Do you mind if 〜ってホンマに使うんだ!!って思った話

サウスヤラ駅で電車を降りたら、迷うことなく美佐子さんのお店に着くことができた。

美佐子さんの仕事が終わるまで2時間位あるってことなので、私はとりあえず美佐子さんのお店に荷物を置かせてもらって、再び電車に乗ってシティーに戻ることにした。

この時、切符の種類を美佐子さんに教えてもらった。

1回限り使える切符の他に、2時間使える切符、1日使える切符、1週間使える切符など様々な種類の切符があり、同じゾーン内なら切符の有効期間中何度でも乗車可能なのだという。

私は2時間切符を買い、シティの中心、フリンダースストリート駅へ向かった。
フリンダースストリート駅は、いかにもメルボルンって感じのルネサンスな外観に、時計塔のある入り口にはたくさんの時計が並び、各路線の次発電車の出発時刻を指していた。ちなみにこれらの時計が全て0時を指している時は「ストライキ中」ということを表しており、電車が運行していない。

当時私は喫煙者であったため、フリンダースストリート駅につくと、時計塔の入口にある階段に腰かけて、日本から持ってきたハイライトを吸った。

メルボルンの街に翻弄され続けてたけど、ようやく一服できる…と思い、スワンストンストリートとフリンダースストリートの交差点を行き交うトラムや人々を眺めながら、深いため息をつくように煙を吐いた。

ひとりの男と目が合った。

エッ…? と思うやいなや、男が言った

「Do you mind if I take your ciggie??」

オッ…オォ…知らない人に「タバコもらえる?」って訊くんだ…。

…ってか…

「Do you mind if I do ナニナニ…

「私がナニナニしたら、あなたは気にしますか? つまり、"ナニナニしてもいいですか?"ということだな〜」

って英語の授業で習って、そんな面倒くさい言い回しホンマにするんかよ…⁇って思ってた表現、ホンマにしよるやんけ!

まァ…別にタバコの1本くらい良ェし、ってあげたんだけど、それ以来、シティに出てきてココでタバコ吸うたびに、タバコをせびられる。

なんなの?フリンダースストリート駅前はタバコもらいたいヒトのメッカなの?

って美佐子さんに訊いたら、「オーストラリアはタバコ高いからちゃう?」って。
確かに高い。2001年当時で1箱25本入り(日本はだいたい20本入り)でA$13くらいだったと思う。当時のレートでも800円くらいだったから、今だったら1,000円くらいするかも。
あまりに高いので、滞在中途中から私はタバコの葉っぱと巻紙とフィルターをそれぞれ買って自分で巻くタイプのタバコを吸っていた。ベロッと紙を舐めて貼り付ける動作がセクシーだと思っていたが、たぶん側から見たらそんなことさはなかっただろう。

その後、現地の喫煙者の友達に訊いて、本当の理由が分かった。

「シンちゃん、タバコのパッケージ出したまんまタバコ吸ってたろ?」

って、なんだか鋭そうな推理をしてくる。でも確かにそのとおりかも。階段に腰かけてるから、その体勢でジーンズのポケットにタバコのパックをネジ込むのはやりにくい。隣にライターとタバコを置いて吸っていたと思う。

「次からタバコに火をつけたらすぐポケットにタバコとライターしまいな。そしたら声かけられにくいし、例えせびられても、I have no spare ってトボけられるし」

ヘーッ、タバコ見えてるから「くれ」って言うてきてたのか…!

それを知って以来、タバコを隠すようにしたら、確かに劇的にせびられる回数は減ったなァ…。ましてや、自分で舐めて巻いてるタバコを「よこせ」って言うてくる人はほとんどいなかったね…。

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