Saasを3事業10年やってきて思うこと。#SaaSLovers Day17
#SaaSLovers 最終日を務めさせて頂きますインターパークCOO高井と申します。
簡単に、会社と私の自己紹介をさせて頂くと、
こんな感じであります。
よろしくお願い致します!
今や世の中に素晴らしいSaasが溢れていて、ハードシングスを乗り越えたり、乗り越えられなかったり、泣いたり、笑ったり、嬉しかったり、悲しかったり、熾烈な競争社会の中で、なんとか私たちも会社運営ができております。
そこで
「10年間の想いのたけを、このnoteにぶつけよう」
みたいな内容に個人的にはいきたいところなのですが、
ニーズがあんまりない気がしているので、
お金なし、人なし、ノウハウなし、こういう状況から新規事業をはじめているような、うちみたいな会社って、多いんじゃないかなと思ってまして、その辺りの再現性あると思う事象や、使えそうな事業開発tipsを紹介していこうと思っています。
#SaaSLovers なので、ところどころSaas愛が溢れでたらすいません。
#SaaSLovers リレーブログ企画について
#SaaSLovers とは、有志で "SaaS に関する" ブログを日替わりで書く企画です。今回で 5 回目となり、今まで累計で 90 記事くらい上げています。
本記事は、今回の #SaaSLovers 最終日Day17の記事となります。
ツヨツヨ強強な面々の中、大トリ恐縮です!ぜひ他の皆さんの記事も見てみて下さい!勉強になりまくりです!@ShoheiKomatsuさん、運営ありがとうございます!
では、はじめていきますね。
デット型でSaasをPMFさせる
最初のテーマは、デットタイプ(自己資金+借入のみ)の小資本で、Saasプロダクトをどうやって、収支の合う事業に仕上げていくかという話を書いていきたいと思います。
あくまで事業化するという話なので、スタートアップとしてスケールさせる。グロースさせる。という話とは少しニュアンスが違うかもしれません。ARR的には1億-3億くらいのプロダクトをコンパクトに、いくつも仕上げていくようなイメージです。
今はSaasブームというのもあって、大きな資金調達をしているプロダクトが目立ちますが、現実問題として、予算が潤沢にある状態で新規事業をはじめられるケースって、逆にかなりレアだと思うんですよね。
というより、
むしろ資金調達を考えていても、その前には、お金なし、人なし、ノウハウなしの「ない」状態で、数値角度をつくらなきゃいけないフェーズが必ずあるので、
そこを抜けてから、
資金調達してエクイティタイプで、ゴール逆算最短でガツっと走るか。
そのまま自己資金+借入のデットタイプでガツっと走るか。
どのみちガツっと走るんですが、どのみち「ない」時期の乗り超えかたというのはSaas事業の肝な気がしています。
まっすぐいけるなら、まっすぐいく
Saasのプロダクトをつくってやることは、まず
まっすぐの営業活動です。
そのまま売れるのであれば、そのまま邁進すればいいので、ここから書いていくことは、
なかなか思う通りにうまくいかないなあ。。。
って時のエッセンスとして汲み取ってもらえるとうれしい限りです。
Saasプロダクトができる前に売る
やったほうがいいと思うことでパッと思い浮かぶ一つ目はこれですね。
プロダクトが出来上がる前の段階で、ビジョンや仕様を企画書に落としこんで営業させてもらうという方法ですね。テストマーケティングと同時に、お客さんをプロダクト完成前に探してしまう。という活動です。
これはまっさらな新製品ではなくても、アップデートやリプレイス時にも転用して使えるフレームワークかなと思っています。
想定しているペルソナ像に合致するお客さんを、自分の人脈や、自社のデータベースから想像して、実際にお声がけして、情報展開させてもらう。
アンバサダーマーケティングみたいな言われ方もされてますよね。
このサイクルを複数社に実施させてもらいます。
お客さんにも時間を頂く分、それに見返りのあるメリットを出さないと時間泥棒になってしまいますので、そういう意味でもこのやり方は、自社側だけじゃなくて、お客さん側にも、具体的なメリットを提供できるので個人的にとても好きな手法です。
オンライン上の空中戦でも展開できて、LPをつくって、広告をかけてみて、お問合せもらったら上記の手法に接続。テストマーケティングを実施していくというのも一考です。
完成前のプロダクトなので、失礼や語弊がないよう工夫が必要ではありますね。
そういう意味でもコミュニケーション貯金のある、人間関係がすでに構築されている人にまずアプローチさせてもらうというのがベターかなとは思います。
クラウドサービス「サスケ」で実行
うちの事業は、現在大きく分けて3事業あるのですが、
MAツールのクラウドサービス「サスケ」の、新製品や新機能のローンチ前なんかに、この手法は展開させてもらっています。
ただ状態が良い時は、上述のようにきれいなテストマーケティングもできるんですが、
現実は、既存の事業もある。売上も立てなきゃいけない。新規事業のテストマーケティングでじっくり時間とって、専用の開発メンバーをアサインして、ビジデブチーム組み上げてって、余力ない事が多いんですよね。
既存の営業もしつつ、こういう活動もしつつなので、現場はかなり乱雑です。
営業に、マーケティングに、CSに、いかに日常業務の中にテストマーケティングの要素を馴染ませていけるかという視点も大事だったりします。
テストマーケティング、営業、アップデート、ポジションをバランスさせる現実解
THE MODELみたいなマーケティングや営業、CSの分業制って、PMFした後にワークする仕組みだと思っていて、最初から仕組みに走ると100%安定稼働しないよなと思っています。
PMF前どころか、形すらない新規事業フェーズで、お金なし、人なし、ノウハウなしの「ない」状態の時って、テストマーケティングも、予算も、人繰りも、マーケティングも、営業も、売上も、プロダクトのアップデートも、マーケットポジションも分離しては考えられないんですよね。
たぶん事業開発でこれらを分離して考えた時点で、ほぼ負けレース確定なんだろうなと思っています。
なので
事業要素を全部同時に考えていく頭がないと、Saasの新規事業は前に進みずらいんですよね。
プロダクトが軌道にのってくる前は、THE MODELどころか、むしろ営業も技術もゴチャ混ぜにして、関係者全員巻き込みながら進めていけるかどうかが、成功失敗のまず最初の分岐点といえます。
で、ここまでの話の内容を統合すると、
デットタイプのSaas事業は
が「解」だと私は思っています。
Saasの事業開発は「受託開発」を有効活用する
この考え方のベースは、
序盤戦どうやって軍資金を稼ぎながら、プロダクトを製品として売れるクオリティまで仕上げていくか。この「鶏と卵問題」を同時に解決していこう。
というところにあります。
ただし、Saasの受託開発といっても、もちろんゼロベースからスクラッチで開発なんかはしません。9割はSaasプロダクトの基盤を活かして、足りない機能の残りの1割を開発していくという考え方の提唱です。
また、ずっとその形を続けましょう。という話でもなく、
受託開発をしなくても売上がつくれたり、マーケットニーズを捉えられる規模で顧客数が増えてきたら、THE MODELが機能するような、従来のSaas事業の一般的なフレームワークに合流させていくイメージです。
こんな感じのイメージですね。
産みの苦しみの時期の「売上」と「プロダクト」の設計を両立させましょう。
という考えですね。
事業の初期フェーズは、売上も必要だし、顧客ニーズ、製品に必要なアップデートの情報も必要だし、そう考えると受託開発を取り入れていったほうが全体最適につながると思っていて、生きた現場のニーズは間違いなくここにあります。
ただ、売上が必要だからとか、お客さんの要望だからとか、何でもかんでも受託開発すればいいという話でもなく「製品としてどうあるべきか」ファーストが必要なのは言うまでもありませんね。
売上がないと事業は継続できませんし、プロダクトのバージョンアップに投資もできません。バージョンアップがないとお客さんができません。お客さんがいないとプロダクトの方向性の解像度も上がりません。
このループのどこから手をつけるか?
答えは全部同時なんですが、その現実解として受託開発を有効活用するという選択肢ですね。
マルチテナントとシングルテナントの視点を持つ
で、これはtipsになると思うんですが、
Saasプロダクトの初期は、もう割り切りでマルチテナントかシングルテナントか、パブリックかプライベートかみたいな提供方法を事前から想定しておくと、受託開発を事業推進に組み込みやすかったりします。
弊社の場合、まず完全なパッケージものとして取り扱うパブリッククラウドに加えて、パッケージに受託開発を一部加えたプライベートクラウドの2つのラインナップで製品展開しています。
まずパブリッククラウド前提で営業をさせてもらって、パッケージ機能だけだと足りないケースに遭遇した場合に受託開発も視野に入れた営業に切り替えます。
プロダクト全体にあっていい機能の場合は、パブリッククラウドで実装。
弊社側のアップデートのロードマップにあるものは、そのまま無償実装しますし、緊急性が高い要望のものは、優先開発機能としてお客さんに共同開発を提案していく。
機能がユニークで、個別の顧客のみにメリットがあるマニアックなもので全体の仕様にのらないものは、プライベートクラウドとして提案する。
みたいな仕分けをすると、
Saasプロダクト本来の営業活動に加えて、そこで拾いきれなかったマーケットニーズと、受託開発による売上も接続してくるので、確実に事業推進力は上がっていきます。
これが
↓
↓
こうなります
こんな流れをつくっていくことができます。
軌道に乗ってきた後々のことを考えると、バージョン管理なんかが複雑になってしまうデメリットもあるんですが、それは生き延びた後に考えましょう。という多少強引な考え方はあしからず。
ポジションも売上もアップデートもSaasは全部同時進行で
ちなみに今、「パブリッククラウドとプライベートクラウドの視点を持つ」とSaas事業開発のtips的にいいですよ。みたいな話を書いたんですが、
これって、売上とアップデートのメリットだけじゃなく、実はマーケットポジション的にも、空白になってること多いんですよね。って思ってます。
どういうことか?
今ってSaasブームだと思うんですけど、ゴールから逆算して最短で結果を出すという視点から見ると、受託開発をやるって「事業のロードマップが見えていない無能 」&「PMFに向かうまでの無駄なもの」という捉え方されるんですよね。
(机上の理論上では)
VCとかも嫌がりますし。
なので、Saasメーカーの多くが受託開発には手をつけない。
なぜなら製品だから、主導権はメーカー側にあって、世界観を提示するのも、マーケットニーズも全部把握しているから。全部見えているから。
(大義名分と机上の理論上は)
こういう思考のロジックに囚われている状況が、色んな場所で発生していると思っていて、逆にプライベートクラウド、シングルテナントみたいな、「9割のSaas+1割の受託開発」みたいなサービス提供方法自体がポジションになること多いので、皆さんの展開マーケットの競合調査なんかもやってみるとおもしろいかもです。
ちなみにうちは
こんな感じでバランスさせました。
計画とか再現性とか世界観ももちろん大事なんですけど、それよりも抑えておかないといけない前提として、Saas事業の場合、変化適応だと思うので、わからないものをわかると言ってしまう。無駄が何かをわかっていない状態で無駄と言ってしまう。
みたいなマインドセットや、
計画を出してしまったから、方針を展開してしまったから、口に出して言ってしまったからと、変わる外部要因と内部要因を見ないふりして進んでいくのが本当に危険な気がしています。
受託開発とメーカーとしてのマインド切り替え
受託開発は、クライアントワークとか、労働集約型とか、非効率とか、スケールしないとか、良い悪いいろんな言われ方をしますが、現場の顧客の生々しい要望は、ここに一番詰まっているのは間違いなくて、
単純化すると、Saasって同じジャンルの受託開発を100個集めてきて、その中の共通パターンをパッケージ化させる製品なんですよね。
なので、そのサンプル数が少なければ少ないほど、絵に描いた餅になりやすい。肌感覚としてSaasが売れない理由の半分以上はこの「絵に描いた餅」状態に起因していると思っています。シンプルに現場情報の吸い上げが足りない。メーカー側の思想の一方的な押し付けになってしまっているのはよく見かけます。
そのためにも受注開発につながるような個社個別のユニークな要望を、どれだけたくさん保持できているかが大事。大量のモデルケースの中から共通項を抽出して、抽象化させて機能化。ひとつの製品として育てて成熟させていく。終わりないアジャイル型製品がSaasなのかなと思っています。
一方で、受託開発とメーカーだとマインドセットが180度違うというのも事実で、世界観と現場の両極を行ったり来たりしながら、永延とバランスを保つ努力がSaasメーカーには求められるのかなと思います。
ここまでの話は、世界観は大体みなさん持っているので、「現場」の情報が不足しがちなので、足回りをしっかりと固めて、世界観とマージしながら事業推進しましょうという主旨のtipsでした。
マーケットポジションってなんで重要なのか?
3Cとか、4Pとか、プロダクトの強みは何?とか、マーケットポジションは、プロダクトが選ばれる理由になるので重要であるのは間違いないのですが、
Saas事業のtipsという切り口で考えてみると、一番の影響箇所は「マーケティングコスト」だと思っています。
かのザッカーバーグ氏が「広告費は、つまらないプロダクトをつくった罰金」みたいな名言を残していて、いやお前が言うなよ。みたいなところは置いておいたとしても、これはポジションとマーケティングの関係性の本質をついた言葉ですよね。
要は優れたプロダクトっていうのは、
と言っているのかなと解釈しています。
逆に言うと、ポジションが弱いということは、
こうなります。
そう考えると、マーケティングコストのヘッドピンはマーケットポジションになるわけですね。
言わずもがな、自分ですごいよ。と言うより、他人にすごいよ。と紹介してもらったほうが説得力100倍ですよね。逆にポジションが弱いと、自画自賛型になるので逆にマーケティングコストも100倍かかってくる。大げさではありますが、こういう考え方で大筋は間違っていない気がします。
ポジションを定義する
自社の事業の他に、コンサルティングで色んな会社さんにも入らせてもらっていて、「もう事業が走っちゃってて、強みもポジションもない」というケースはよくあります。
ただ、大体あるんですよね。
「何でうちのプロダクトを選んだのか?」というお客さんインタビューをしてみると一番手っ取り早くて、その答えがそのまま回答だったりします。
極端な話、営業の対応が良かったからとか、会社の規模が信用できるからとか、属人的な部分や、そもそもの資源的な理由の場合も多いんですが、個人的には十分にそれもポジションの要素だと思っています。
受託開発の話と同じで、お客さんはそこに価値を見出している訳なので、そこは十分突破口になる。
例えば、下記のような掘り下げをしていくと、
Saasを製品の枠を超えて、サービスパッケージとして考えてみると、機能差や価格差だけではなく、信用や属人的という無形な価値を独自サービスとしてポジションに変換できるような道筋が見えてきます。
全く売れていないという状態であれば、むしろ、ポジションの定義自体、プロダクト設計自体に戻って考え直してみる。シンプルにやり直すという過程が実行できます。
B2Bの場合、マニアックなポジションは顧客単価が高い
小さくても、細かくてもいいので、マーケットのポジションを定義しておくというのは、もうひとつ理由があって、B2Bの場合、他社が提供していないマニアックな領域のポジションに行けば行くほど、顧客単価が上がりやすいんですよね。
ビジネス全般に言えることですが、価格は希少価値に比例してくるので、それはSaasの事業開発でも同じで、TAM自体が小さくて、ターゲットの顧客数も少ないけど、顧客単価はとんでも高いという状況がつくれたりします。
という感じでSaasをやる場合は、自己満足でも何でもポジションを定義しておくのは大事だと思います。
ポジション=PRコンテンツになる
話がそれたので、マーケティングコストに話を戻すと、
ナンバーワンでもオンリーワンでも言い方は違えど同じ話で、定義したポジションが事業化できるサイズあって、そのシェアを獲得するために、プロダクトも、お金も、人も投入していくわけですが、
序盤に書いたように、数字のついていない新規事業は、人なし、予算なし、ノウハウなしの「ない」ものづくしなので、独自ポジションを確保して、初速はPRを頑張るというのがベターだと思います。
PRは「安価。新規性。社会性。」この3要素が大事です。
この3つの掛け合わせた優位性が、マーケットポジションになりますので、PRとポジションは頭の使い所が似ているので、同時に考えるのは効率がいいと思います。
要は、すげえ!ってなる箇所がポジションで、アピールする場所を探すのがPRという区分けですね。
広告と違うところは、商材の一方的な宣伝というよりは「客観的にみて、どこが社会全体にとっていいところ」なのか。という視点が大事になってきます。
なので、具体的なPRというのはイベント登壇や、メディアへの執筆、ピッチコンテスト、対外的な露出活動みたいな、直接の商材宣伝からワンクッション置いて、社会的にどうインパクトを出せるのか。という活動になることが多いですよね。
ただ、ひとつの考え方として「新規性」って、目新しさがそのまま「社会性」になります。3要素のうち2つが「新規性」だけで掛け合わさるんですよね。
掘り下げていくと、
という図式がつくれたりします。ポテンシャルの大きいマーケットポジションであればあるほど、PRで直接宣伝効果を出せるので、やはりポジションを定義して、世の中に発信していくというのは大事になってきます。
Saas系のスタートアップでもイケてるところは、広告宣伝費をつかっている
イメージないですよね。それなのにメディア露出が多かったりして、よく見かけるというのは、この辺のPRがとても上手で、第一想起の設計が秀逸なんですね。
プロダクトが成熟してくるとたしかに、PRの費用対効果が計測しずらい問題が発生するのですが、プロダクトの販促初期に関しては新規性を打ち出していくことでマーケティング活動と直接接続できるものと考えています。
PRって、どうはじめていけばいいの?
ここからは少しtipsになるのですが、
広報担当をアサインして何からやればいいのかわからない。
となった時は、専門知識のある方が社内にいれば、そのまま進めばいいと思うのですが、なかなか現実そううまくはいかないので、そういう時は外部人材をうまく活用していくという方法がおすすめです。
例えば、広報として本職を持っている方でも、副業でやっている優秀な方が、結構いらっしゃって、そういう方にお願いして、メディアの記者の方とリレーションをつくってもらったり、PRコンテンツのつくりかたをレクチャーしてもらって、進めていくといいんじゃないかなと思います。
自社側でも広報担当をたてて、外部のノウハウを吸収しながら社内外の混在チームをつくると比較的短期間でPRが立ち上がります。
PRって個人的には、数字のつかない営業活動みたいなイメージを持っていて、記者の方が探しているネタを積極的に提供したり、メディアの方々と良い距離感で接点を持ち続けていく活動と考えています。
私もやってますが、こういうnoteとかTwitterとかでの発信もききます。直接バズることもありますし、バズった後に取材がきたりもしますので、メディアを介さないSNS周りの強化も得意分野であれば視野に入れていいと思います。
PRのマネジメントとしては、記事執筆数や、プレスリリース数、メディア掲載数、イベント登壇数など、活動量自体や、活動結果にKPIを持って進めていくといいんじゃないかなと思っています。
マーケティングはどう考える?
単刀直入にLTV100-300万くらいのSaasであれば、そこそこ背骨になるんじゃないかというリードジェレーション系の指標をtipsとして置いておきます。
目標値の設定とか、広告費用の凛義申請の参考数値、今やっている施策は費用対効果としてどうなの?みたいなところの暗算的にご利用ください。
下記の記事にもそこそこまとめてありますのでご興味あればどうぞ。
お金をつかうか、リソースをかけるか
マーケティングの基本的な考え方として、ノウハウがある場合はコストは安く済むし、ノウハウがない場合はコストが高くつくという軸と、お金をかけるか、リソースをかけるかという軸で考えるのが良いと思っています。
この軸で、自分たちの状況に合わせて予算とリソースの配分を考えていく必要がありますね。
大体、PMF前のデット型のプロダクトだと、マーケティングを考える時も、限られた予算で考えていかなきゃいけないケースがほとんどなので、
こういうマーケティング的なフレームワークにプラスして、上述の「Saasプロダクトができる前に売る」のテストマーケティングだったり、ポジションだったり、PRだったり、をごちゃ混ぜにしながら、全体としてマーケティングを進めていくって感じが現実解かなと思っています。
予算のない中でのマーケティング
この状況は、ほとんどのプロダクトであるんじゃないかと思ってまして、そのためのマーケットポジションやPRという話を書きました。
マーケティングの予算がない。
そんな時に、もうひとつフォーカスしたほうがいいのが「人が動くマーケティング」「ハイタッチコミュニケーションを重視したマーケティング」の実施だと思っています。
人が動いてコミュニケーションが使えるマーケ施策って、最上級にリッチで、最高コンテンツとして考えるのが正解でして、最初の壁には最強をぶつけにいくべきなんですよね。
主砲チャネルとして据えるのは、展示会とインサイドセールスをセットで強化。別プロダクト既存顧客へのアプローチ。この2つがおすすめです。
展示会のマーケティング活用に関しては下記にもまとめてありますので、ご興味あれば見てみてください。
マーケティングは空中戦のイメージありますが、地上戦に近しい手法のほうが結果は出しやすいので、人対人のコミュニケーションを基軸にマーケティングを考えてみるというのは一考です。
現在進行形で事業開発中のマーケティング
今、絶賛で事業開発中なのが、ノーコードでWebシステムがつくれるプラットフォーム「サスケWorks」というプロダクトです。
サイボ○ズさんの、キン◯ーンみたいなシステムなんですが、プラスして、自分でつくったシステムを、自分のブランドとして販売できる。みたいなことができまして、
「DXの民主化」という旗を立てて、会社のメンバーみんなで事業拡大に日々奮闘しています。
良かったら世界観もnoteで書いてますのでご覧ください。
マーケティングに話を戻すと、
このプロダクトを今までの話に当てはめて説明していくとわかりやすいかなと思うので、解説していきます。まずポジションの話ですね。
このプロダクトの大ポジションは、
こうなります。
マーケットポジションは常にチューニングし続けなければならないので、厳密にいうと、ずっとポジションは見つけ続ける。探し続ける。つくり続ける必要があります。
なので事業開発の現場では、大きな文脈は「大ポジション」に集約させますけど、プロダクトの機能差や価格差といった細かい差分を、その下の階層の「小ポジション」に次々定義していって、PR、マーケティング、営業と、各セクションで適宜アピールポイントとして活用していきます。
こんな感じですね。
マーケットポジションってひとつみたいなイメージありますけど、実は階層化して考えていったほうが、わかりやすいし、イメージしやすいし、運用しやすいしで、プロダクト設計に役立つよなと最近よく思います。
小ポジションは、もう激刺さりする少人数だけに刺さればよくて、どんどん定義して打ち出していきます。大小のポジション数が増えれば増えるほど、掛け合わせもできますし、課題解決にハマるパターンを自社で保有できることになります。
この延長線上のインパクトを待つというのが、Saasの事業推進の基本形なのかなと思います。シュンペータの有名格言「新結合=イノベーション」なので、この小型バージョンを自分たちで巻き起こしていくというイメージで私たちの会社では、事業開発をしています。
下記のグラフは、うちの主要プロダクトのMRRの伸びですが
スマホに050電話番号がつくれる「050電話アプリのSUBLINE」というプロダクトの場合は、社会情勢と機能改善の繰り返しが結合して、ドンと伸びています。
つまるところ、マーケットに向けてポジションを定義し続けるという仕事が、Saas事業と言えて、それはマーケット単位、顧客単位、色んなレイヤーに対して課題解決の方法や、世の中に新しい価値を具現化できる素晴らしいものですよね。
私たちの素晴らしいSaasプロダクトで、みなさんとお会いできることが楽しみです!
最後に
なんだかんだ10年以上、この業界で仕事をさせてもらってきました。
そこで今回は、インターパーク社に溜まっているナレッジを会社のスタッフ51名を代表して、私が書かせて頂きました。
ベンチャーの端くれとして、我々もアパートの一室からはじまり、なんとか生き残ってきて今という感じです。
上を見れば、すごい巨人がたくさんおりますし、
下を見れば、新進気鋭のイノベーターが次々きますし、
皆さんそんな状況だと思うんですよね。
成長スピードも、世界観も、花咲くタイミングも人それぞれ。
潰れさえしなければ、何度でも挑戦できますし、何度でも改善できますし、何度でもやり直せます。
気概をなくさないこと。意志を絶やさないこと。思考を止めないこと。行動し続けること。
#SaaSLovers とは、世の中を変える意識。
「人間万事塞翁が馬」
#SaaSLovers 万歳!現場からは以上です。