DDTとワタシ②竹下幸之介と上野勇希と徳弘正也と魔夜峰央

推しは推せるときに推せ。

今回の記事はDDTを見たことがない女性にもぜひ読んで頂きたい。特に関係性に目がない方。
(女性ファン視点からの考察、妄想、漫画等の引用が含まれます。DDT関係者並びにファンの皆さまを貶める意図は一切ありませんのでご了承下さい。)


巨大感情デパートメント

DDTに魅力を感じる源泉って、突き詰めると
"レスラーがみんな常に個人的な感情をむき出しにしているところ"
にあるんじゃないかと思っていて。
アイツに勝ちたい、または蹴落としたいといった闘う相手への執着から
グループを組む仲間への激励、信愛、羨望や
ただズルしたい、目立ちたいみたいな即物的衝動まで
とにかくレスラーはなんらかの感情を抱えあるいは拗らせながら己に正直に行動する。
インタビューでも自分の来し方信条相手への想い作戦なにもかもをさらけ出し
そして試合になれば今まで開陳してきた超個人的諸々を肉体と技に乗せなりふり構わず絡み合い、ぶつかり合うのである。
こんな表現や闘いが他にあるだろうか?
スポーツでも個人的な想いは原動力になるだろうが
銀メダリストが悔しさのあまり金メダルを盗んだり
審判を気絶させてまで勝ちにいこうとはしない。
役者にしても、憑依型なんて言葉はあるものの本当に役と自分を同一視したり自分の感情を優先しすぎるとろくなことにならない。
ガラスの仮面のマヤみたいな女優は現実では一番共演したくないタイプである。

同級生同士の頂上決戦

さて、いよいよ竹下選手と上野選手のお話。
お二方はなんと大阪は咲くやこの花高校の同級生。
竹下選手は幼少期からプロレス好きで高校在学中にDDTデビュー、瞬く間にスター選手になり、ずっとトップを走り続けている天才。
上野選手はそんな竹下選手に憧れ、それまでプロレスを見たこともなかったのにDDTに入門。


竹下選手の強さを見せつけられながらも努力を重ね、やがてスター選手に。
2人はサウナ好きの仲良しレスラーたちとTHE37KAMIINA(サウナカミーナ)を結成、背中を追い追われる関係から公私ともに隣に並び立つ存在に変化していく。
そして今年、26歳
D王GP2021という、最強の男を決めるリーグ戦でお互い勝ち残り、決勝を闘うのであった───
いや、漫画か?そんな設定てんこ盛りある!?

余裕の無敗で勝ち上がった竹下選手に続き、上野選手が強豪たちとの大混戦の末決勝進出を決めた試合(相手の遠藤選手もめちゃくちゃかっこいい!!)

試合後、上野選手のコメント

それに返す竹下選手

え、ええ~~~...ちょっともう処理しきれないエモーションの波状攻撃である。私はこの一連を生で拝見して号泣した。


竹下選手=徳弘漫画的ヒーロー?

竹下幸之介選手プロフィールhttps://www.ddtpro.com/wrestlers/182?_ga=2.174801643.818791294.1639724862-2049998405.1639724862

187cm100kg超の迫力ボディにつぶらな瞳のさっぱりハンサム顔がちょんと乗っかったルックスは
竹下選手もパロディTシャツを出していた
『ジャングルの王者ターちゃん』を彷彿とさせる。
徳弘正也先生作の
チンパンジーに拾われた赤ん坊がゴリラに格闘術を学び、動物たちの平和と自然を守るターちゃんに成長し
世界中の格闘家や吸血鬼、古代の軍神などあらゆる強者と闘う格闘ギャグ漫画。
もうひとつの代表作『狂四郎2030』もそうであるように
徳弘漫画の主人公は過酷な生い立ちに生まれ、幼い頃から格闘術の英才教育を受け、超人的な強さを身につけながら、非常に合理的に戦術を見極めるドライさがある。
竹下選手もまた、ご本人曰く『大阪西成生まれ貧乏育ち』だそうで(とは言え家族仲は良さそう)
2歳でプロレスに傾倒、子供時代から地元のレスラーが開くプロレス教室で大人に混じって学び、高校在学中に大型新人としてデビュー、3年ほどでチャンピオンという筋金入り。
何年か前初めて私が竹下選手を認識した時はHARASHIMA選手と抗争中で、勢いある若手がベテランに牙を剥くレジェンドキラー的立ち位置なのだと思い込んでいた。
見返すと竹下選手は個人間のいさかいというよりは
ひたすら『革新的な闘いとは』『団体を背負って立つレスラーとは』ということを追い求めていて
『どんな凄い試合が見せられるか』へのこだわりは今もずっと徹底している(ように見える)。
マイクパフォーマンスで感情を迸らせる選手が多い中、常に物静かで理路整然と達観したコメントをする姿もクールっちゃクール、ドライっちゃドライでたまらない。
それで本当に強い!!ヘヴィー級の大きな身体でパワーファイトから飛び技から間接技までオールラウンドにこなすところはまんまターちゃんだし
プロレス知らなくても圧倒される試合の面白さと凄さはターちゃんや狂四郎が格闘大会でいつの間にか観客を虜にする説得力を思わせるし
新しい相手と闘う度に新技の開発や会得に余念がないのもターちゃんぽい。ていうか昔の漫画ぽい。
徳弘漫画と言えば、矢継ぎ早のギャグも特徴だけど
竹下選手は笑いのセンスも卓越している。
まっする1では見事な漫才(ボケ担当)を披露していたし
noteの日記やラジオトークでの抑制の効いた語り口の中に滲むさりげないユーモアは大変魅力的なのでぜひ確認して頂きたい。(ちなみに、彼は70年代後半~80年代初頭の音楽やカルチャーが好きらしく、私もそうなので嬉しいもののそんな26歳誰とも話合わないのでは...とちょっと心配になる)
2018年キャンプ場プロレスの解説ではユーモアセンスに加え、頭の回転の速さ、雑学語彙力の豊富さが遺憾なく発揮され実況の村田さんと共に番組の面白さを底上げしていた。
そんな完璧超人の竹下選手が
上野選手にだけはちょっと感情ブレぎみなのが面白い。
件の日記にはしばしば複雑な想いが零れ
インタビューではしつこいぐらい『僕は勇希にとって高い壁でいなくてはならない』と繰り返し
実際に、何度か交わされた試合では毎回竹下選手にしては珍しく非情なまでに威圧して上野選手をボッコボコにやっつけてしまう。
そういった厳しさ激しさを見るたび
徳弘漫画の根底に流れる『人は愛がなくては生きていけないけど愛を獲得するには試練が伴う』といったテーマがなんとなく過るのであった。
最後に徳弘漫画と言えば忘れちゃならないのがエロ。
下ネタ言ってるのとかは見たことないけど
試合中の竹下選手は最高にセクシーです!

上野選手→タマネギ部隊→ラシャーヌ?

上野勇希選手プロフィールhttps://www.ddtpro.com/wrestlers/220?_ga=2.182188960.605376329.1639894337-2049998405.1639724862

上野選手、生で見るとびっくりするぐらいお顔がかわいいのにどうも写真写りが悪くて
この公式さんの宣材もおブスなのでそのうち盛れてるお写真に差し替えて頂きたい。竹下選手とシンメのポーズはマストで。
(竹下選手は写真に写るのすら巧くて、表情とか相当研究されてると思う。そんなとこも完璧超人)
上野選手には独特の色気がある。
肌の白さも相まってギリシャ彫刻のようにうつくしい肉体と切れ長の目元は山本タカト先生の描く美青年もかくやだし、敵の技にあえぎ激情に駆られ反撃する姿は国芳か芳年かあるいは高畠華宵の描く若武者かという、まあざっくり耽美の国の王子さまだと思って頂ければ。
そんな王子さまも入団当初は、坊主頭に浅黒く焼いた肌、黒一色の味気ないコスチュームで武骨に頑張ろうとされていたぽいんだけど
それはそれで禁欲的な初々しさがかわいらしく
男色ディーノというその名の通りの性癖を持つ名物レスラーのお小姓さん的ポジションからキャリアがスタートするという結局耽美発進で素晴らしい。
ディーノ選手に辱しめを受けるのは若手共通の通過儀礼で、バラエティ適正を図る指針にもなるらしく
上野選手はめきめきと頭角を現し、ディーノ選手とコンビネーションを見せはじめ、一緒にMCをするようになり、今では単独で楽々番組MCを回せるほどご成長された。
さながら
タマネギ部隊のその他大勢から霊感青年44号のようなネームドキャラに昇格するかのごとく。(ディーノ選手のフォルムもパタリロぽいし!)
上野選手は本当に魔夜峰央作品から抜け出てきたようで
非常にクレバーかつ弁が立つところ、シニカルなつっこみが冴えるトーク回しと無邪気な笑顔のギャップ
艶っぽくBLコントを演じながらきっちり笑いも取る手腕などは正しく魔夜世界の住人である。
周りのみんなが彼の中にある毒や秘密を暴こうとする一方、普通の好青年のようだったり、嬉々として後輩をいじめる体育会系パリピにしか見えない時もあり
全然底が読めないミステリーBOY。
ここまでくると
あのパタリロすら煙に巻く曲者でありながらただの恋多き純真な少年でもあるラシャーヌの領域でしょ。
個人的にはパリピでも好青年でもお耽美の申し子でもなんでもいいよ!かわいいから!

こと試合に関しては
プロレスを知らずに飛び込んできて、素人目に見ても細身で技なんて全然ないのに気迫と負けん気だけで食らいついてるような新人時代から
たった数年で人気実力ともにメインを張れるスター選手になるのには想像を絶する努力と勉強をされたに違いなく、心から尊敬する。
しかもその原点には同級生に追い付き追い越したいという一念があるわけで...!
上野選手の試合って華麗な飛び技とか立体的な魅せ方が素敵な反面
実は相手の技を受けてる時間がいつも長いのよ、プロレスよくわかんないけど!
やられ続けるのにもきっと身体能力やガッツが必要なはず。
我慢の末に激情の炎を燃やしあるいは恍惚の笑顔を浮かべてやり返す上野選手は最高にうつくしく、感動せずにはいられない。
そんな上野選手相手だからこそ竹下選手は容赦なくめちゃめちゃな技を打ちまくれるのかもしれない。
魔夜漫画に時折顕れる『どんなにシニカルな人物も情には激しく揺さぶられ、そして情に救われる』というロマンティシズムに想いを馳せながらいい加減終わります。

D王GP決勝の結果がどうなったかって?
それはぜひWRESTLE UNIVERSEでお確かめ下さい!

https://www.wrestle-universe.com/?s=09

近々のお二人が無料で見られるこちらも(最初と最後に出ます)

https://youtu.be/4sSBWSg7I9A



完全に余談だけど
もしWRESTLE UNIVERSE入会したら、このメインイベントの女装マッチを見てほしい。
大阪のオカンに扮した竹下選手の作画が徳弘先生
女性ボディビルダーに扮した上野選手の作画が魔夜先生なので。


"闘うビアガーデン 2019 ~DISASTER BOX DAY~| DDT、プロレスリングノア、東京女子プロレス、ガンプロ、路上プロレスを見るなら | WRESTLE UNIVERSE(レッスルユニバース) | WRESTLE UNIVERSE" https://www.wrestle-universe.com/videos/8HXUHZ9jqh7gX3Kg3kUnrE

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