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カラオケ動画を作ろう! (3) "タイミング設定編" 初心者向けチュートリアル

前回のステップでは、歌詞にルビを付けました。

今回のステップでは、音楽に合わせて歌詞の色を変えるためのタイミング(ワイプタイミング)を設定していきます。

動画版チュートリアルもどうぞ。



音楽の再生

引き続き、リズミカ(RhythmicaLyrics)を使っていきます。まず、リズミカで音楽を再生する方法を説明します。

リズミカのウィンドウに、エクスプローラーから終焉逃避行の元動画をドラッグ&ドロップし、ウィンドウ上部の再生ボタンを押すことで、終焉逃避行を再生できます(音声のみ)。動画ファイル、音声ファイル、どちらをドラッグ&ドロップしても大丈夫です。

操作方法は以下です。

(補足)
早戻し/早送りはこの先よく使うことになるので、ショートカットキー "Z" "X" を覚えておくと効率的です。

タイミング設定の基礎

再生方法がわかったので、いよいよワイプタイミングを設定していきましょう。

表示されている歌詞の左下に小さな白い三角がありますが、これは「タイミングを設定することができる位置」です。

音楽を再生すると、緑矢印が赤三角に変わります。その状態でスペースキーを押すと、白三角のすぐ下に紫三角が追加され、赤三角は 1 つ右の位置に移動します。

スペースキーを押すとワイプタイミングが設定され、設定済が紫三角、これから設定しようとしている位置が赤三角、ということです。

赤三角はカーソルキーで上下左右に移動できますので、「終夜」の「終」まで戻してください。また、音楽も先頭まで戻します。

そして、音楽が「終夜」の「し」を発音した瞬間に、(赤三角が「終」にある状態で)スペースキーを押してください。続いて、「終夜」の「や」を発音した瞬間に、(赤三角が「夜」にある状態で)スペースキーを押してください。

このようにして、音楽に合わせて次々とスペースキーを押していきます。

ちなみに、歌い出し文字("_" や "…")は、歌い出しの 1 小節前くらいでスペースキーを押すと良いです。

(補足)
歌い出し文字を "_" にしている場合、リズミカの画面に表示されず見えない状態になっている時もありますが、存在はしていますので焦ることはありません。

1 行くらいタイミングを設定したら、再び音楽を先頭まで戻して再生してみてください。

設定したタイミングに合わせて、歌詞の色が灰色から白に変化(ワイプ)しているのが分かるかと思います。

タイミング設定のコツ

音楽に合わせてスペースキーを押すのはリズムゲームのようなものなので、リズムゲームが得意な人はすぐに慣れるのではないでしょうか。

一方で、リズムゲームが苦手な人(筆者も苦手です……)でもやり方はあります。

再生速度を遅くする

ウィンドウ上部の再生速度バーで再生速度を遅くするとタイミングを刻みやすくなります。

ちなみに筆者は原則 66% の速度(3 分の 2 速度)で再生しています。テンポの速い曲はもっと遅くする場合もあります。

白三角を削除する

デフォルトではすべての歌詞(文字)に白三角があります。つまり、1 文字ごとにスペースキーを押す必要があります。

白三角を削除すれば、それだけスペースキーを押す回数も減ります。

Delete キーで削除できるのですが、注意点としては、

  • 音楽停止中に Delete → 白三角削除

  • 音楽再生中に Delete → 紫三角削除

となり、音楽再生中かどうかで削除される三角の種類が異なりますので気をつけてください。

例えば、文節の始まりのところの白三角だけを残し、他を削除すると、だいぶ作業が楽になります。

(補足)
行末の白三角を削除すると、次の行の先頭と同じタイミングになっていると見なされます。

(補足)
白三角を削除するのも面倒という場合は、白三角は残したままで、カーソルキーで緑矢印を動かし、タイミングを刻みたい白三角だけスペースキーで刻み、それ以外のところはカーソルキーでスキップする、という手もあります。

消したくない白三角を削除してしまった場合は、(音楽停止中に)スペースキーを押すと、白三角が復活します。

(補足)
上級者になると、「作業をやりやすくするため」ではなく「ワイプ品質を向上させるため」にあえて白三角を削除する場合もあります。
リズムが一定の区間や、母音がモーフィングする箇所などを削除しますが、この辺りの感覚は人それぞれの部分もあり、作成者によって削除のしかたにも個性が出ます。

戻ってやり直す

早戻し("Z" キー)、早送り("X" キー)で曲の再生位置は自由に調整できます。

カーソルキーで赤三角の位置を調整できます。

ちょっと戻って、もう 1 回スペースキーを押せば、ワイプタイミングを修正できます。

モード変更

一度設定したワイプタイミングを「もう少しだけ早く(or 遅く)したい」という場合は、もちろんもう 1 回スペースキーを押し直してもいいのですが、「テキスト編集モード」を使うこともできます。

[モード変更 → テキスト編集モード]メニューをクリックすると、リズミカの画面が変わります。

歌詞以外の見慣れない文字があって戸惑うかもしれません。

{終|[1|00:20:10]しゅう}{夜|[1|00:20:68]や}

[1|00:20:10] のように [ と ] で囲まれている文字は、白三角の情報を表しています。先頭の 1 は気にせず、続く 00:20:10 がワイプタイミングです。「終」がワイプ開始するのは、曲が始まってから 20.10 秒、という意味です。

もう少し早くワイプ開始させたい、という場合はこの数字を減らし、もう少し遅くワイプ開始させたい、という場合はこの数字を増やします。

一般的な動画はおよそ 30 fps ですので、この数字を 4 減らしたり増やしたりすれば 1 フレーム程度の影響が出ます。

(補足)
「夜」がワイプ開始するのは 20.68 秒ですが、これはつまり、「終」のワイプ終了が 20.68 秒ということでもあります。
「終」は 20.10 秒から 20.68 秒までワイプする、ということです。

数字を直したら、再度[モード変更 → テキスト編集モード]メニューをクリックし、元の画面に戻します。

(補足)
テキスト編集モードで直すとミスが出やすくなりますので注意してください。
画面を戻したときに変になってしまったことに気付いた場合は、[編集 → 元に戻す]メニューで元に戻すと良いでしょう。

あまり気にしすぎない

連載初回にも書きましたが「最初から 100 点は目指さなくていい」ので、「ちょっとタイミングずれてるな~」と思っても、とりあえず先に進みましょう。

曲の最後までワイプタイミングを設定してください。

曲名などの入力

タイミング設定を一通り終えたら、最後に曲名などを入力しておきます。

[ツール → @ タグオプション]メニューをクリックすると、入力用ウィンドウが開きます。

@Title(曲名)と @Artist(歌手)のチェックボックにチェックを入れ、右の欄に曲名と歌手を入力し、OK ボタンを押します。

2 つの保存

以上でリズミカでの作業は終了です。忘れずに保存してください。

前回のステップでも書きましたが、必ず「編集中データの保存」で保存してください(拡張子 .rlf)。「名前を付けて保存」は絶対 NG です。

.rlf で保存後、[ファイル → 出力 → ルビ拡張規格でタイムタグ出力 → 実行]メニューをクリックして、拡張子 .lrc でも保存してください。

.rlf と .lrc 両方で保存する必要があります。

(補足)
.rlf はリズミカで使うデータ、.lrc は次回のステップのアプリで使うデータです。

まとめ

今回のステップでは、音楽に合わせて歌詞の色を変えるためのタイミング(ワイプタイミング)を設定しました。設定しやすくするためのコツについてもお伝えしました。

また、曲の情報も入力しました。

次回のステップでは、動画と歌詞を合体させてカラオケ動画を作ります。

主な改訂履歴

  • 2024/10/16 初版。

  • 2024/10/31 動画版公開。

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