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カラオケ動画を作ろう! (5) "動画出力編" 初心者向けチュートリアル

前回のステップでは、動画の中で歌詞を字幕として表示し、カラオケ動画としての動きをプレビューで確認しました。

今回のステップが最終回で、動画ファイルとして出力します。

動画版チュートリアルもどうぞ。


一番簡単な動画出力

引き続き、ニコカラメーカー 3 を使っていきます。

左端に並んでいるナビゲーションボタンの「動画出力」ボタン(一番下)をクリックします。

出力形式がデフォルトで「無圧縮 AVI」となっているのを確認します。

動画出力ボタンをクリックすると、しばらく待てば動画が出力されます。

とても簡単に動画出力できましたが、無圧縮 AVI 形式で出力した動画は、

  • ファイルサイズがとても大きい(100 GB 以上になることも)

  • PC のスペックや再生アプリによっては音声が出ないなどの不具合が出やすい

といった欠点があります。

これらを改善するために、MP4 形式で動画出力してみましょう。

MP4 形式での動画出力

MP4 形式で動画出力すると、

  • ファイルサイズが小さくなる(1000 分の 1 くらい)

というメリットがあります。以下の手順でやっていきましょう。

FFmpeg のインストール

MP4 形式で動画出力するには FFmpeg(エフエフエムペグ)が必要です。

公式サイトからダウンロードしてください。

英語なので分かりづらいですが、

  1. Windows のロゴをクリック

  2. Windows builds from gyan.dev」をクリック

  3. 「ffmpeg-git-full.7z」をクリック

の手順でダウンロードできます。

(補足)
レイアウトは変わる場合がありますので注意してください。

7z ファイルなので、好きな場所に展開(解凍)するだけでインストールは完了します。

(補足)
Windows のバージョンが古いと 7z ファイルを展開できません。
その場合は、別途 7-Zip などのアプリをインストールして展開します。

ニコカラメーカー 3 の環境設定

ニコカラメーカー 3 の[ツール → 環境設定]メニューをクリックし、環境設定ウィンドウを開きます。

左端に並んでいるナビゲーションボタンの「MP4 エンコード」ボタン(上から 3 番目)をクリックします。

「FFmpeg の場所」欄で、先ほど展開した ffmpeg.exe の場所を入力します。bin フォルダーの中にあります(参照ボタンでの指定が便利)。

入力を終えたら OK ボタンをクリックして環境設定ウィンドウを閉じます。

ここまでの作業は MP4 形式での動画出力のための準備となり、1 回だけやれば大丈夫です。

出力

ニコカラメーカー 3 メインウィンドウの動画出力パネルで、出力形式を「MP4」にし、その隣は「汎用」にします。

動画出力ボタンをクリックすると、MP4 形式で動画出力されます。出力ウィンドウに「出力形式:MP4」と表示されます。

MP4 形式の詳細

(補足)
この節は豆知識なので読まずに次までスキップしても大丈夫です。
興味のある方のみどうぞ。

一口に MP4 と言っても、その設定には実は色々あります。ニコカラメーカー 3 では「いい感じ」になる設定がデフォルトで用意されており、それが先ほど選択した「汎用」という MP4 設定です。

色々な設定内容を見ていきましょう。[ツール → 環境設定]メニューの MP4 エンコードパネルを再び開きます。

間違って「いい感じ」の設定内容を破壊してしまわないように、「新しいタブの追加」ボタンで設定内容をコピーし、そこで確認するとよいでしょう。

設定項目を見ていきましょう。

「映像コーデック」はサイズ圧縮技術の名前です。選択肢は 2 つあります。

  • H.265 (HEVC)……新しい技術で、ファイルサイズがより小さくなります。ただし、再生できないアプリもあるので注意が必要です。

  • H.264 (AVC)……一般的な技術です。ほとんどのアプリで再生できるので、初心者にはこちらがおすすめです。

「映像エンコードデバイス」は高画質にしたいなら「ソフトウェア」一択です。

「画質」で映像のきれいさを指定します。スライダーを「高画質」に寄せるほど画質がきれいになります。分かりづらいのですが、数値が小さいほうが画質がきれいです。一方で、画質をきれいにすると、ファイルサイズは大きくなってしまいます。

H.264 (AVC) の場合、画質 18 がおすすめです。理屈では 18 よりも 17、16……のほうが画質がきれいなのですが、一般的な人間は、きれいすぎて 18 と 17 のきれいさを区別できません。つまり、実質は 18 が最高画質です。一方で、17、16……は着実にファイルサイズが大きくなりますので、無駄にファイルサイズが大きくなってしまいます。

同様の理由で、H.265 (HEVC) の場合は画質 24 がおすすめです。

(補足)
昔は 1 秒当たりのファイルサイズである「ビットレート」を指定する方法(2pass VBR)が一般的でした。しかし、動画の内容によって最適な平均ビットレートが異なるので、VBR 指定すると、同じ値を指定しても動画によって画質にばらつきが出てしまいます。また、実質 2 回エンコードするので、動画出力に時間もかかります。

(補足)
画質については Understanding Rate Control Modes(英語記事)に詳しく書かれています。

(補足)
間違って「汎用」の設定内容を変更してしまった場合は、初期化ボタンをクリックすると、すべての設定が初期設定に戻ります。

完成

以上でカラオケ動画完成です。

メディアプレイヤーなどで再生してみると、自分が作ったカラオケ動画は思い入れもひとしおなのではないでしょうか。

ちょっと変なところもあると思いますが、最初は誰しもそんな感じです。「最初から 100 点は目指さなくていい」ので、まず 1 回作った、それが大切です。

少し落ち着いたら、じっくりカラオケ動画を見返して変なところを探し、この連載を読み返しながら直してみましょう。少しずつクオリティを上げていけばいいのです。

先人達のカラオケ動画を見てみると、発見もあるかと思います。以下のリンクにカラオケ動画がたくさんあります。

活用時の注意点

作成したカラオケ動画を個人で楽しむのは問題ありませんが、それ以外は注意が必要です。

動画やツールなどの作者の方が示しているルールを守りましょう。

動画では、柊マグネタイトさんは比較的寛容なルールにしてくださっており、大変ありがたい限りです。

ツールでは、ニコカラメーカー 3 のお願いはこちらです。

動画サイトにアップロードする場合(そもそもアップロードできない場合もあるので注意が必要です)に対応すべき内容は以下です。

ニコニコ動画

ニコニコ動画にカラオケ動画をアップロードする場合は、

の 2 つをコンテンツツリーに登録します。

コンテンツツリーの親子登録方法はニコニコヘルプをご覧ください。

YouTube

YouTube にはコンテンツツリーの仕組みがないので、動画自体や投稿ページなど、どこか分かるところに

の情報を記載しておきます。

まとめ

今回のステップでは、カラオケ動画を出力して完成させました。
また、活用時の注意点も整理しました。

おまけ

以上でチュートリアルは完了ですが、ちょっとだけおまけがあります。よろしければどうぞ。

主な改訂履歴

  • 2024/10/18 初版。

  • 2024/11/06 まとめを記載。

  • 2024/11/09 動画版を公開。

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