先は聞かない。
・二次会で再度声をかける。これも何かの縁と連絡先を交換する流れに持ち込む。
・マクセルアクアパーク品川にデートに誘う。近くにお気に入りの食事が数件あるので昼ご飯までの流れができる。車で来ていることをしれっとアピールして帰りは家まで車で送る。
・2回目は上野の東京都美術館に誘う。期間限定の特別展があれば誘いやすいし、1階のカフェで売ってるパフェを食べたら間違いない。
・3回目は、、、
となったところで、いい感じに聞こえるかもしれないが、共通の趣味とかが無さすぎて絶対に盛り上がらずに終わるという結論に至る。今までいろんな出会いからのデートプランも話し合ってきたが、うまく行く未来が見えなかった。つまりは高校生のあの時に付き合い、大学4年で結婚する以外に我々が一緒になる方法はなかったのだろうし、実際にそうなっている今の奇跡的な確率に驚かされる。
悪い夢の中で
ある日、自分は死刑を宣告されていた。男たちに取り囲まれ、逮捕され、明日死刑になるが、今日1日はこの施設に収容すると言われ、大きな建物に連れて行かれた。死刑になることに対しての抵抗感はなかったので、何か自分は悪いことをしたんだと思う。でもふと、明日自分が急にこの世からいなくなったら、妻はどう思うんだろうと不安になった。死刑まであと1日という時間の中で、隔離されたこの場所から、どうやって妻に最後の言葉を届けるか、そのために試行錯誤するという夢だった。
また別の日に、「自分から何がなくなったら好きじゃなくなるか」と妻に質問された。自分は迷わず「妻が自分のことを好きじゃなくなったら、自分も好きじゃなくなる」と答えた。妻は少し不満そうだったが、自分としてはかなり真剣にそう思ってる。だって誰もが見逃すようなクソボール球の自分を思いっきりホームランにしてくれた人に対し、感謝を超えて愛情を抱くことは当たり前だと思うから。みんなが自分を早々に見逃し、見切りをつけていた。妻だけは最後の最後まで粘ってくれた。そんな妻に嫌われないよう日々努力するし、それは回り回って妻を愛することにつながっていく。
苦手なぬいぐるみ
明日死ぬとしたら、なんとか最後の言葉を届けたい存在。自分にくれた愛情を、100倍にして返したい存在。それが6年目の自分にとっての妻。
記念部のデートで行った動物園で買ったお土産は、レッサーパンダのぬいぐるみだった。妻は元々ぬいぐるみが苦手でこれまで買ったことがなかったのだが、あまりの可愛さにこれまでの信条が揺らいでしまって買ったらしい。この二匹のように、熱く固く、ずっと寄り添っていきたいと思う。
もし急にどちらかが音信不通になったらどうするか、自分の悪夢を受けて話し合った。「2年経っても連絡がなければ、この世にいなくなったと判断して、新しい人生を歩もう」と妻は言った。
多分自分は2年経とうが何年経とうが、妻のことを探し続けると思う。たかが5年の結婚生活で何言ってんだと思われるかもしれないけれど、自分にとってはもうそんな存在なんだよと、本人に伝えるのは恥ずかしいので、ここに書いておきます。6年目もよろしくお願いします。
祝辞:結婚おめでとう
人生において「敵わない」と思った人間は何人かいるけれど、あなたも間違いなくその1人だと思う。身長も自分より10センチ高いし、友達の数もめちゃくちゃ多いし、ママチャリのハンドルもセミハンの自分に対してあなたはカマハンだった。
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中学の時の塾の模試で全国7位になったことが自分のアイデンティティだったのに、その模試で自分より上にいた存在があなただったと、高校に入学した後に知ったときは心底ビビったのを覚えている。大学受験も自分は1浪で限界だったのに、あなたが2浪を決意したと聞いた時はやっぱり桁が違うと震え上がった。
自分の詳しい分野の話になってしまい申し訳ないが、旅客機の操縦は必ず2人の操縦者で行われる。3人だった時代もあるし、AIが発達して今後は1人になるんじゃないかと言われたりもするけど、この2人体制というのは当分変わらないと思う。人件費もかかるのになんで2人でやっているか、それは「人間は完璧ではない」から。それなりに優秀な人間のはずのパイロットでも、疲労やプレッシャー、その他の要因で必ずミスをする時がある。そんな時、狭いコックピットにもう1人の人間がいればミスに気づくことができ、事故を防ぐことができる。
自分はあなたのことを超人だと真剣に思っているけれど、今後の人生、一度もミスをしないなんてことはないと思う。でも今、あなたは素晴らしい人と結婚をして、「2人」になった。優秀な人間が2人いれば、ミスしても気づくことができる。2人だから、道を間違えても引き返すことができる、2人が力を合わせれば、より高く、より遠くまで飛んでいくことができる。「2人」は本当に素晴らしい、結婚生活の先輩から僭越ながら送る言葉です。結婚、本当におめでとう。
最後になるけれど、そんな2人のフライトには乗客が1人搭乗予定とのこと、本当に嬉しく思う。高校での野球部時代、3番ライトの自分と、4番ファーストのあなたで、監督の後ろでサインのモノマネして、一緒に怒られたりしていた。そんなあなたがいつの間にか父親になるなんて信じられないけれど、「3人」でのフライトが素晴らしいものになることを心から願っています。結婚式に呼んでくれて本当にありがとう。末長くお幸せに。