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カラオケ動画を作ろう! (2) "ルビ設定編" 初心者向けチュートリアル

前回のステップでは、カラオケ動画向けに歌詞を整形しました。

今回のステップでは、歌詞にルビ(ふりがな)を付けていきます。

動画版チュートリアルもどうぞ。


リズミカのインストール

カラオケ動画で歌詞の色が曲に合わせて変化していくことを「ワイプ」と言います。ワイプタイミングを設定したり歌詞にルビを付けたりするための専用アプリが「RhythmicaLyrics(リズミカリリクス)」(略称リズミカ)です。

公式サイトからリズミカをダウンロードしてください。2024 年 10 月時点のバージョンは 6.1 です。

zip ファイルなので、好きな場所に展開(解凍)するだけでインストールは完了します。

exe ファイルをダブルクリックして起動してください。

リズミカの設定

リズミカは初心者から上級者まで幅広く使えるアプリなので、それぞれの人に合った設定を行うことができ、設定によって使用感が大幅に変化します。

ここでは初心者向けにリズミカの設定をします。

[ツール → 設定]メニューで設定ウィンドウが開くので、左側の[自動チェック → チェックの付け方]をクリックしてください。

以下が初心者におすすめの設定です。

初期状態からの変更点(赤丸部分)は、

  • 行頭にもチェックを付ける(記号等) → On にする

  • キーアップチェック → Off にする

  • 漢字のチェック数を 1 つにする → On にする

  • 空白にもチェックを付ける → Off にする

特に「キーアップチェック」は必ず Off にしてください。On のままだと高確率で変なカラオケ動画になります。

(補足)
リズミカのバージョンによって初期設定が変わっているかもしれないので、念のためすべての設定が上の画面と同じか確認すると良いでしょう。

設定を終えたら OK ボタンを押してください。

メインウィンドウに戻ったら、[ルビ → ルビを表示する]メニューをクリックして、「ルビを表示する」にチェックが入った状態にしてください。

以上でリズミカの設定は終わりです。

(補足)
人によって好みの設定は変わってきます。慣れてきたら自分好みの設定を探してみるのも良いでしょう。

ルビを付ける

前回のステップで整形した歌詞ファイル(テキストファイル)を、エクスプローラーからリズミカのウィンドウにドラッグ&ドロップします(もしくは、[ファイル → 歌詞を開く]メニューで歌詞ファイルを開きます)。

処理に時間がかかるのでしばらく待ちます(ディスプレイ中央に進捗率が表示されます)。

歌詞にルビが付いた状態で表示されます。

(補足)
ルビが表示されない場合は、[ルビ → ルビを表示する]メニューが On になっているか確認します。

それでも表示されない場合は、[ツール → 自動付加チェック実行]メニューをクリックします。

保存時の注意

ここで、リズミカのデータを保存する時の注意点を書いておきます。

リズミカのデータを保存する時は、[ファイル → 編集中データの保存]メニューで保存してください。保存されるファイルの拡張子は .rlf です。

保存後、タイトルバーにも拡張子 .rlf が表示されます。

(注意)
「名前を付けて保存」で保存してはいけません。ルビ情報が失われてしまうため、今回のステップで行う作業が無駄になってしまいます。

一度「編集中データの保存」(.rlf)をしたら、次回からは「上書き保存」で大丈夫です。

また、保存したデータを開きたい場合は、エクスプローラーからリズミカのウィンドウに .rlf ファイルをドラッグ&ドロップします。

ルビの修正① 不要なルビの削除

リズミカが自動的に振ってくれるルビは完璧ではないので修正していきます。

まず、ひらがな・カタカナにもルビが振られていますが、これは不要なので、削除します。

[ルビ → 文字種を指定してルビを削除]メニューをクリックすると、小さなウィンドウが開きます。

デフォルトで「ひらがな」「カタカナ」にチェックが入っていますので、そのまま OK ボタンを押すと、ひらがなとカタカナに振られているルビが削除されます。

これで自然な感じになりました。

ルビの修正② 個別の修正

ルビを 1 つ 1 つ確認し、間違ったルビがある場合は修正していきます。

柊マグネタイトさんはルビ付きの歌詞ファイルも公開してくださっており、通常とは異なる読み方をする部分などが明示されています。それも確認しながら作業を進めましょう。

ルビが間違っている文字を見つけたら、その文字をクリックすると、緑色の矢印が移動します。もしくは、カーソルキーで緑色の矢印を動かしてもかまいません。

F2 キーを押すとルビ入力欄が表示されるので、正しいルビを入力してエンターキーを押すと、ルビを修正できます。

リズミカの傾向として、隣り合うルビが移動してしまっていることも多いので、注意して確認しながら修正してください。

例えば、「模様」のルビは本来「模」=「も」、「様」=「よう」ですが、リズミカが自動で振ったルビは「模」=「もよ」、「様」=「う」になっていたりするので修正が必要です。

熟字訓のルビの付け方

通常の単語は、漢字が 2 文字以上の場合でも、それぞれの漢字にルビが付きます。先ほど出てきた「模」=「も」、「様」=「よう」のような感じです。

しかし中には、それぞれの漢字にルビを分けられない単語があり、これを熟字訓といいます。例えば「大和」のルビは全体で「やまと」であり、「大」単独のルビが「や」なのか「やま」なのかという考え方はありません。

終焉逃避行では「十六夜」(いざよい)が熟字訓です。

熟字訓のルビを付ける場合は、先頭の漢字にすべてのルビを入力し、「連結」ボタンをクリックすると、末尾に "+"(全角プラス)が付きます。

(補足)
連結ボタンをクリックする代わりに、全角プラスを日本語入力で入力してもかまいません。
半角プラスではダメなので注意してください。

十六夜の場合は、先頭の「十」に「いざよい+」と入力します(じゅうとプラスが紛らわしいですが注意してください)。

ルビの "+"(全角プラス)は、「次の漢字のルビとくっつける」というニュアンスです。次の漢字とくっついた「十六」に対して「いざよい」というルビが振られることになります。

さらに、「六」のルビを "+"(全角プラス)にすると、さらに隣も合体して「十六夜」に対して「いざよい」というルビになります。

「夜」のルビは空欄にしてください。

つまり、リズミカでの「十六夜」のルビ入力は

  • 十 → いざよい+

  • 六 → +

  • 夜 → (ルビを入力せず空欄)

のようにしてください。

熟字訓のルビを振り終えると、ルビがうっすらと四角で囲まれ、まとまっているのが分かるかと思います。

熟字訓のルビの付け方を改めてまとめると、

  • 先頭の漢字 → すべてのルビ、末尾に "+"(全角プラス)

  • 中間の漢字 → "+" のみ

  • 末尾の漢字 → (ルビを入力せず空欄)

となります。

2 文字の熟字訓は中間の漢字がないので、例えば「大和」なら

  • 大 → やまと+

  • 和 → (ルビを入力せず空欄)

です。

英単語のルビの付け方

終焉逃避行には英単語は出てきませんが、もし英単語が出てきてルビを振る曲があった場合、英単語のルビの付け方は、熟字訓のルビの付け方とまったく一緒です。

  • 先頭のアルファベット → すべてのルビ、末尾に "+"(全角プラス)

  • 中間のアルファベット → "+" のみ

  • 末尾のアルファベット → (ルビを入力せず空欄)

例えば「beauty」に「ビューティー」とルビを付けたい場合は、

  • b → ビューティー+

  • e → +

  • a → +

  • u → +

  • t → +

  • y → (ルビを入力せず空欄)

です。勢い余って末尾の「y」にも「+」を付けてしまわないよう気をつけてください。

(補足)
リズミカはデフォルトで beauty を読めるので、上記のルビが自動的に付くはずです。

まとめ

今回のステップでは、歌詞にルビ(ふりがな)を付けました。

  • リズミカ(RhythmicaLyrics)のインストール

  • リズミカの設定

  • いろいろなルビの付け方

次回のステップでは、歌詞の色をタイミング良く変化させるためのタイミング情報を設定していきます。

主な改訂履歴

  • 2024/10/15 初版。

  • 2024/10/29 動画版公開。

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